省エネ関連国際協力の推進

  • エネルギー需要や温室効果ガスが増大する新興国等におけるカーボンニュートラルを推進するためには、我が国の優れた省エネ関連技術の移転、人材育成等を通じて制度の構築を図ることが有効です。
  • このような観点から、当センターが蓄積してきた知見・技術を生かして国際協力を実施するとともに、我が国企業等の海外ビジネス交流を支援しています。

政府間合意に基づく国際協力

政府間合意に基づき、アジア地域を中心とした新興国、資源国等を対象に、専門家の派遣と研修生(政府関係者、技術者等)の受け入れを通じて、当該国における省エネ関連政策・制度の整備、関連技術の普及等をカーボンニュートラルに向け支援しています。


[画像:専門家による指導]
専門家による指導
協力形式
近時における主な協力内容
多国間
(アセアンを対象) ・地域共通のエネルギー管理資格制度の構築
・カーボンニュートラルに向けた情報共有、診断等の実施
二国間 ・エネルギー管理法制の構築及びその運用
・エネルギー管理・省エネ診断等に係る現地人材の育成
・ZEB化の促進
・省エネ機器に係る規格・ラベリングの構築
・省エネ推進機関の設立


【2023年度までの実績】

  • このような国際協力を約50か国に対し実施してきており、各国政府・関係機関・大学等の研究機関とのネットワークを形成しています。
  • これまで約2,100名の専門家を派遣し、約5,300名の研修生を受け入れ、オンラインセミナーを200回強開催しています。

【主な成果事例】

協力対象の国及び法令【例】
種別
インドネシア 大統領令
マレーシア エネルギー効率
保全法 シンガポール 省エネ法ビル規則
タイ 省エネ促進法
ベトナム 省エネ法
インド 省エネ法
フィリピン 省エネ法
ラオス 省エネ首相令


[画像:タイ・エネルギー管理研修センターにおける研修]
タイ・エネルギー管理研修センターに
おける研修

これら活動の結果、次の事例のような成果があがっています。

しろまる省エネに関する法令整備

  • 国際的に評価が高い我が国の省エネ関連法令をモデルに、次のような仕組みがアジアを中心に整備されています。

−エネルギー多消費事業所に係る基準
−エネルギー使用状況の把握方法
−事業所に求められるエネルギー管理体制
−エネルギー管理・省エネ対策の実施方針
−エネルギー消費機器の性能基準の設定

しろまる省エネに関する制度の整備

  • インド・ミャンマーにおいて、同国の省エネ関連法令に基づくガイドラインに、我が国省エネ法令と同様のエネルギー管理方法が採用されました。
  • インド・ラオス・カンボジア・ミャンマー・ブラジルにおいて、エアコンの効率に係る評価基準に我が国の方式が採用されました。

しろまるエネルギー管理指導者の育成

  • ASEANにおいてエネルギー管理専門家の育成を担う指導者を、研修を通じて80名育成しました。

しろまるエネルギー管理研修施設の設立支援

  • タイ・ベトナムにおけるエネルギー管理研修センターの設立に際し、研修カリキュラムの策定や実習機器の整備等を支援しました。これらの施設は、設置国のみならず、ASEAN地域における専門人材育成の中核機関になっています。

省エネ関連の情報・ノウハウの提供

省エネ・再エネ利用等に係る我が国の機器・技術や優秀事例を、海外に向けてWEBサイト等で発信しています。

AEEC WEBサイト:https://www.asiaeec-col.eccj.or.jp

  • 海外関係機関等とのネットワークを通じて、省エネ・再エネ利用等に係る政策や優れた技術等に関する情報を収集し、分析のうえ提供しています。
  • JICA等国際協力機関や海外展開企業等との連携により、関係国・地域において省エネをはじめカーボンニュートラルに向けた活動を支援しています。

省エネ関連国際ビジネスの支援

世界省エネルギー等ビジネス推進協議会(JASE-W)への支援

我が国の優れた省エネ・再エネ技術等をビジネスベースで国際的に普及するため官民一体で設立された「JASE-W」(注記)の運営を支援し、以下のような活動を実施しています。 (注記)会員数42社(2024年7月時点)

国際展開技術集(英語版)
国際展開技術集(英語版)

JASE-W WEBサイト:https://www.jase-w.org

  • 海外へのミッション派遣、国際展示会参加等を通じた我が国の優れた省エネ・再エネ技術等の紹介、普及促進
  • 我が国企業と海外企業との国際的なビジネス環境の形成
  • 我が国の優れた省エネ・再エネ技術等を集大成した「国際展開技術集」の提供
  • 我が国の省エネ・再エネ技術等の普及を促進することを目的とした調査事業等の実施
  • 我が国政府が進める「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想」への協力


【主な成果事例】

しろまるビジネス交流による支援

−アジア、中東等において国際展示会に参加し、ビジネスセミナーを開催
−メキシコ食品工場へ我が国企業の排熱利用吸着式冷凍機を導入
−インドネシアにおいて空調機コンプレッサの制御に我が国企業の小型機器を適用
−ZEBのISOにおける国際規格化を実現し、その普及を通じ、我が国の関連技術・製品のビジネス展開を支援

海外進出企業等の省エネ支援

個別の企業ニーズに合わせ、各国の制度や技術レベルに関する情報提供、進出先工場における人材育成等の支援を行います。

ISO50001 審査員評価登録

[画像:セムサールマーク]
セムサールマーク

ISO50001はエネルギー管理分野の国際規格(2011年6月発行) であり、世界標準となっています。当センターは審査員評価登録機関(CEMSAR:セムサール)として、次の活動を行っています。

  • 研修機関が実施する研修コースの承認
  • 審査員の評価・登録

CEMSAR WEB サイト:https://www.eccj.or.jp/cemsar




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