危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1
爆発物
分類対象外
-
-
-
-
爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2
可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む)
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義による液体である。
3
エアゾール
分類対象外
-
-
-
-
エアゾール製品ではない。
4
支燃性/酸化性ガス
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
5
高圧ガス
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
6
引火性液体
区分2
危険
H225
P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点-12°C (closed cup)、沸点78°C (ICSC (J) (2003)) に基づいて区分2とした。なお、UNRTDG分類はUN 1125、クラス3、副次8、PGIIである。
7
可燃性固体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
8
自己反応性化学品
分類対象外
-
-
-
-
分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9
自然発火性液体
区分外
-
-
-
-
発火点は310°C (GESTIS (Access on September 2017)) であり常温で発火しないと考えられる。
10
自然発火性固体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
11
自己発熱性化学品
分類できない
-
-
-
-
液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12
水反応可燃性化学品
分類対象外
-
-
-
-
金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13
酸化性液体
分類対象外
-
-
-
-
酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。
14
酸化性固体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
15
有機過酸化物
分類対象外
-
-
-
-
分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16
金属腐食性物質
分類できない
-
-
-
-
データがなく分類できない。
危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1
急性毒性(経口)
区分4
警告
H302
P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、372 mg/kg (SIDS (2016)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、区分4とした。新たな情報源の使用により旧分類から区分を変更した。
1
急性毒性(経皮)
区分3
危険
H311
P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ウサギのLD50値として、850 mg/kg (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994))、> 1,100 mg/kg (SIDS (2016)) との報告があり、1件が区分3、1件が区分4又は区分外に該当する。有害性の高い区分を採用し、区分3とした。
1
急性毒性(吸入:ガス)
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
1
急性毒性(吸入:蒸気)
区分3
危険
H331
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P311
P321
P405
P501
ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、4.2 mg/L (1,403 ppm) 及び> 4.6 mg/L (> 1,536 ppm) (いずれもSIDS (2016)) との報告があり、1件は区分3、1件は区分3又は区分3超に該当する。有害性の高い区分を採用し、区分3とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (122,610 ppm) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
1
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
分類できない
-
-
-
-
データ不足のため分類できない。
2
皮膚腐食性/刺激性
区分1
危険
H314
P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
モルモットを用いた皮膚刺激性試験で塗布後に壊死が生じたとの記載 (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994)) がある。ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404と同等) でばく露時間1分間で速やかに壊死が起きて痂皮が生じ、腐食性を示したとの記載 (SIDS(2016)) がある。よって、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Corr.1A, H314に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。
3
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
区分1
危険
H318
P305+P351+P338
P280
P310
皮膚腐食性/刺激性が区分1に分類されている。ウサギの眼において最大の傷害 (10段階の9) を認めたとの記載 (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994)) や、ウサギを用いた眼刺激性試験で角膜及び虹彩の障害は24日間で回復せず腐食性を示したとの記載 (SIDS (2016)) がある。よって、区分1とした。
4
呼吸器感作性
分類できない
-
-
-
-
データ不足のため分類できない。
4
皮膚感作性
分類できない
-
-
-
-
モルモットを用いた皮膚感作性試験 (OECD TG 406準拠) で惹起後24及び48時間後ともに被験動物20匹全てにおいて皮膚反応はないことから感作性は認められず、モルモットによる別の試験 (EPA OTS 798.4100準拠) でも感作性は認められなかったとの記載 (いずれもSIDS (2016)) がある。ヒトでの情報は得られなかったため、分類できないとした。
5
生殖細胞変異原性
分類できない
-
-
-
-
In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (食品安全委員会添加物評価書 (2010))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いたマウスリンフォーマ試験で陰性、染色体異常試験で陽性 (数的異常) である (SIDS (2016)、食品安全委員会添加物評価書 (2010)、NTP DB (Access on September 2017))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。
6
発がん性
分類できない
-
-
-
-
データ不足のため分類できない。
7
生殖毒性
区分1B
危険
H360
P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ヒトの生殖影響に関する情報はない。実験動物では、本物質を妊娠ラットの妊娠6〜19日に50〜450 mg/m3の濃度で吸入ばく露した試験において、母動物には50 mg/m3以上で濃度依存的な鼻腔前部上皮の扁平上皮化生、炎症及び移行上皮過形成が、450 mg/m3では加えて鼻粘膜の壊死がみられるなど、母体には低濃度群から呼吸器への局所刺激影響が認められたが、最高濃度群まで全身性の毒性影響はみられなかった。また、最高濃度まで胎児への発生影響は検出されなかった (SIDS (2016))。一方、本物質塩酸塩 (CAS番号 3858-78-4) を妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6〜15日) に100、400及び1,000 mg/kg/day (本物質換算: 66、265及び660 mg/kg/day) の用量で強制経口投与した試験では、母動物には1,000 mg/kg/dayで体重増加抑制、摂餌量減少、妊娠子宮重量の低値が、胎児には400 mg/kg/day以上で心血管系奇形及び尾の奇形、1,000 mg/kg/dayでは胚/胎児死亡の軽度増加が認められた (SIDS (2016)、食品安全委員会添加物評価書 (2010))。
以上、吸入経路による発生毒性試験では発生影響は示されなかったが、経口経路の試験では母動物毒性発現量より低い用量から催奇形性が認められた。よって、分類ガイダンスに従い、本項は区分1Bとした。なお、今回の見直しでは旧分類時以降の新しい情報源を用いたため、分類が可能になった。
8
特定標的臓器毒性(単回暴露)
区分1(呼吸器)、区分2(中枢神経系)
危険
警告
H370
H371
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ヒトでは、高濃度の本物質の基本的な作用は、皮膚と眼の激しい薬傷及び呼吸器刺激で、重症では肺水腫に至るとの記載がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994)、ACGIH (7th, 2001))。また、毎日5〜10 ppmの本物質にばく露されている人は、鼻、喉及び眼に刺激を覚え、頭痛を訴え、10〜25 ppmでは不快であり、数分以上のばく露には耐えられないとの記載がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994)、PATTY (6th, 2012))。実験動物では、ラットの単回経口投与試験で、区分1相当の100 mg/kg以上で鎮静、運動失調、流涎、鼻汁、あえぎがみられ、高用量では痙攣が認められたとの報告がある (SIDS (2016))。痙攣がみられた最小用量の記載はないが、この試験の最大用量は区分2の範囲の600 mg/kgであるため、区分2の範囲で認められたと考えられる。吸入経路では、ラットの4時間吸入ばく露試験で、区分1相当の3.1 mg/L以上で、閉眼、呼吸困難、無関心、角膜混濁、うずくまり姿勢、よろめき歩行が認められたとの報告がある (SIDS (2016))。また、ラットを用いた別の4時間吸入ばく露試験で、区分1相当の4.6 mg/Lで、死亡例はなかったが、呼吸異常、くしゃみ、ラッセル音、あえぎ、鼻の褐色の汚れと鼻汁、角膜混濁が認められ、剖検では肺に部分的な赤色又は灰色の変色がみられたのに加えて、10例中1例では肺のうっ血が認められたとの報告がある (SIDS (2016))。これらの結果より、産衛学会は、本物質の主な作用は、皮膚・粘膜への刺激であり、動物への大量投与では中枢神経系への作用も認められているとしている (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994))。以上のヒトと実験動物の情報を総合して、区分1 (呼吸器)、区分2 (中枢神経系) とした。新たな情報源の使用により旧分類から分類結果を変更した。
9
特定標的臓器毒性(反復暴露)
分類できない
-
-
-
-
データ不足のため分類できない。
なお、ラットを用いた90日間経口投与毒性試験において、最高用量である18 mg/kg/dayにおいても影響がみられていないとの報告がある (食品安全委員会添加物評価書 (2010))。しかし、用量が区分2のガイダンス値の上限よりかなり低く、このデータを基に分類はできない。また、本物質は呼吸器に対する急性の刺激性を示すことから呼吸器への影響の可能性があるが、旧分類の区分1 (呼吸器) の分類根拠の情報源であるHSFSについては、現在List 3の情報源であることから分類に用いなかったため旧分類と分類結果が異なった。
10
吸引性呼吸器有害性
分類できない
-
-
-
-
データ不足のため分類できない。なお、HSDB (Access on August 2017) に収載された数値データ (粘性率: 0.574 mPa・s (25°C)、密度 (比重): 0.7327 (25/4°C)) より、動粘性率は0.78 mm2/sec (25°C) と算出される。
危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11
水生環境有害性(急性)
区分3
-
-
H402
P273
P501
魚類(トウゴロウイワシ)96時間LC50 = 24 mg/L(NLM HSDB:2014, EPA AQUIRE :2017)であることから、区分3とした。
11
水生環境有害性(長期間)
区分外
-
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-
-
慢性毒性データが得られていない。急速分解性があり(良分解性、BODによる分解度:66%(参考値)、HPLCによる分解度:100% (化審法DB:1979))、蓄積性がない(LogKow:0.97 (SRC PhysProp Database:2017))ことから、区分外とした。
12
オゾン層への有害性
分類できない
-
-
-
-
データなし
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。