売上高経常利益率
キーワードの説明
売上高経常利益率とは、売上高に対する経常利益の割合を言い、企業の収益性を計る尺度です。経常利益は企業本来の営業活動から得た営業利益に、財務活動における損益を加味したものであるため、この比率が高い場合、資産の売却損益などを除いた通常の経営活動における企業の収益力が高いと考えることができます。
売上高経常利益率(%)
=
経常利益
×
100
売上高
グラフで見る最近の動き
2015年度の製造業を見ると、経常利益の対前年度減少率が売上高の対前年度減少率を下回ったため、売上高経常利益率は前年度比で上昇しています。非製造業を見ると、経常利益は前年度比で増加し、売上高は前年度比で減少したことから、売上高経常利益率は前年度比で上昇しています。
[画像:売上高経常利益率のグラフ]
(注) 1
売上高経常利益率(%)=(経常利益/売上高)×100
2
全産業及び非製造業は金融業、保険業を除く。 (出所)
法人企業統計年報
トピックス
経常利益率と営業利益率との差は1970年代半ば以降縮小し、2005年度以降は逆転しています。
経常利益率と営業利益率の推移は下図のようになっています。経常利益は、営業利益に営業外収支(営業外収益−営業外費用)を加えたものであり、営業外収支の多くは金融収支(受取利息−支払利息)です。一般的には支払利息の方が受取利息より大きいため、経常利益の方が営業利益より低くなりますが、1970年代半ば以降はその差は縮小し、2005年度以降は逆転しています。これは金利の低下に加え、借入依存比率の低下(自己資本比率の上昇)に伴う支払利息の減少によるものと考えられます。
[画像:経常利益率と営業利益率(全産業・全規模)のグラフ]
(注) 1
売上高経常利益率(%)=(経常利益/売上高)×100
2
売上高営業利益率(%)=(営業利益/売上高)×1003
借入金利子率(%)={支払利息等/(短期・長期借入金)+社債+受取手形割引残高[期首・期末平均]}×1004
全産業は金融業、保険業を除く。 (参考文献)
「資本と労働の効率」(大和田雅英)〜財務総合政策研究所編「フィナンシャルレビュー62号(法人企業統計から見た日本の企業行動特集)」
「日本企業のパフォーマンスの変化と、資本と労働の効率に関する考察」(御園一)〜財務総合政策研究所編「フィナンシャルレビュー107号(法人企業行動 ―法人企業統計を活用した経済分析―)」
「日本企業のパフォーマンスの変化と、資本と労働の効率に関する考察」(御園一)〜財務総合政策研究所編「フィナンシャルレビュー107号(法人企業行動 ―法人企業統計を活用した経済分析―)」