NICTが開発したPi-SAR2は、Xバンドの電波を利用することにより、火山の噴煙はもとより、天候、昼夜等に関係なく地表面を映像化することができます。また、Pi-SAR2は合成開口処理により、世界最高レベルの
空間分解能(30cm)を有しています。さらに、Pi-SAR2は、機上においても数分で2km四方の偏波疑似カラー画像を生成する処理装置を搭載しています。これにより、災害等の緊急時にも観測しながら迅速に関係機関に提供することが可能です。
合成開口レーダは、航空機や衛星の進行方向に対して斜め下方に電波を照射し、反射してきた電波を受信して地表面を航空写真のような画像として観測することができる。光学による航空写真等と違って、雲や火山の噴煙などに邪魔されないことや高い高度で観測しても分解能(画像の細かさ)を高くすることができる。Pi-SAR2は、通常6,000mから12,000mの高さで観測しても30cmの分解能があり、一度に5km-10kmの幅の領域を観測できるのが特徴。観測高度を高くできるのと真上ではなく斜め上から観測するため、火山噴火時には航空機でも噴煙に影響されず安全に観測ができる。