平城遷都1300年祭から「大極殿」をライブ中継
独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、NICT施設一般公開(7月24日(土)本部(小金井)、31日(土)鹿島宇宙技術センター)会場と平城遷都1300年祭会場とを超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)で接続し、復原された大極殿等を4K超高精細映像(ハイビジョンの4倍の高精細映像)でライブ伝送中継する公開実証実験を実施します。なお、24日(土)午後1時頃から、大極殿前庭において、冬に氷室に保存された氷の献氷式が古式ゆかしく行われる予定です。
NICT新世代ワイヤレス研究センターは、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の研究開発プロジェクトを進めています。また、けいはんな研究所ユニバーサルメディア研究センターは、高臨場感コミュニケーション技術の確立を目指しています。その一環として、超高精細/3D映像伝送技術「マルチチャンネル映像伝送技術」(補足資料1)の研究開発に取り組んでいます。これらの連携による超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を用いた超高精細映像伝送に関する技術実証実験を鹿島宇宙技術センター等で7月初旬に実施し、成功いたしました。
NICTでは、今回の成果をさらに発展させ、フルハイビジョンを超える超高精細画像を用いたシステムの衛星回線での利用への道を開き、非常時通信や遠隔医療も含めたアジア・太平洋域のデジタル・ディバイド(情報格差)の解消に貢献することを目指します。
マルチチャンネル映像伝送システム
NICT けいはんな研究所ユニバーサルメディア研究センターでは、高臨場感コミュニケーション技術の確立を目指しています。その一環として、超高精細映像および3D 映像を高速伝送する技術「マルチチャンネル映像伝送技術」に取り組んでいます。マルチチャンネル映像伝送システムの特徴は以下です。
超高速インターネット衛星(Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)。NICTと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で開発した技術実証のための衛星で、平成20年2月に打ち上げられ、精力的に通信実験が行われています(補足資料2参照)。
奈良時代の前半には、朱雀門を入った正面のところに、朝堂院の建物が二棟ずつ左右対称に配置され、その奥に大極殿が位置していました。大極殿は天皇の即位、元旦の朝賀など国家的儀式の時に天皇が出御する建物です。平成13年度から、平城宮の中核をなす第一次大極殿の復原工事が行われてきました。
水平解像度が 4,000画素であることを意味します。HD(ハイビジョン)映像は水平1,920×垂直1,080画素です。HD映像の4倍(4画面分)である水平3,840×垂直2,160画素を持つ映像を、水平解像度が3,840≒4K画素であることから、4K2K映像または4K映像と呼んでいます。一方、HD映像は水平解像度が1,920≒2K画素であることから、2K映像とも呼んでいます。
奈良県天理市福住地区の氷室で保存した氷を朝廷に献上する儀式です。7月24日(土)午後1時頃、大極殿前庭で古式ゆかしく艶やかに行われる予定です。
UDPはUser Datagram Protocol(ユーザ データグラム プロトコル)の略で、インターネットで使用されるプロトコルの一つです。TCPと違いデータ伝送速度は高速ですが、パケット損失やデータ誤り等の検出及びその対応は行われないという特徴を持ちます。UDPパケット最適制御方式は、UDPの高速性を生かしつつ、動画の伝送に大きな障害となる伝送損失(パケット損失)を限りなくゼロに近づけることを目指した技術です。このため、パケット送出タイミングを1マイクロ秒(1秒の百万分の1)の精度で制御する最適制御など、遅延の大きな衛星回線でも、大容量の高精細映像の伝送を安定的に行うための機能が実装されています。
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