2011年度東海・東海第二発電所からのお知らせ
東海発電所 放射性廃液処理系 上澄液タンク(A)水位低下について
当社、東海発電所(炭酸ガス冷却型)は、廃止措置工事中のところ、放射性廃液処理系上澄液タンク(A)(以下「当該タンク」という。)の水位低下を確認しました。
1.事象の確認
3月14日、保修作業のため放射性廃液処理系スラッジ貯蔵タンク*1(A)から、当該タンクへ廃液*2を移送しました。(上澄液タンクの水位 計指示165cm)。 3月15日、当該タンクに水位低下(155cm)が見られたため、水位計の運転調整を行ったが、水位計指示に変化はありませんでした。 3月16日、水位計指示が更に低下(146cm)していたため、再度水位計の運転調整を行うとともに、実測を行いました。 同日の夕方に再度、当該タンクの水位の実測を行ったが、水位の低下は見られませんでした。また、漏えい検査孔*3(4箇所)の確認を行ったところ、No.3漏えい検査孔(不適合*4発行中)については、震災の影響による溜り水が確認されたものの、それ以外の検査孔に溜り水は見られず、No.3漏えい検査孔の溜り水についても、放射能濃度測定を実施し、検出限界値未満であることを確認しました。 その後も継続して監視を行なっていました。
3月17日、当該タンクの水位計指示の低下(135cm)を確認し、更に実測においても低下していることを確認したため、当該タンクからの漏えいを考慮し、当該タンクから再生廃液レシービングタンクへ廃液の移送を行いました。 その後、当該タンクの水位計指示および液面までの距離の実測値の変化はありません。
なお、当該タンク内の廃液のサンプリングを実施した結果、放射能濃度は約33Bq/cm3であることを確認しました。また、放水口モニタの指示変化はありません。
2.現在までの調査結果
(1)当該タンクの記録の調査
当該タンクへ廃液を移送した際に採取してある記録について調査し、平成22年10月6日以前の記録では、水位計指示の変化は見られなかったが、平成22年10月6日以降の記録では、受入れ後(または、送水後)水位が、次の受入れ(送水)時に低下しているものがあることを確認しました。 なお、過去の記録から確認した水位低下量の合計量は、約2.2m3であり、今回の事象で確認した低下量(約1.5m3)を加えると約3.7m3となりました。
(2)当該タンクおよびその周辺の調査
当該タンクの廃液移送後の、3月18日に当該タンク上部から目視点検を実施しましたが、当該タンク内に有意なひび割れは見られませんでした。 また、3月19日に当該タンクの配管の行先であるバルブチェンバ室*5にあるバルブ操作口から内部の状況を確認したところ、水溜りがあることを確認しました。溜まっている水の深さから、水量を推定すると約4.2m3であり、当該タンク水位の過去の記録と今回の事象で確認した低下量(約3.7m3)に近い値となっていることを確認しました。
今後、詳細な状況および原因を調査していきます。
なお、平成24年3月19日、当該事象発生に伴い、原子力安全・保安院より、指示文書「日本原子力発電株式会社東海発電所使用済燃料冷却水処理系上澄液タンク水位低下事象に係る調査について(指示)」を受領しました。 この指示に基づき、今回の流出範囲及び流出量の調査、水位の低下した原因および再発防止対策などについて徹底した検討を行い、その結果について速やかに同院へ報告いたします。
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* 1:タンクは、A、B、C、D、Eの5個有り、通常はA、Bタンクで放射線防護具の除染水を受けている。
* 2:放射線防護具の除染水等。
* 3:放射性廃液地下タンクにて漏えいが発生すると、建屋周辺に4箇所設置してある漏えい検査孔にて、 溜り水を、目視で検知可能な構造となっている。
* 4:平成23年3月の東北地方太平洋沖地震後に、漏えい検査孔に地下水と思われる溜り水が確認されたことから修繕を行った。
* 5: 従来は、移送などの切り替えをするためのバルブが設置してあった部屋。
添付資料2:放射性廃液処理系 地下タンク及び漏えい検査孔配置図
(2012年3月21日記載)
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- ※(注記)
- 保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、
産官学で情報共有化することが有益な情報です。