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生物機能化学研究分野

エネルギー利用過程研究部門 生物機能化学研究分野
准教授:中田 栄司 助教:LIN Peng 教授(兼):野平 俊之
タンパク質に機能を発揮させるにはどのように設計すればよいか、そして「細胞の中」で機能する酵素や核酸の精緻な組織体を、どのようにして機能を保って「細胞の外」で構築するかを研究しています。これらの研究を通じて、酵素や核酸の組織体を活用し、クリーンで高効率なエネルギー利用ができる人工代謝経路の構築を目指しています。

高効率なエネルギー利用を可能にする人工代謝経路の設計原理を確立する

生物は、太陽光エネルギーを利用した植物の光合成で生産される化学エネルギーを、タンパク質・核酸・酵素などの生体高分子が利用して、生命活動を維持しています。これらの生体高分子やその複合体は、常温・常圧・水の中という温和な条件で、物質変換・運動・センシングをはじめとする機能を発揮して、高効率に化学エネルギーを利用しています。「分子認識」、「触媒」、「ナノ構造形成」、「代謝反応」などの、生物のエネルギー利用原理をささえる機能を発揮する生体高分子を、細胞の外でも使えるように新たに創り出すことで、有効に化学エネルギーを活用 するためのクリーンで高効率なエネルギー利用システムが実現するはずです。例えば、ナノメートルの精度で1分子ずつ配置した酵素の組織体を、目的とする機能を発揮するように設計・構築して、生物に匹敵するエネルギー利用機能を発揮する方法論の確立を目指しています。

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人工代謝経路の実現に向けたタンパク質・酵素ナノ構造体による分子コンビナートの開発

細胞内では、タンパク質や核酸などの生体高分子がナノスケールの空間中で特徴的な組織体を形成して、物質変換やシグナル伝達などの機能を発揮しています。DNA ナノ構造体を足場として利用して、タンパク質、酵素や核酸などを1分子ずつ狙った場所に配置した「分子スイッチボード」によって、多段階の化学反応が細胞内の代謝反応のように高効率に進行する「分子コンビナート」を構築しています。この技術をもとにして、細胞の外での人工代謝システムの実現を目指しています。特に、二酸化炭素を有効活用するための人工代謝システムに興味を持って進めています。

生物のエネルギー利用過程を可視化する細胞内蛍光センサーの創製

生物のエネルギー利用過程である代謝反応を可視化するための蛍光センサーを合成化学的または遺伝子工学的手法によって構築し、細胞内のエネルギー利用過程への理解を進めます。特に、異なる標的を検出するための複数種類のセンサーを足場に集積した多検体同時検出センサーを構築し、それらの相互関係に対する理解を深めます。

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