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知的財産ポリシー

1. 本ポリシーについて

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)は、「宇宙と空を活かし、安全で豊かな社会を実現する」を経営理念とし、先導的な研究開発を行い、その成果を人類社会の発展に活かす。
 この目的を果たすために、JAXAは、国の宇宙基本計画、宇宙産業ビジョン2030、航空技術分野における研究開発計画等を踏まえ、知的財産を適切に保護・活用することで、我が国の産業・科学技術基盤の強化を図り、安全保障の確保及び安全・安心な社会の実現、宇宙利用拡大と産業振興、宇宙科学・探査分野における世界最高水準の成果創出及び国際的プレゼンスの維持・向上及び航空産業の振興・国際競争力強化に貢献する。
 本ポリシーは、JAXAの知的財産活動の基本的な考え方を明示し、JAXAの業務を効果的・効率的に実施することを目的とする。

2. 基本的な考え方

(1)知的財産活動の基本的な考え方
 JAXAに対する信頼を醸成し、業務を効果的・効率的に実施することを目的に、知的財産活動の基本的な考え方を以下に示す。

JAXAは、宇宙基本計画及び研究開発計画に則り自らが創出した知的財産を識別し、これを保護する。我が国の安全保障に関わる知的財産については、諸外国の政府、その関係機関及び海外の産業界に対して適切にこれを管理する。
JAXAは、科学技術・イノベーションの創出の活性化に関する法律や知的財産基本法、宇宙産業ビジョン2030などの政策文書等を踏まえた上で、産業振興のために宇宙航空分野をはじめとする我が国の産業界と連携し、知的財産を効果的・効率的に活用することにより社会実装化し、豊かな社会を実現することに貢献する。
JAXAは、アカデミアと価値ある知的資産(*)を創出するしくみを構築し、その知見を公表することにより、多様な科学分野での人類の知見獲得とその応用に貢献する。
JAXAは、国民に対して、自らの知的資産を分かり易く説明し、宇宙と空の可能性を広く共有する。また、本活動を通じた人材の育成にも貢献する。

*知的資産
 「知的資産」とは、JAXAの競争力の根源となる無形資産のことをいい、(ア)法律で規定された特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権等の知的財産権の他、(イ)社会で活用可能と識別された知的財産としてのノウハウ、ソフトウェア、データ、(ウ)職員・組織が有する学術的な知見や潜在的なノウハウ、情報、(エ)職員が有する創造力、経験、技能等の人的資産、(オ)経営理念、マネジメント体制、規定、設備が有する試験能力等の構造資産、(カ)内外の政府機関等団体、関係企業、支援者(国民等)とのネットワーク、知名度・ブランド力等の関係資産を含む。
(注記)参考:
https://www.meti.go.jp/policy/intellectual_assets/teigi.html(経済産業省)

(2)知的財産活動を実施するための取り組み
 JAXAは自らが持つ知的資産を社会で活用可能な知的財産として適切に識別・保護し、効果的・効率的に活用するために、知的財産組織を中心に知的財産マネジメント体制・制度を構築し、知的財産の識別・保護、活用のしくみを確立するとともに、全ての職員にこれを周知、理解浸透させるべく知的財産教育を実践する。

3. 知的財産マネジメント体制

 知的財産活動における外部との連携を適切に遂行するために、JAXAは職員・組織が保有する知見、人的資産、構造資産、関係資産を含めた無形資産を知的資産として認識し、自ら創造した知的資産を社会で活用可能な知的財産として識別・顕在化し、効果的・効率的に活用するための知的財産マネジメント体制を構築する。
 特に共同研究、産業振興の促進においては、パートナー企業からの情報を知的財産として識別し、適切に管理する知的財産リスクマネジメントの徹底を職員に義務づける。
 JAXAは、これらを実践するために、本知的財産ポリシーにおいて知的財産の識別と保護、産業活用及び教育に関する方針を定め、そのもとに業務遂行に必要な規程類や契約条件のひな型等を定める。すべてのJAXA職員、部門、部は、これらに従った知的財産マネジメントを行う。

4. 知的財産の識別と保護

 我が国の産業振興の促進に向けて、ビジネスの観点での利用性を踏まえて、設計、データ、技術ノウハウ、ソフトウェア等は知的財産として識別・顕在化し、適切に管理するとともに、産業上利用される国々においては、特許権、実用新案権、著作権、意匠権、商標権等の知的財産権として権利化し保護する。企業と共同で創出した成果である知的財産に関しては、我が国の産業競争力強化の視点に基づく技術移転の必要性を踏まえた上で、帰属や持ち分、独占的に使用するか否かを企業と協議の上、権利化を決定する。
 一方、安全保障に関わる技術成果や我が国の産業競争力を向上させるための技術成果など、諸外国とその関係機関及び海外企業に対して秘匿すべき知的財産は情報セキュリティの規程に従い保護する。ただし、国際的な共同活動の成果である共有知的資産に関しては、知的財産の識別とそれぞれの国で開示できる範囲を明確にした上で秘匿、保護を行う。
 商標については、JAXA技術及び科学的知見の信頼性を示すブランドやJAXAミッションを象徴し国民に親しまれるシンボル・マークを育成し、権利化する。

5. 知的財産の産業活用

 科学技術・イノベーションの創出の活性化に関する法律や知的財産基本法、宇宙産業ビジョン2030などの政策文書等を踏まえた上で、JAXAは自らが保有する知的財産を、産業振興を図るための適切なオープン・アンド・クローズド戦略のもとに、我が国産業界での利用を図ることにより、宇宙航空分野を活用する国内産業の国際市場や多様な分野での競争力強化に貢献する。
 具体的には、JAXAと産業界は対等な関係であるとの前提に立ち、産業振興に必要とされる知的財産のライセンスを行う。そのため、特許権、技術ノウハウだけでなく、データおよび商標権などについても、その産業振興に求められる知的財産について、総合的なライセンスの許諾指針を定める。
 ライセンスの供与に際しては、JAXAの持つ知的財産は、我が国の産業界が適切な対価でこれを広く活用できるようにする。その際、産業振興の促進に向けて非独占的な利用を基本としつつ日本版バイドールの考えも取り入れ、事業者のビジネス環境に応じて独占的な利用といった考え方も尊重し、その権利に伴う対価の受領も含めた知的財産の活用手法を協議の上、ライセンスの方法を決定する。他方、外国企業に対しては、JAXAが我が国産業の国際競争力の強化を図るうえで必要不可欠であることを判断した場合に活用を認める。

6. 知的財産の教育

 JAXAは、人的資産を知的資産として認識し、自らの職員を宇宙航空分野における知的財産人材として育成を行う。具体的には、構築された知的財産マネジメント体制の下で、全ての職員に対し、知的財産に係る規程や契約の基本的な考え方を周知、理解浸透させるべく知的財産教育を実施する。
 教育の実施にあたっては、職員に対し、知的財産は情報セキュリティに深くかかわるとの認識を持たせるとともに、産業振興のために効果的・効率的に知的財産を保護し活用する手法を学ばせる。

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