独立行政法人 情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長: 坂内 正夫)は、株式会社村田製作所(以下「村田製作所」、代表取締役社長: 村田 恒夫)、株式会社ACCESS(以下「ACCESS」、代表取締役社長: 室伏 伸哉)、株式会社エディックシステムズ(以下「エディックシステムズ」、代表取締役社長: 門脇 良悦)と共に、スマートハウス用の国際無線標準通信規格「Wi-SUN」及び家庭向けエネルギー管理アプリケーション用国際標準通信規格「ECHONET Lite」を搭載した、ワイヤレスセンサーシステムの相互接続デモンストレーションを実施します。このデモンストレーションによって、Wi-SUN規格がECHONET Lite向けの下位層のホームネットワーク通信インタフェースとして相互接続性が担保され、かつ商用に十分耐え得ることが実証され、スマートハウスの開発がますます加速していくものと期待されます。
なお、このシステムの詳細は、5月29日(水)から31日(金)に、東京ビッグサイトにて開催される「ワイヤレスジャパン2013」のWi-SUNアライアンスのブースで展示します。
現在、家庭内の家電の運用状態や消費電力等を管理・制御し、エネルギー使用量を抑え、人や自然に優しい環境作りを実現する「スマートハウス」に関する研究開発、実用化が進められています。「スマートハウス」では、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)が、電力事業者が供給するスマートメーターや家電等と接続され、エネルギーの管理・制御が行われます。
このHEMS用アプリケーションを支える相互接続可能な国際無線標準通信規格として、Wi-SUNがあります。Wi-SUNは、国内外30社以上から成るWi-SUNアライアンスで策定される規格で、各種アプリケーションに対応したトランスポート層、ネットワーク層、及びIEEE802.15.4g/4e規格をベースとするデータリンク層、物理層といった、いわゆる下位層の仕様が策定されています。中でもHEMSアプリケーション用通信規格「ECHONET Lite」向けWi-SUN通信規格は、一般社団法人 情報通信技術委員会(TTC)で制定を行ってきた標準規格JJ-300.10において、「ECHONET Lite」用下位層標準通信インタフェースとして採択されました。Wi-SUNアライアンスでは、この標準規格を用いたプラグフェスト(接続性や互換性や検証を行うイベント)を行ってきましたが、これまで、アプリケーションを搭載して総合的に相互接続デモンストレーションを行った例はありませんでした。
異なるメーカが開発したECHONET Lite及びWi-SUN対応機器を相互接続したワイヤレスセンサーシステムを構築し、システムのデモンストレーションを行うことにより、NICTが主導して策定されたスマートハウス用無線通信規格「Wi-SUN」がECHONET Lite向けの下位層通信規格として相互接続性が担保され、かつ、商用に十分に耐え得ることを実証するものです。
デモンストレーションでは、920MHz帯の無線を用いた複数の温湿度センサーによる多地点モニタリングを行います。システムの詳細は、以下のとおりです。
NICT、村田製作所、ACCESS及びエディックシステムズは、現在、Wi-SUNアライアンスの主要メンバーであり、引き続き、当該技術の更なる拡張を想定し、国際標準化活動を推進していくとともに、各種アプリケーションに対応した相互接続可能な無線システムの研究開発及び供給を行う予定です。
<図1>に、今回展示を行うシステムのイメージを示します。
異なるメーカが開発したECHONET Lite及びWi-SUN対応機器を相互接続したワイヤレスセンサーシステムを構築し、システムのデモンストレーションを行います。
デモンストレーションでは、920MHz帯の無線を用いた複数の温湿度センサーによる多地点モニタリングを行います。
Wi-SUNアライアンス(2012年1月24日設立)がIEEE802.15.4g規格をベースに利用モデルに応じて策定している規格。日本の920MHz帯無線を対象とした規格が策定されている。Wi-SUNアライアンスでは、Wi-SUNを利用する無線機等の製品に対し、メーカ間の相互接続性について認証している。NICTは、Wi-SUNアライアンスのプロモータ(理事会)及び創設メンバーであり、現在、Wi-SUNアライアンスでは、ECHONET Lite用無線通信仕様を記載したWi-SUN Profile for ECHONET Liteを供給している。
ECHONET Lite(エコーネットライト)は、エコーネットコンソーシアムが策定したHEMS(家庭用エネルギー管理システム)アプリケーション用標準通信プロトコル。ISO規格及びIEC規格として国際標準化されており、2012年2月24日、経済産業省により、スマートメーターや家庭内機器とHEMSをつなぐ日本国内での標準プロトコルとして推奨された。
アプリケーションからの要求に合わせ、データ転送のための信頼性を確保するための方式を規定する。主な方式としては、TCP・UDP等がある。
トランスポート層が決めた信頼性を確保するための方式を用い、ネットワーク間の通信を行うための方式を規定する。主な方式としてはIP(インターネット・プロトコル)がある。
米国の電気・電子技術の学会であるIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)内で、LAN等の規格策定を行っている委員会。このうち、無線パーソナルエリアネットワーク(Wireless Personal Area Networks; WPAN)の標準化は、IEEE 802.15というワーキンググループ(WG)によって推進されている。本WGには、標準化対象に応じて、以下のとおり複数のタスクグループ(TG)が組織されている。
ネットワーク層が決めた方式に基づき、直接ネットワークで接続されている機器間の通信方式を規定したもの
ネットワークの物理的な伝送、接続方式を規定したもの。例として、ケーブルのコネクタ形状や、無線信号の変調方式を規定する機能がある。
IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networksの略。省電力無線PANでIPv6通信を行う規格のこと。
原田 博司、児島 史秀
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