研究テーマ紹介
(1)気候変動に伴い顕在化している土砂・洪水氾濫、土石流対策に関する研究
・土砂・洪水氾濫等発生時の土砂到達範囲・堆積深を高精度に予測するための計算モデル開発の
ため、水路実験の実施、既往の河床変動計算モデルの適用性確認、改良モデルの検証を行う。
・土砂・洪水氾濫による被害をより適切に評価するため、土砂・洪水氾濫による人的被害の調査
家屋被害指標(家屋構造の調査含む)の検討等を行う。
・土砂・洪水氾濫対策施設の適切な効果評価に資するための河床変動計算モデルや被害想定
シナリオの検討を行う。
・気候変動に伴う降雨量増加が土砂生産に与える影響を把握するため、斜面の力学的安定性
を考慮した崩壊発生予測手法を用いて、豪雨時の生産土砂量の分析を行う。
・近年発生する多様な形態の土石流被害に応じた効率的・効果的な対策のための技術的な
工夫点・留意事項を整理する((国研)土木研究所土砂管理研究グループ連携)。
(2)気候変動により頻発が懸念される深層崩壊など大規模土砂移動の対策に関する研究
・現象が数ヶ月〜数年発生することを踏まえた時空間的な中期土砂流出対策施設の運用方法及び
配置検討フローを検討する。
・深層崩壊が発生した場合の下流保全対象への影響を評価するための生産土砂量の与え方等計算
条件の設定方法について、2011年紀伊半島大水害等の既往の事例を基に検討する。
(大規模土砂災害対策技術センター連携)
(3)南海トラフ巨大地震等の切迫性増大に鑑みた、大規模地震に起因する土砂災害の
危険度評価技術の開発
・地震による土砂災害の被害を最小限にするために必要な早期の斜面崩壊発生状況の推定
手法の検討を行う。