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Vol.0036

家族でも知り合いでもない、見ず知らずのどこかの誰かの為に決断してくださったドナーさんの勇気に生かされていることに感謝しています。

みんなのストーリーより「松井 梨紗子(まつい りさこ)さん」

PROFILE

松井 梨紗子(まつい りさこ)さん

20代で再生不良性貧血を発症。
骨髄移植を受ける。
奈良県在住
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まず気付いたのは、身体のあちこちにできる身に覚えのない青あざ。そして、頭痛、倦怠感、ひどい息切れ。そのうち治るだろうと思い数ヶ月過ごしましたが、徐々にひどくなり、あまりにも体調がおかしいと思い受診したのがきっかけです。

冷静に受け止めてはいましたが、感じたことの無い恐怖と不安でいっぱいだったことを覚えています。
家族を心配させてしまっていることが何よりも申し訳なかったです。

辛かったのは、いつ治るんだろう、本当に治るのか?と、はっきりゴールの見えない不安のなかで生活すること。採血結果の微妙な数値の変化に、一喜一憂しては何度も落ち込みました。
あとは食べ物に制限があったこと。生ものなどが全く食べられなくなり、薬の効果に影響してしまうため食べられなくなったものもありました。

身体の辛さもたくさんあった気がしますが、意外と覚えていません。さまざまな痛い検査や処置もありましたが基本的にはどれも平気で、精神的な辛さの方が強く残っています。

主人がとにかく全力で支えてくれました。不安で泣いた日もありましたが、いつも優しく受け止めてくれる主人の存在にいつも救われていました。
両親は遠方に住んでいるにも関わらず病院に通ってくれ、それに甘えて洗濯や買い物などたくさんお願いしていました。
家族、親戚、友人みんなの心配と応援の声を聞き、周囲の人の温かさを知ったことが大きな心の支えになったと思います。

ドナーが見つかったときは、嬉しい気持ちと共に、いよいよ始まる治療への不安もありました。正直、不安と恐怖のほうが大きかったかもしれません。
でもやるしかないので、前向きな気持ちではありました。

骨髄液が届いたときは、本当にありがたいな、というのが第一でした。医療の進歩と人の血が通ったシステムに感動しました。一方で、患者側には移植に伴うリスクも少なからずありますし、相当の副作用もあると説明を受けていたので、不安と期待が入り混じった感覚でした。

健康なまま、この治療を受けずに人生を送っていたら、気付くことのできなかった気持ちがたくさんあって、出会うことのなかった人がたくさんいます。ドナーさんの存在も、その中のひとりです。
それを知れたことが自分にとって、何よりもの財産になりました。
今は「移植を経験してよかった」と、心から思います。

薬の服用が去年末で終わり、今は3ヶ月に一度、採血に通うだけの生活を送っています。
いま不便に感じていることは、治療の影響で大腿骨頭壊死症を発症して手術したため、長距離を歩くと股関節が痛くなることくらいでしょうか。何不自由ない生活を送ることができています。

いざドナー候補に選ばれたとき、私なら、「ぜひ自分の骨髄液を使ってください!」と言えるのか?と当時よく考えていました。
家庭や仕事、体調の面でも、ドナーになることで何か犠牲にしてしまう部分があるかもしれないのに、家族でも知り合いでもない、見ず知らずのどこかの誰かの為に決断してくださったこと。
自分はその勇気に生かされているんだなぁと、素晴らしいドナーさんとのご縁があったことに感謝しています。
命を救ってくださり、本当にありがとうございました。

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