〜他者動作の予測と自己動作の生成には共通した脳内プロセスが関与することを解明〜
今後、我々は、他者動作に対する予測能力を改善させることによって自分の運動を改善させる、あるいはその逆の改善的変化を誘導するような、他者動作の予測と自己運動の間の相互作用を生かしたリハビリテーション法や認知・運動トレーニング法の開発を目指しています。
本研究では、「他者の動作を予測する場合には、自分が同じ動作を行う場合と同じ共通した脳内プロセスが使われる」という仮説を検証しました。この仮説を検証するために、他者動作に対する予測能力が学習によって変わった場合に、自分の動作に影響が出るかどうかを調べました。
もし、仮説どおり、共通した脳内プロセスが存在する場合(図3上参照)、学習によって変化した他者動作の予測に関与する脳内プロセスは、自分の運動を行う場合にも関与します。よって、自分の運動にも影響が現れると予測されます。
一方、両者には異なるプロセスが関与している場合(図3下参照)、仮に、他者動作の予測に関与する脳内プロセスが変化したとしても、自分の運動を行う場合に関与する脳内プロセスとは無関係です。よって、自分の運動は変化しないと予測されます。
池上 剛
Tel: 080-9098-3262
E-mail:
廣田 幸子
Tel: 042-327-6923
Fax: 042-327-7587
E-mail: