審査委員長からのメッセージ

大分大学経済学部 松隈 久昭

高校生の皆さん、第10回「高校生なるほどアイデアコンテスト2014」に応募していただき、ありがとうございました。今回は25の高校から1,164件(1,279名)の応募がありました。応募件数は過去最高で、群馬県の高校からの応募もありました。また、20件以上応募があった高校には学校協力賞を贈りますが、今回は11校でした。
このアイデアコンテストのテーマは、「ユニークな新商品、ユニークなサービス、ユニークな地域づくり」です。今回も高校生の皆さんから「地域に新しい活力と豊かさ、潤いをもたらすアイデア」が集まりました。
応募作品については、例年と同じように書類による一次審査を行いました。主な審査基準は、独創性、新規性、実現性、高校生らしさです。そして、一次審査を通過した10組には、11月3日の二次審査においてプレゼンテーションをしてもらい、それを評価しました。プレゼンテーションにおいては、各校の報告者により、パワーポイントによるアイデアの説明、試作品の提示などにより、わかりやすい説明をしてもらいました。
審査の結果、グランプリには、伊藤綾花さんのグループ(大分県立大分東高等学校2年・1年)の「手軽でヘルシー農家にもやさしい大分東高オリジナルニラ麺」が選ばれました。このアイデアは、出荷調整時に廃棄されるニラの有効活用をしようというものです。ニラの特徴である味と香りを麺に混ぜて、ニラ麺を作ることにより差別化を図っている点が高く評価されました。
次に、特別賞・大分合同新聞社賞には、菊池香菜さん(大分県立津久見高等学校3年)の「タコばん」が選ばれました。このアイデアは、指先に張る絆創膏は剥がれやすいので、剥がれにくいデザインを考えています。「タコばん」というネーミングも面白く、身近にある不便な点を改善したことが評価されました。
そして、夢発展賞・大分県教育委員会教育長賞には、板井瑠菜さん(大分県立大分商業高等学校1年)の「かぼす 蚊取り線香」が選ばれました。これは摘果されるカボスを利用するもので、蚊取り線香に混ぜることにより香りを楽しめるという点が評価されました。
その他の7作品は、新規性などの観点から評価し、優秀賞2件、奨励賞2件、努力賞3件を決めました。詳細は入賞者一覧をご覧ください。
今回の応募作品の中には、スマートフォンが普及したことにより、何らかのサービスをアプリにして、それを提供するというものがありました。スマートフォンはいつでも、どこでも使えるので、それを利用したサービスは増えると思います。また、近年ユーザー・イノベーションという考えが広まっています。これまでは商品やサービスを作るのは企業であり、私たち消費者は受け手でした。しかし、消費者は様々な商品やサービスを日常で使っており、「もう少し改善したら使いやすくなる」という具体的な感想をもつことが少なくないと思います。その改善を反映させた私たちユーザーによるイノベーションが、今後は増加するでしょう。
高校生の皆さんのアイデアを商品化することにより、ユーザー・イノベーションを起こして欲しいと思います。それが、最終的には地域の活性化につながるからです。
次年度もこのコンテストに向けて、高校生のみなさんの創造性あふれるアイデアの応募を期待しています。


受賞者からのメッセージ

概ね原文のまま掲載しています。

(注記) 該当作品・受賞者をクリックするたびに、本文の表示⇔非表示が切り替わります。
《グランプリ》
作品について
ニラ麺を製造する時に使用する水をニラジュースにすることでニラの味と香り含んだ東高校独自の麺です。まだ、まだ開発途中ですが今後も活動を継続していきたいと考えています。
苦労や工夫をした点について
ニラの味や香りを残すために、ニラと水の割合を試行錯誤したことが苦労しました。他には麺のゆで時間について、どの時間ゆでるとよいかを調査するのに苦労しました。
《特別賞・大分合同新聞社賞》
作品について
実際に自分が日常で不便だと思い考えた作品です。考えていくうちにたくさんのアイディアが思いうかびタコばんができました。
苦労や工夫した点について
試作品を作ることが一番大変でした。しっかりはるためにはタコの足の凸凹のはばなどを細くちょうせつしなければならなかったので、何度も作り直しました。工夫した点は、パワーポイントを、見ている人にわかりやすく作ったことです。
《夢発展賞・大分県教育委員会教育長賞》
作品について
「かぼす蚊取り線香」は、摘果され、廃棄されるかぼすを有効利用できるアイディアだと思います。また、大分県が全国の96%の生産量を誇るカボスを使うことで、大分県のPRにもなると考えました。
苦労や工夫をした点について
実際に「かぼす蚊取り線香」を作成し、成果や課題を明確にするのに苦労しました。工夫した点については、作成する際に、果汁のみと皮と果汁を混ぜこんだものをそれぞれ作ったことです。時間も手間もかかり大変でした。
《優 秀 賞》
作品について
私たちが考えたBasket Registerは、日常の不便だと感じたことをきっかけに考えつきました。そこからどのようにしたら良いのか、アイデアを出し合い、明確なシステムを考えることができました。商業生としてできることはないのか、人の役に立てるシステムはないのかという気持ちをこのシステムにつなげることができたと思います。
苦労や工夫をした点について
レジの混み具合をいかに解消できるのかという点を何度も考えました。工夫した点は、システムを利用しない人たちのためにも一般カゴを設置し、さらに割引をつけるなど、システム以外のこともまた考えました。
作品について
植物バイオ研究部では、継続してシモンイモについて栽培研究や広報活動を行っていたため、それらを総括し、更に大泉町におけるPR活動を主軸にした作品です。
苦労や工夫をした点について
大泉町内にある各国料理店を探し歩くのが大変でした。ロードマップ作成のために地図を調べあげ、コースを作成するのが難しかったです。
発表の際に、読むスピードやスラスラ読めるようになるまで努力しました。発表本番の朝、喉が痛くていつも通り読むために苦労しました。
《奨 励 賞》
作品について
全国的に見ても上位の暑さである日田市で、より快適な学校生活を送れるように、「ITO SUZUSHI」を考えつきました。学校の制服を、通気性の良い甚平にすることで、爽やかな生活を送れます。また、この制服にぴったりである下駄を使用することで、日田をはじめとする林業が盛んな土地の地域の活性化をしたいとも考えました。
苦労や工夫をした点について
私たちがこのアイデアを考えたきっかけは暑い日田の夏を過ごしていることです。そのため、あの暑さを少しでも快適に過ごすために1番通気性がよい服は何かを考えました。今回、試作品を作ることはできませんでしたが、本来、くつろぐ時に着る甚平を、少しでも制服に近づけるために、ボタンをつけることが工夫したところです。また、地域活性を考えた時に、日田の名産である日田下駄を使うことを思いつきました。全国的に林業は廃れつつあるので、日田以外の地域でも活用できると思います。
作品について
私は、日常生活の中で気付いたことを取り上げて、商品にしようと考えました。私の作品は、形のあるものでしたが、他の生徒の受賞作品を見て、アプリを考えていたり、地域特有の物を作ったりしていて、日常のいたる所にアイデアは転がっていると感じました。今後も応募する機会があれば、たくさんのアイデアを考えたいです。
苦労や工夫をした点について
苦労・工夫した点は、ごみ袋をどのように持てば楽に運べるかを考えた点です。ごみ袋のひもを引っかけるデザインやごみ袋の袋を変える案などを出した結果、今回の形になりました。次に絵だけで相手にどう伝えるか悩みました。私のデザインは紙面を見ただけではわかりにくいので、絵の細部を省かずに書き、分かりやすいよう説明書きも加える工夫をしました。
《努 力 賞》
作品について
スーパーで買い物中の高齢者の方が、ビニール袋を開けづらそうにしている様子を見て、誰にでも簡単に開けられるビニール袋を作りたいと思い、このアイデアを思いつきました。
苦労や工夫をした点について
ビニール袋を開けやすくするためにはどうすればよいか、具体的な考えを思いつくまでに苦労しました。実際に作った試作品は、一つ一つ長さを測りながら手作業で作ったので、とても大変でした。
作品について
熱中症にならないようにするために、浮き輪に飲料ケースをつけて、泳ぎながら飲める熱中症対策浮き輪を考案しました。
苦労や工夫をした点について
プロジェクターの資料を作るときに、どのように表現すれば皆さんに見やすく、分かりやすいを思ってもらえるのか、とても考えて、絵を書いたり、文字の出し方、グラフなどを使って表現しました。
作品について
あるゴミを捨てようと思ったときに、分別の仕方が分からなかったことがあり、こんなアプリがあったらいいなと思ってこのアイデアを思いつきました。
苦労や工夫をした点について
プレゼンテーションの構成や、アプリの概要説明を考えるのに苦労しました。パワーポイントを作成するのが初めてだったので、操作方法から学び、何度も修正を重ね完成しました。短い期間で作成したので、放課後遅くまで準備に時間を費やし大変でした。一度、本校の先生方の前で発表した際に、発表の最初は疑問にすると良いというアドバイスを取り入れ、工夫しました。アプリ起動の操作をより現実的に表現するためアニメーションを利用し、スマートフォンをスライドする動きに力を入れました。アプリのキャラクターである「分別キング」にも工夫をしました。リサイクルの3Rを取り入れたり、分別の"分"の文字を口元で表現しました。とても可愛いキャラクターになったので発表で生かすことができ嬉しかったです。

レビュー2014

[お問い合わせ]
大分大学経済学部
高大接続教育室
Tel: 097-554-8527
E-mail: kodai-s@oita-u.ac.jp

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