2015年11月13日
トリーター:鈴木

今週のおすすめ

アカヒトデ(シリヤケイカの水槽)アカヒトデ(シリヤケイカの水槽)

こんにちは、鈴木です。
今週はどうか私のおすすめにお付き合いください。
ではさっそく、おすすめのテーマですが、大水槽わきの沿岸水槽にくらす、皆さまの目にはほとんど留まらないかもしれないけれど、水槽の中で重要な役割を担う、渋い仕事をするメンバーたちです。
ちなみに、ここでの渋い仕事というのは、メインの魚たちの餌の食べカスや、食べ残し、糞などを処理したり、底砂の中が腐敗しないようきれいにしたりするなど、目立たないけど水槽の環境を良くする素晴らしい仕事のことです。

では、最初はヒトデたちからです。
餌の食べカスだけでなく、結構大きな食べ残しもペロリとお掃除。狭い隙間も得意で機動力もあり! もしもこれが掃除機だったら重宝間違いなしです。さらに、色が派手なので水槽のよいアクセントにもなる優れたやつ。

アカヒトデ
シラス水槽横のシリヤケイカの水槽に入っています。細くて長い腕が特徴で、日中はガラス面に付いていることが多いです。海藻の隙間も器用に腕を動かし、自由に移動します。地味な色合いの水槽に赤が目立ちます。

ゴカクヒトデ科の一種
キアンコウの水槽の紅一点(但し、メスというわけではありませんし、一点でなく二点います)。認めたくありませんがアンコウよりも目立ちます・・。あまり動かないですが、夜な夜な、食べ残しを探し徘徊中。ただアンコウは餌の頻度が少ないですし、丸呑みでカスがでないので、たまに餌をあげています。

続いて、ナマコたち。
主に砂掃除の専門です。砂を掃除機のように吸引し、腐敗の原因になる有機物やさらに糞なども食べてくれます。もちろん吸引力は落ちません。

マナマコ
この辺りの磯でもよく見られる種で、シリヤケイカの水槽や、隣のマツカサウオの水槽に入っています。海藻の隙間や岩の隙間にいることが多いです。岩に色も似ているのでよーく探してくださいね。

トラフナマコ
白地に茶色の雲斑が入ったナマコで、どちらかというと暖かい方の海にすんでいます。
アナゴがいる大きめの水槽に入っていて、日中はよく壁の上の方にくっついています。


トラフナマコ

オキナマコ
キアンコウの水槽に入っています。名前の通り沖の方のやや深い所にいます。アンコウは大きな糞をしますので、それらが溶け込んだナマコにとっての美味しい砂がここにはたくさんあると思います。おそらく餌には困っていないでしょうね。


ゴカクヒトデ科の一種・オキナマコ

ウニの仲間も頑張っていますよ。
タコノマクラ
一見、ウニのようには見えませんが、ちゃんと細かいトゲがたくさんあります。マツカサウオの水槽に入っていて、砂に潜って砂の中をかき回し、中の食べカスなどを食べてくれます。とっても有能で、彼らが数匹いれば砂は安泰です!砂の中にいることがほとんどですが、たまに表面に出てきていますので見られたらラッキーですよ!


タコノマクラ

最後はヤドカリたちです。
ホンヤドカリ
シリヤケイカの水槽とマツカサウオの水槽にたくさん入っています。海の小さな仕事人の代表格。小さな食べカスから大きな食べカスまで!をモットーに、小さなゴミは単独で、大きなゴミは大勢で、まさに海の蟻のごとく、水槽を綺麗にしてくれます。ただし、餌が少ないと死んでしまいますので、ちゃんとヤドカリ用にも餌をあげますよ。


マナマコ・ホンヤドカリ(シリヤケイカの水槽)

以上です。けっこう多くなってしまいましたね・・・。
これでもまだご紹介していない種もいるので、それらはまたの機会にでも。

いかがでしょうか、メインの魚たちから、もう少し目をマクロにすると、実はたくさんの生物たちがいて、彼らが自分たちの生活をする中で結果としてさまざまな役割を果たしています。
彼らのおかげで水槽の環境は良いですし、掃除もかなり楽になるんです(^^)。
魚にも、トリーターにも優しい、ほんとありがたい存在ですね。
今回ご紹介した沿岸水槽以外にも、渋い彼らは館内のさまざまな水槽にいますので、ぜひ探してみてくださいね!

相模湾ゾーン

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