調査研究

研究会一覧2023年度

貿易の分配効果と消費の異質性

概要

本研究課題は、家計の消費パターンが貿易の分配効果に与える影響を検証する。輸入製造品や中間財、消費財に対して大きな支出がある家計に対して、貿易自由化の効果は大きくなるため、もし低所得の家計が輸入品に対して支出が大きければ、貿易自由化は購買力の格差を削減する。この観点から、輸入品に対する消費の異質性は、貿易の分配効果に対して大きな役割を果たす。実証分析のため、カンボジア経済社会調査におけるDiaryデータを活用する。Diaryデータは、家計支出における農産品や製造品、またサービス(例えば散髪や授業料、交通費)に対する支出を記録している。このデータを使い、輸入関税が輸入品の支出シェアを通して家計に与える効果を推定し、関税の価格転換効果の推定値に基づいて、輸入関税が格差に与える二つの主要な要因を数量化する。具体的には、低所得の家計が食料や製造品などの貿易可能セクターにより多く支出する要因と、貿易可能セクターにおける輸入品に対してより少なく支出する要因が挙げられる。

期間

2023年4月〜2025年3月

研究会メンバー
役割 メンバー
[ 主査 ] 田中 清泰
[ 委員 ] Dai Mi(Beijing Normal University Professor)

(注記)所属は研究会発足時のものです。

予定する研究成果
  • 査読付外国語学術誌投稿

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