先端ICTデバイスラボには、埃の非常に少ない状態に維持されたクリーンルーム(プロセス室)が設置され、中には、電子線や光による極微パターンの形成、分子線やプラズマによる高純度成膜、イオン線などによる極微細加工、電極形成や光ファイバとの接続、あるいは電子顕微鏡ほかによる微細形状観測や元素分析、その他各種のプロセスや測定のための設備・装置群が配備されていて、半導体や誘電体材料を用いた、様々な光デバイス・ミリ波デバイスの試作研究開発に活用することができます。熟練技術者グループが、それら設備・装置が常に適切な状態で使用できるように維持管理し、また、標準的な使用条件を利用者に提供できる態勢を整えています。防災のための安全対策や、廃棄物、あるいは排気、排水、騒音などに係る環境保全にも最大限に配慮しています。利用者が、光デバイス・ミリ波デバイスの試作研究開発に専念することができる環境を提供します。
わたくしたちは、最先端のデバイス研究開発においても地球規模の環境を視野に入れて行うことが最重要課題の一つであると認識し、ラボ施設の維持管理にあたっては環境保全に最大限配慮します。
このため、先端ICTデバイスラボでは、ラボ施設の維持管理において、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001に準拠した環境マネジメントシステムの構築と改善を進め、平成18年7月よりISO14001認証(審査登録)の取得に向けた活動を開始し、平成19年2月に(財)日本規格協会の審査を受けた結果、登録(フォトニックデバイスラボ)されました。その後、ミリ波デバイス技術のラボを統合して先端ICTデバイスラボとして更新審査を受け、登録されました。
2006年12月
準備作業
ラボの現状把握を実施
2006年7月
〜8月
環境マネジメント
システムの再構築
ラボの環境マニュアルを作成
環境マネジメントシステム推進委員会を発足
環境マネジメントの組織体制を整備
フォトニックデバイスラボ環境方針を制定
環境管理計画
環境目的・目標を決定/2006年度実施計画をスタート
2006年11月10日
内部監査実施
2006年11月30日
外部機関による
ISO14001審査登録
第一段階登録審査
2007年2月7日
第二段階登録審査
2007年2月26日
審査登録
2012年12月
ISO14001更新審査
ミリ波デバイス関連を統合、先端ICTデバイスラボとしての環境マネジメントシステムに対する審査
2013年2月
ISO14001更新登録
先端ICTデバイスラボとしてISO14001認証登録
2017年2月
ISO14001更新登録
2015年版の規格への移行完了
環境マネジメントシステム永年登録表彰
概要:
先端ICTデバイスラボでは環境マネジメントシステムを構築しISO14001認証登録をしています。
登録者及び所在地:
国立研究開発法人 情報通信研究機構
先端ICTデバイスラボ
〒184-8795 東京都小金井市貫井北町四丁目2番1号
適用範囲:
フォトニックデバイスラボ
ミリ波デバイス研究棟(1F並びに2F通信機器試作評価実験室)
認証機関名:
日本規格協会ソリューションズ株式会社
登録番号:
JSAE 1317
適用規格:
JIS Q 14001:2015, ISO 14001:2015
登録範囲:
(JAB認定範囲番号;34)
先端ICTデバイスラボの共通設備、個別装置の維持運用
(1) 施設利用者への環境に配慮した施設利用の啓発
(2) 省エネルギー(電力)
(3) 省資源化(PPC用紙)
(4) グリーン調達・購入
を推進するための環境マネジメントシステム
初回登録日:
2007年2月26日
実験室には、「クリンルーム」と「測定室」とがあります。
クリンルームには各種のプロセス用装置を配置してあり、結晶基板上へのエピ成長から、誘電体・金属薄膜の成膜、微細パターン形成、ドライエッチング加工など様々なプロセスの実験が可能です。
クリンルームには共通ユーティリティとして、超純水、循環冷却水、窒素ガス、液化窒素、高圧空気などが供給されており、プロセス装置の24時間運転を可能にしています。
(左)廃液処理設備/液化窒素CE設備(右)
また、廃液の回収処理設備、プロセス排ガス除害設備、ガス漏洩検知警報システム、複数のカメラによる映像監視システムなどの設備により、環境・安全対策を図っています。
クリンルームには各種のプロセス用装置を配置してあり、半導体基板上への各種薄膜成長から、誘電体・金属薄膜の成膜、微細パターン形成、ドライエッチング加工など様々なプロセスの実験が可能です。
設置装置・・・メタルスパッタ装置、電子ビーム露光装置、マスクアライナー、ドライエッチング装置、ランプ加熱装置、表面微細形状計測装置、各種ドラフタ、レジスト塗布装置、純水供給設備など
103基板加工室(ミリ波研究棟1階)
基板加工室では、ダイシング、バックグライディング、ウェハ洗浄などの後工程プロセス装置が利用できます(上図)。
なお、テープマウンタ、エキスパンダー、UV照射器、ブレーカーは203評価室に設置しています(下図)。
設置装置・・・レーザーソー、ダイシングソー、バックグラインダ、ウェハ洗浄装置、純水リサイクル装置、測定顕微鏡、膜厚計など
108分析室(ミリ波研究棟1階)
分析室では、デバイスへの電極形成のための真空蒸着装置やPL測定やX線回折などの種々のプロセス装置・評価機器が利用できます。
設置装置・・・EB蒸着装置、小型抵抗蒸着装置、PL測定装置、XRD、ラマン分光装置、FTIRなど
203評価室(ミリ波研究棟2階)
評価室では、ネットワークアナライザなどによりSパラメータ測定などデバイス特性評価を行うための種々の高周波計測機器が利用できます。
設置機器・・・ネットワークアナライザ、周波数エクステンダ、プローブステーション、半導体パラメータアナライザ、信号発生器、スペクトラムアナライザなど
207実験室(ミリ波研究棟2階)