危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1
爆発物
分類対象外
-
-
-
-
爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2
可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む)
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
3
エアゾール
分類対象外
-
-
-
-
エアゾール製品でない。
4
支燃性/酸化性ガス
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
5
高圧ガス
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
6
引火性液体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
7
可燃性固体
分類できない
-
-
-
-
データなし。なお、不燃性(NONFLAMMABLE(HSDB(2010)))という情報がある。
8
自己反応性化学品
分類対象外
-
-
-
-
爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9
自然発火性液体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
10
自然発火性固体
区分外
-
-
-
-
不燃性(NONFLAMMABLE(HSDB(2010)))という情報により区分外とした。
11
自己発熱性化学品
区分外
-
-
-
-
不燃性(NONFLAMMABLE(HSDB(2010)))という情報により区分外とした。
12
水反応可燃性化学品
区分外
-
-
-
-
半金属(P)を含むが、水溶解度:1239 g/l(GESTIS(Access on May. 2011))というデータがあり、水と急激な反応をしないと考えられる。
13
酸化性液体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
14
酸化性固体
分類できない
-
-
-
-
酸素および塩素を含んでいる有機化合物であり、そのうち酸素がPと化学結合をしているが、データがなく分類できない。
15
有機過酸化物
分類対象外
-
-
-
-
-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16
金属腐食性物質
分類できない
-
-
-
-
固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1
急性毒性(経口)
区分外
-
-
-
-
ラットの3件のLD50値(3739 mg/kg、2210 mg/kg(以上JMPR 861(1993))、1600 mg/kg(EPA RED(1995)))のうち、1件が区分4、2件がJIS分類基準の区分外に該当することから、該当数の多いJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に相当)とした。
1
急性毒性(経皮)
区分4
警告
H312
P302+P352
P280
P312
P322
P363
P501
ウサギの3件のLD50値(1700 mg/kg、1400 mg/kg(以上JMPR 861(1993))、5000 mg/kg(EPA RED(1995)))のうち1件が区分外、2件が区分4に該当することから、該当数の多い区分4とした。
1
急性毒性(吸入:ガス)
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
1
急性毒性(吸入:蒸気)
分類できない
-
-
-
-
データなし。
1
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
区分4
警告
H332
P304+P340
P261
P271
P312
ラットのLC50値は4.5 mg/L/4h(JMPR 861(1993))に基づき区分4とした。なお、LC50値(4.5 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(0.00029 mg/L)より高いので、粉塵による試験とみなした。
2
皮膚腐食性/刺激性
区分1
危険
H314
P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ウサギの皮膚に水溶液として0.5 mLを1〜4時間適用し、6匹中4匹に斑点状の壊死と浮腫、6匹に接触性紅斑が観察され、本物質の腐食性(corrosive)が明らかになったと報告され(JMPR 861(1993))、かつ、本物質のpHはおよそ1との記述(Sax(11th, 2004))により、区分1とした。
3
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
区分1
危険
H318
P305+P351+P338
P280
P310
ウサギの結膜嚢に適用した試験で角膜傷害が報告され(HSDB(2010))、かつ、本物質のpHがおよそ1との記述(Sax(11th, 2004))により、区分1とした。なお、本物質は皮膚刺激性試験で腐食性を示し、眼に対しても作用をがあり、EPAではカテゴリーI(4段階中の最も高いカテゴリー)に位置付けられいる(EPA RED factsheet(1996))。
4
呼吸器感作性
分類できない
-
-
-
-
データなし。
4
皮膚感作性
区分外
-
-
-
-
モルモットを用いた皮膚感作性試験で接触感作性の証拠は認められなかった(JMPR 861(1993))との結果、さらに本物質は皮膚感作性を惹起せず、EPAにより陰性であると結論付けられている(EPA RED(1995))ことから、区分外とした。
5
生殖細胞変異原性
区分外
-
-
-
-
ラットを用いた優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)およびマウスを用いた小核試験(in vivo変異原性試験)でいずれも陰性(JMPR 861(1993))の報告に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験としては、エームス試験で陽性、チャイニーズハムスターの卵巣細胞を用いた染色体異常試験で陰性、チャイニーズハムスターの卵巣細胞を用いたHGPRT遺伝子突然変異試験で陰性の結果(JMPR 861(1993))が報告されている。
6
発がん性
区分外
-
-
-
-
ラットを用い104週間または97〜104週間の混餌投与による2つの試験でいずれも発がん性は認められなかった(JMPR 861(1993))と報告され、さらにマウスに78週間混餌投与による2つの試験でいずれもばく露に関連する腫瘍発生の増加はなく、発がん性は示されなった(JMPR 861(1993))と報告されている。2種の動物で各2回実施された発がん性試験で、いずれも発がん性の証拠が得られなかったことにより区分外とした。
7
生殖毒性
区分2
警告
H361
P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
ラットに交配前から交配、妊娠、分娩および授乳の各期間を通じて混餌投与した二世代生殖試験の二世代目において、高用量(30000 ppm)群の親動物が妊娠および授乳期間中に体重低下を示し、第2産仔で死産および周産期死亡の増加が報告されている(JMPR 861(1993))、さらに妊娠ウサギの器官形成期に経口投与した試験では催奇形性は認められなかったが、母動物が生存率低下および体重増加抑制を示し、同一用量で着床後胚損失率および早期吸収率の高値、平均生存仔数の低値が報告されている(JMPR 861(1993))。以上の結果により、区分2とした。なお、二世代生殖試験の各世代とも交配、受胎、妊娠を含む性機能および生殖能に影響はなく(EPA RED(1995))、また、妊娠ラットの器官形成期投与試験では、催奇形性を含む仔の発生に悪影響は認められなかった(JMPR 861(1993))。
8
特定標的臓器毒性(単回暴露)
区分2(神経系)
警告
H371
P309+P311
P260
P264
P270
P405
P501
ラットに経口投与により1000〜2000 mg/kgで死亡例の発生(雌のみ)に加え、一過性の症状として瞳孔収縮、排尿増加、体温低下、運動低下などが認められた(JMPR 861(1993))。一方、本物質は高用量で実験動物に対し、流涎、流涙、排尿、排便などの有機リン酸類に類似の中毒症状を引き起こし、最も鋭敏なばく露の指標は低用量でも現れる血球および血漿のコリンエステラーゼ阻害である(IRIS RED(2006))と述べられている。以上の知見に基づき、ラットでガイダンス値区分2に相当する用量で症状が認められていることから区分2(神経系)とした。
9
特定標的臓器毒性(反復暴露)
分類できない
-
-
-
-
ヒトのボランティアを用いた試験で16日間または22日間経口投与により、血漿コリンエステラーゼ活性の有意な阻害が報告されている(JMPR 861(1993))。また、実験動物では、ラットに4週間、マウスに4週間、およびイヌに2年間経口投与した試験で、血漿および赤血球のコリンエステラーゼ活性の有意な阻害が報告されている(JMPR 861(1993))。本物質のばく露による血漿および赤血球のコリンエステラーゼ活性阻害は低用量でも現れ、鋭敏なばく露の指標とされている(IRIS(2006))が、上述のヒトの試験および動物試験とも認められた影響は、検査値(コリンエステラーゼ活性値)の変化のみで、関連する中毒症状や病理学的変化などその他の影響を伴っていないことから、「分類できない」とした。
10
吸引性呼吸器有害性
分類できない
-
-
-
-
データなし。
危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11
水生環境有害性(急性)
区分3
-
-
H402
P273
P501
藻類(Chlorella pyrenoidosa)の96時間EC50 = 23.5 mg/L(AQUIRE, 2012)から、区分3とした。
11
水生環境有害性(長期間)
区分3
-
-
H412
P273
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性でない(BIOWIN)が、藻類(Chlorella pyrenoidosa)の96時間NOEC = 2 mg/L(AQUIRE, 2012)であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 31.7 mg/L(AQUIRE, 2012)であることから、区分3となる。
以上の結果を比較し、区分3とした。
12
オゾン層への有害性
分類できない
-
-
-
-
当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。