(香港特別行政区)使用者団体、若年者のための2万人職業研修を計画
香港の6つの使用者団体は2002年7月26日、大卒並びに中等教育修了者2万人を、1年間有給の職業研修者(インターン)として雇用する計画を発表した。
香港では若年失業者が多く、現在15歳から19歳の失業者数は10万人以上と推測されており、この計画も、経済界の協力を得て失業問題と取り組もうとする政府の呼びかけが一つの契機となってできたものである。計画によると、6つの使用者団体の傘下にある1万の企業が、「1企業、1雇用」の呼びかけの下に、通常の雇用のほかに、少なくとも1人のインターンを余分に雇うことを呼びかけられており、大卒が優先されるが、中等教育修了者を雇うことも期待されている。インターンには月額6000ドルが支払われ、政府労働局が計画の調整に拘わることになっている。8月に募集が労働局を通じて開始され、雇用されたインターンは、9月から仕事に就くことになった。
この計画に対して、7月に発足した第2期菫建華体制で、新たな内閣制度のもとで経済開発・労働長官になったステファン・イプ氏は、使用者団体がこのような計画を自ら策定したことは好ましいことだが、これは失業の救済計画とは異なるから、目下の大量失業に対する対策として過度の期待をするべきでないとも述べている。また、使用者団体の一つである香港産業連盟のアンドリュー・リョン副会長は、この計画で雇用された者は少なくとも1年間は何かを学べるし、さらに1年のインターン期間を終えた後で、経済が好転してインターン期間の成績が良い場合には、引き続き同じ企業に社員として雇用される可能性もあるから、有益な計画だと述べている。
これに対して、月額6000ドルの賃金が低いという批判があり、また、職工会連盟(CTU)のリー・チュク・ヤン立法会議員は、この計画を契機に大卒者の初任給が低く固定される可能性や、企業がコスト削減のために他の従業員と代替してインターンを雇う危険について懸念を表明しているが、月額6000ドルの賃金については、パメラ・タン労働コミッショナーは、初めて雇用されるインターンにとっては低い額ではないし、厭なら応募しなければよいだけだと反論している。
この計画発表の後で、比較的景気の低迷の打撃を受けていない観光産業が、5000人のインターンを雇用する希望を表明し、また、8月の募集開始後、宝石会社の50人の募集に1500人が殺到する事態が報道されたが、その後、香港の現在の経済状況では、特に中小企業に雇用のゆとりはなく、当初の2万人は過大な数字で、6000人程度に落ち着くのではないかとの声も、香港商工会議所から出ている。
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