2003年海外労働者派遣、順調な滑り出し
2003年1月〜2月に1万人以上(昨年同期比約25%増)の労働者が海外に派遣された。2002年に海外派遣された労働者数は、2001年を24.65%上回る4万6120人で、過去最高の人数であった。2002年にはマレーシアに約2万人、台湾に約1万3200人が派遣されたほか、韓国、日本、ラオスなどが主要な就労先になっている。 労働・傷病兵・社会問題省(MoLISA)の海外派遣労働者管理局(DAFEL)は、2003年は5万5000人を海外へ派遣予定としている。しかし、その後、イラク戦争が始まり、SARSが国内で発生したため、この人数は下方修正される可能性がある。
DAFELは最近、ベトナム農村開発銀行と合意し、訓練費用、コンサルティング料、片道旅費など渡航時に必要な費用の8割を海外派遣労働者が同行に貸付申請できることにした。さらに同行は、海外居住者がベトナムに送金する際の送金サービスを提供することになった。DAFELによれば、毎年、約40万人が海外から約15億ドルを送金している。
MoLISAの労働者海外派遣計画の主眼は、2002年には新規派遣先の拡大におかれていたが、2003年には労働者の技能訓練の充実と、労働者派遣会社の運営能力の強化に移っている。過去5年間に海外派遣された20万人のうち、3分の2が未熟練単純労働者で、その大部分は農村地域出身で、教育水準も低い。そのため、技能訓練や英会話能力の向上が必要とされている。さらにMoLISAは、労働者派遣会社に対し、派遣労働者が契約違反しないように監督することや、労働者に必要な援助を提供するように命じている。そのためには、労働者派遣会社従業員の能力を高めることが必要となる。
マレーシア、ベトナム人労働者入国禁止解除
早期に68人のSARS患者が出たベトナムは、患者の隔離など徹底した対策により感染拡大を封じ込め、4月8日以来、新たな患者が見つかっていない。
マレーシアは、SARS患者入国阻止のため、2003年4月にベトナム人労働者の入国を禁止していたが、ベトナム国内におけるSARS終息を受け、2003年4月21日にこの措置を解除したと、ハノイのマレーシア大使館を通じてMoLISAに伝えた。今後、マレーシアに派遣されるベトナム人労働者は、入国時に健康診断を受け、10日間の検疫期間を経て、入国が許されることになる。また、ベトナム航空が検疫専門家を準備できるようになるまでは、派遣労働者がマレーシアの航空各社の飛行機で入国するようにマレーシアは要請している。
韓国もマレーシア同様、ベトナム人労働者に対し、入国禁止措置をとっていたが、4月末までに解除する予定になっている。
2003年7月 ベトナムの記事一覧
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