火力発電について
火力発電の燃料
安定調達・コスト削減への取組み
関西電力では、燃料の生産から受け入れまでの各段階に関与し、調達先の分散化や価格決定方式の多様化に努めています。これにより、燃料調達の安定性を確保し、発電所の稼動計画の変動に的確に対応できる柔軟性を一層向上させつつ、更なる経済性の維持・向上にも取り組んでいます。
LNG
上流、売買契約、調達方法、輸送などあらゆる面において調達額の削減に向けた取組みを実施しています。
調達過程での様々な取組み
生産から輸送、受入の各段階で様々な取組みを実施しています。
安価な電気を安定的にお届けするための取組み
安価な電気を安定的にお届けするための取組み
調達先の分散化
調達先を分散化することで、多くの売主との関係を築き、供給の安定性・柔軟性を確保できます。また、交渉時には複数の調達先を価格交渉のけん制材料として活用することができ、コスト削減にも繋がります
調達先の分散化
価格決定方式の多様化
当社のLNG価格決定方式は、これまで原油価格を指標としたものが中心でしたが、今後は天然ガス指標も採用し、価格指標を多様化していきます。これにより、原油価格の急激な変動に伴うLNG調達価格の変動を抑制する効果が期待でき、さらに、異なる価格同士を比較することで、売主との価格交渉におけるけん制材料にもなります。
コーブポイントLNGプロジェクトとは?
本プロジェクトは、米国のドミニオンコーブポイントLNG社(以下「ドミニオン社」)が保有、操業しているコーブポイントLNG受入基地に天然ガス液化プラントを新設し、米国内で生産されるシェールガスをはじめとした天然ガスを精製、液化し、LNGとして輸出するものです。関西電力は、このコーブポイントLNGプロジェクトで生産される液化天然ガスの購入に関して、2013年4月に住友商事株式会社との間で基本合意書を締結しました。これにより、LNG生産開始から約20年間、年間約80万トンのLNGを米国天然ガス価格指標で購入することが可能になります。今後も引き続き、経済性と供給安定性に優れたLNGの確保に努め、より一層の効率化と電力の安全・安定供給に万全を期してまいります。
米国メリーランド州にあるコーブポイントLNG
石炭
調達ソースおよび契約交渉時期の分散化などにより、経済性のある石炭調達を追及しています。
調達先・銘柄の分散化
当社はオーストラリアを中心に石炭を調達していますが、調達先や調達可能銘柄の分散により、売主間の競争を促進し、価格交渉のけん制材料としています。
受入可能銘柄数
契約交渉時期の分散化
石炭価格は原則1年毎に交渉し、決定しますが、価格は交渉時の市況に大きく左右されるため、契約時期を分散化し、市況価格の急激な変動リスクを平準化しています。
契約交渉時期の分散化(イメージ)
共同調達
平成24年度から、九州電力と米国産石炭(オックスボウ炭)の共同調達を開始しました。シェールガス革命によって米国内のガス価格が大幅に下落したことで、発電用石炭の需要がガスにシフトした結果、米国内の石炭需要が大幅に減少したことに着目し、2社でまとまった数量を購入することで、安価な燃料調達の実現をはかっています。
また、平成29年5月、東北電力と米国産亜瀝青炭※(注記)(あれきせいたん)の共同調達・輸送を実施しました。これにより、調達手法の多様化や調達コストの一層の低減を図るとともに、両社の発電所で燃料を分散して受け入れることで、亜瀝青炭の貯蔵管理面での負担抑制を図ることを目的としています。
※(注記)亜瀝青炭(あれきせいたん):石炭の一種で、火力発電所で一般的に使用されている瀝青炭と比べて調達コストが低く、埋蔵量が豊富なことが特徴。発熱量性が高く、発電所で貯蔵する際には厳格な温度管理や昇温対策が必要。
石油
石油は、大幅な需給変動に対応するための調達チェーンの構築と価格低減の同時達成を追及しています。
原油調達先の実績比率