河川環境研究室-植生消長シミュレーション-

植生消長シミュレーションソフト

植生消長シミュレーションソフト(フリーウェア)

2006年4月19日公開

本ソフトの特徴

流量などに応答して経時的に変化する植生状態を検討できます。

実際に生起した流量を与えて計算するため、どの時点で植生が流失したか、あるいは生育したかを検討できます。 従来行われることの多かった冠水頻度による植生消長の検討では表現が困難でした。

下記の流水の作用に焦点を絞っています。

  • 植生による細粒土砂の堆積促進
  • それに伴う立地環境の変化による植生生育
  • 出水による植生の流失

以上の考えに基づいて3区分の植生タイプ(裸地、草地、安定植生域(密生した草本群落や樹林))の消長過程を表現できます。生物的な要因は考慮していませんが、将来どの程度裸地が維持されるのか、あるいは樹林化がどの程度進行するのか等のおおまかな傾向を予測できます。

(注記)詳しくはマニュアルをご参照ください

設定が容易です。

河川管理者やコンサルタント等実務に携わる方々も含め、幅広く使っていただくことを想定しています。そのため、ある程度の知識があれば、定数や流量を入力するだけで植生消長を簡単に計算できます。また、計算後に解析を行いやすいよう、ExcelやCSVへの書き出し機能を備えています。

発展途上中のソフトです。

研究を通じた再現計算等から良好な成果を得られつつありますが、あくまで試行錯誤の段階の技術です。計算や植生消長のモデル等を簡略化しているため、本来生じるべき現象を全て網羅しているわけではありません。また、一部の定数については必要に応じて現地観測を実施してください。等流計算を行っているため平面的な流れを考慮できないという適用上の限界があることもご承知おきください(詳しくはマニュアル参照)。本ソフトについて改良すべき点がございましたら国土交通省国土技術政策総合研究所、環境研究部河川環境研究室までメールにてご連絡願います。

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活用案

以下のような検討に活用できると考えています。

  • 当該河川の植生消長過程の特徴把握
  • 流況変化(流量)が河道内植生に与える影響
  • 植生消長を考慮した河道設計の検討
結果例(画像をクリックすると拡大されます)
植生変遷の計算結果例 細粒土砂の堆積厚の計算結果例
関連文献
論文名 執筆者名 書籍名 発行所 巻号 発行
年月
扇状地礫床河道における安定植生域消長の機構とシュミレーション 藤田光一,李参熙,渡辺敏,塚原隆夫,山本晃一,望月達也 土木学会論文集 社団法人土木学会 No.747
II-65
41
-60
2003.
11.
植生消長シミュレーションソフトの開発について 大沼克弘 河川 社団法人日本河川協会 No.713 34
-37
2005.
12.
植生消長シミュレーションソフト(PDF) 井上優 流域水物質循環モデル・ソフトウェア博覧会2005 水文・水資源学会 - 87
-88
2005.
12.
The Simulation Software on the Extension and Extinction of Vegetation(PDF) Koh-ichi FUJITA, Katsuhiro ONUMA, Yutaka INOUE Hydrological and Material Cycle Simulation Model/Software 2005 Japan Society of Hydrology and Water Resources - - 2005.
12.
動作環境
OS Windows 95
Windows 98
Windows NT4.0(SP6a以上推奨)
Windows 2000(SP4以上推奨)
Windows XP(SP1以上推奨)
CPU PentiumIII 500MHz以上推奨
メモリ 256MB以上推奨
ハードディスク インストール時20MB以上の空き容量
解像度 ×ばつ768ピクセル以上
使用条件および注意事項

フリーウェアソフト「植生消長シミュレーション」(以下本ソフト)の著作権は国土交通省国土技術政策総合研究所が保有しています。ご使用にあたり下記の条件に同意いただくことが前提です。

使用条件

  • 本ソフトの著作権表示およびプログラムを一切改変しないこと。
  • 本ソフトを製品として販売、配布、営利目的で使用しないこと。
  • 本ソフトによって得られた直接、間接の結果については利用者が全ての責任を負うものとし、国土交通省国土技術政策総合研究所は一切責任を負うものではないこと。
  • 本ソフトの使用により得られた結果を公表する際には本ソフトの利用を明記すること。

注意事項

  • 本ソフトの特徴をきちんと把握した上で、時には批判的な視点を加えつつ、得られた結果の解釈を行ってください。
  • 研究を通じた再現計算等から良好な成果を得られつつありますが、あくまで試行錯誤の段階の技術であること。
  • 計算や植生消長のモデル等を簡略化しているため、本来生じるべき現象を全て網羅しているわけではないこと。
  • 適切な定数を設定するために必要に応じて現地調査を実施すること。

本ソフトについての改良すべき点がございましたら国土交通省国土技術政策総合研究所、環境研究部河川環境研究室までメールにてご連絡願います。

ダウンロード

本体7.6MB (shokusei100.exe)

インストール方法含む操作マニュアル3.2MB (operating_manual_100.pdf)

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