ディスカッションペーパー25-06
父親の残業削減は育児分担のジェンダー平等につながるか?
―稼得役割と育児内容に着目して―
概要
研究の目的
仕事と育児のジェンダー平等につながる労働政策の実現に向けた課題を明らかにすること。
研究の方法
既存データ(労働政策研究・研修機構が過去に行った調査データ)の二次分析。
主な事実発見
小学校低学年に当たる9歳以下の子どもと同居する男女の分析結果から、
- 残業が少ないほど母親は末子の身の回りの世話をする回数を増やすが、父親は末子と遊ぶ回数を増やすこと(図表1)、
- 妻の家計貢献度が高い父親は末子の身の回りの世話をする回数が多いこと(図表2)、
- 母親が正規雇用である場合や労働時間が長い場合は家計貢献度が高いことが明らかとなった。
図表1 週の残業日数別 週に末子と遊ぶ回数(末子9歳以下、雇用者)
[画像:図表1画像:週の残業日数が少ないほど、父親は子どもと遊ぶ回数を増やす。]
図表2 夫婦の家計分担別 末子の身の回りの世話をする回数(末子9歳以下、雇用者)
[画像:図表2画像:夫婦の家計分担が「夫婦同等・妻が主」という場合は父親が末子の身の回りの世話をする回数が増える。]
政策的インプリケーション
父親の労働時間短縮より母親の経済力を高めることが、仕事のみならず育児分担のジェンダー平等にとっても重要。
政策への貢献
仕事と育児の両立支援政策と女性活躍政策の効果的な連携に資する可能性がある。
本文
研究の区分
プロジェクト研究「多様な働き方と処遇に関する研究」
サブテーマ「仕事と生活の両立に関する研究」
研究期間
令和5〜6年度
執筆担当者
- 池田 心豪
- 副統括研究員
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