核不拡散・核セキュリティ総合支援センターのご紹介

センター長挨拶

核不拡散・核セキュリティ総合支援センター長 井上 尚子

平素より「核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)」の活動へのご理解とご支援ありがとうございます。

日本やJAEAの前身組織の核不拡散・核セキュリティの取組は1950年代の日本の原子力平和的利用の始まりと共にあり、2005年原研・サイクル機構の2法人統合に伴ってJAEAが設立されると同時に両法人の技術・知見を結集し、核物質管理等の向上、国際的な核不拡散体制の強化に貢献するために核不拡散科学技術センター(NPSTC)が新設されました。2010年4月の米国で開催された核セキュリティ・サミットにおいて、日本政府がアジア地域の核セキュリティ強化を目的とした支援センターをJAEA内に設置するとの表明を受けて同年12月にISCNが設置され、ました。その後、NPSTCの機能を取り込んでISCNは核不拡散・核セキュリティに関する総合的な研究、開発、人材育成支援組織として発展してまいりました。

コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻やこれに起因するエネルギー問題、その解決策としての原子力利用の拡大、小型モジュール炉(SMR)×ばつリニューアブル」で拓く新しい未来"を掲げ、ISCNも本ビジョンの下で「核兵器と核テロのない世界」を目指して原子力平和的利用の持続可能性を確かなものとするとともに、この環境変化に柔軟に対応しながら世界のユビキタスを支えていく取組を前に進めます。

70年に及ぶ先輩諸氏の尽力で現在のISCNとISCNが取り組む業務の仕組み、国内外の関係機関との強い連携関係を基礎として活動できることに深く感謝しながら、JAEAが培った技術や知見を効果的に活用して核不拡散の一層の強化、核セキュリティの一層の向上及び政策調査研究に取り組んでまいります。これらの取組や関連する国際動向の情報発信にも努めてまいりますので、今後ともISCNに対するご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。

2024年4月

核不拡散・核セキュリティ総合支援センター長

井上 尚子

事業概要

核兵器・核テロのない世界を目指して、核不拡散・核セキュリティの分野における技術開発、政策研究、能力構築支援、包括的核実験禁止条約(CTBT)の国際検証体制支援等に取り組んでいます。

技術開発

IAEA等の国際機関や各国の核不拡散・核セキュリティ分野で活用される技術の開発を目指し、国内外の課題やニーズを踏まえたテーマ、目標等を設定し、国内及び米国・欧州の研究機関と連携して実施しています。将来の核燃料サイクル施設等に対する保障措置や核拡散抵抗性向上に資する様々な基盤技術開発、核物質の測定・検知や核鑑識等の核セキュリティ強化に必要な技術開発を行っています。

CTBTに係る国際検証体制への貢献

包括的核実験禁止条約(CTBT)に関して、条約議定書に定められた国内の放射性核種に係るCTBT国際監視制度施設及び監視データの解析・評価を行う国内データセンターを運用するとともに、関連する検証技術開発を行い、国際的な核不拡散に貢献しています。

人材育成支援

アジア諸国の核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成を支援するため、核不拡散・核セキュリティ確保の重要性を啓蒙するとともに、技術的なトレーニングカリキュラムを開発し、トレーニング設備の充実を図りつつ、トレーニング、セミナー及びワークショップを実施して人材育成支援に取り組んでいます。

政策研究

核不拡散・核セキュリティに係る国際動向を踏まえ、技術的知見に基づく政策的研究を行っています。収集した情報をデータベース化するとともに、核不拡散・核セキュリティに関するトピックスや国内外の動向等を掲載したISCNニューズレター等の情報発信を行っています。

理解増進活動

学会における成果の報告・共有、国際フォーラムの開催、機構WEBサイトを通じた情報発信(ISCNニューズレター、核不拡散動向、核不拡散ポケットブック)を行い、理解を深めるとともに、我が国及び原子力機構の核不拡散への取り組みを紹介しています。

組織構成

核不拡散・核セキュリティ総合支援センターの組織
計画管理・政策調査室

計画調整、連携協力、庶務、理解促進活動の総括、政策研究、情報の収集・発信

能力構築国際支援室

人材育成、法整備支援

技術開発推進室

保障措置・計量管理、核測定・核検知、核鑑識

CTBT技術協力室

CTBT国際検証体制のための技術協力

外部との協力

外部との協力

アクセス

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