国立研究開発法人情報通信研究機構
量子もつれ交換 量子もつれ光子対2ペアを連結して、1ペアの量子もつれ光子対を生成する量子通信プロトコル。各量子もつれ光子対の片割れに対してベル測定と呼ばれる操作を行うことで、各量子もつれ光子対の残りの片割れの間に量子もつれが生じる。本研究では単一光子間の和周波発生を用いてベル測定を行っている。 元の記事へ
非線形光学効果 非線形光学媒質に光を入射すると、媒質内部に非線形分極が誘起される。非線形分極は入力光電場のべき級数で表すことができ、例えば、電場の2次の項によって生じる光学効果を2次の非線形光学効果と呼ぶ。2次の非線形光学効果では入力光の周波数が変化して出力される。代表的なものとしては第二高調波発生、和周波発生、差周波発生などがある。 元の記事へ
次世代量子鍵配送 ここでは装置無依存量子鍵配送を指す。通常の量子鍵配送で安全性を保証するには「装置はユーザーが意図したとおりに動作している」という仮定が必要となる。しかし、装置無依存量子鍵配送ではこの仮定すら不要になる。この安全性は上述のループホールのないベル不等式の破れを確認することで保証される。しかし、実際には光ファイバ中の損失などで光子が失われる。そこで、図1bのように量子もつれ光子対をもう1ペア生成し、中間ノードで和周波光子を観測した時のみ成功とすれば、伝送中に光子がなくなったイベントを除外する(つまり検出効率によるループホールをなくす)ことができる。 元の記事へ
量子ビット間でのゲート操作 CNOTゲートのような、2つ以上の量子ビットを利用して演算を行う量子ゲート操作のこと。この操作によって量子もつれを生成するといった量子操作が可能となる。量子コンピュータを実現するためには、1つの量子ビットに対するゲート操作だけでなく、量子ビット間でのゲート操作が必要となる。 元の記事へ
二光子干渉 図1aの中心部分のように半透鏡(透過率=反射率=1/2)の各入力ポートへ1光子ずつ入力する状況を考える。入力光子が識別できる場合、片方の出力ポートに2光子が出力されるイベントの確率は1/2となり、両側の出力ポートに1光子ずつ出力される確率も1/2となる。しかし、入力光子が互いに識別できない場合は、光子同士の干渉によって後者のイベントが起こる確率が理想的にはゼロになる。 元の記事へ
忠実度 0から1までの値をとる指標で1に近いほど理想的な量子もつれ状態となる。忠実度が0.5より大きい状態には量子もつれが存在する。 元の記事へ
ループホールのないベル不等式破れの検証 量子もつれ光子対の相関を測定すると局所性・実在性を仮定して成立するベル不等式が破れる。しかし、実際の実験では様々なループホール(実験装置が理想的な装置とのずれていることから生じる抜け穴)が存在するため、これらをなくす努力が不可欠となる。ここで特に重要なのは検出効率のループホールである。すなわち、生成された量子もつれ光子対のごく一部分しか検出されない場合には、「検出されなかった光子対も考慮するとベル不等式が破れていない」という可能性を排除できなくなる。このループホールをなくすには、生成された量子もつれ光子対の少なくとも2/3以上を検出する必要がある。 元の記事へ
サニャック干渉計 マッハツェンダー干渉計では光子は2つの異なる光路を通るため、光路間の経路差や位相差が一定となるようにフィードバック安定化する必要がある。一方、サニャック干渉計はマッハツェンダー干渉計を折りたたんだような構造を持つため、光は同じ経路を互いに逆方向へ通る。これにより、それぞれの光子が受ける位相変化が常に同一となるため、フィードバックなしで干渉計を安定化できる。 元の記事へ