5G 以降の要求への対応
5G の躍進により、テレコムおよびネットワーク業界に革命が起きています。プロバイダーは、絶え間なく増加するデータを非常に効率的に伝送して、より高度なカスタマー エクスペリエンスを実現し、VR/AR やレイテンシの要件が厳しい IoT アプリケーションなどのサービスに対応する必要がありますが、その背景には次のような重要なトレンドがあります。
指数関数的なデータ量の増大
ネットワークを通じて送信する必要のあるデータの量は圧倒的に増加しており、ネットワーク技術における非連続的な進化が必要となっています。
非集約化
ソフトウェア定義、クラウド ネイティブ、非集約化、コンテナー化環境の拡大を促す動きが広がっており、さらにアジャイルな展開と効率性が促進されています。
分散コンピューティング
コンピューティングはコアからエッジに向かって拡張しており、5G に必要な低レイテンシを実現しています。
電力効率の必要性
通信会社に二酸化炭素排出量の低減を求める圧力はさらに強くなっており、電力効率を高めるソリューションを見つけることがますます重要になっています。
AMD at Mobile World Congress 2025
製品ポートフォリオ
- アクセス
- 通信エッジ端末
- パケット コア
- メトロ & トランスポート
- データセンター
アクセス ネットワーク
無線通信
AMD ZynqTM UltraScale+TM RFSoC によって消費電力の低減、スケーラビリティの向上、新標準規格への適合の簡略化が可能となります。ビームフォーミングと MIMO に対しては、AMD VersalTM AI コア適応型 SoC でシステム レベルのコンピューティング能力が提供され、無線通信で必要とされる位相と利得の係数をオンザフライで計算できます。
分散型ユニット
分散型ユニットでは、電力とサイズに関して厳しい制限があるのが通常です。AMD EPYCTM 8004 シリーズ プロセッサによって非常に高いコア密度と性能が得られ、200 W を上限とする低い電力エンベロープ内で動作可能です。AMD T2 アクセラレータ カードと合わせて使用することで、レイテンシの影響を受けやすく高いスループットが要求される 5G ベースバンド機能をオフロードできます。
ケーブル/ブロードバンド
AMD Zynq UltraScale+ RFSoC は、ネットワーク機能とアナログ フロントエンド回路を独自に組み合わせて、コンバージド インターフェイス ネットワークと DOCSIS 3.1/4.0 間をブリッジします。
コンバージド アクセス
AMD は、多数の異なる無線ユニットやその他のエンドポイントと通信し、それらを任意のネットワークを介して転送して、各チャネルをリモートで再生成するまでの包括的なソリューションを提供します。再構成可能な単一の AMD ソリューションで実装することで、システムの初期費用を抑え、安価でスケーラブルなパケット ネットワークを使用できるようになります。AMD のトランシーバー技術は、O-RAN (eCPRI) や PON、さらに広範なイーサネット規格に至るまで、ポートやプロトコルに依存しない X-haul ネットワークを実現する柔軟性と性能を備えています。ロジックを再構成できるため、通信製品のニーズに合わせてカスタマイズしたソリューションを実現できます。AMD の Versal プレミアム アダプティブ SoC は、1GE 〜 112 Gb/s のレートに対応し、単一のコヒーレント ファイバーから既存のネットワークまで、選択する通信媒体を柔軟に利用できます。
通信エッジ端末
分散型ユニット
分散型ユニットでは、電力とサイズに関して厳しい制限があるのが通常です。AMD EPYC 8004 シリーズ プロセッサによって非常に高いコア密度と性能が得られ、200 W を上限とする低い電力エンベロープ内で動作可能です。AMD T2 アクセラレータ カードと合わせて使用することで、レイテンシの影響を受けやすく高いスループットが要求される 5G ベースバンド機能をオフロードできます。
集約型ユニット
AMD EPYC 8004 シリーズ プロセッサが提供する高いコア密度は集約型ユニットの処理に最適です。EPYC プロセッサ ベースのソリューションを AMD AlveoTM SmartNIC と組み合わせることで、集約型ユニットで最適な性能を得ることができます。
パケット コア
パケット コア ソリューション
AMD EPYC 9004 および 8004 シリーズのプロセッサを利用すると、5G パケット コア用のトップクラスの性能が得られ、Alveo SmartNIC と組み合わせることでさらに性能を改善できます。
メトロ & トランスポート
メトロ ネットワーク/トランスポート ネットワークのソリューション
トランスポート ネットワークでは柔軟な SerDes と非常に高いスループットを支える性能を備えた堅牢な半導体が必要です。また、ノードの 1 つの欠陥が莫大なデータの損失につながる可能性があるため、この半導体には、非常に高い信頼性も求められます。この半導体は多くの異種データを集約する必要がありますが、それには後で集約を解除するのが容易な方法を選ばなければなりません。AMD VirtexTM UltraScale+TM、VersalTM プライム、Versal プレミアム アダプティブ SoC のメトロ ネットワークとトランスポート ネットワークにおける効果についてご確認ください。
データセンター
AMD EPYC プロセッサ
AMD EPYC プロセッサ ベースのソリューションでは、業界をリードするパフォーマンスと I/O 性能、AMD Infinity Guard1 によるハードウェア ベースのセキュリティが得られ、x86 互換性によって既存インフラストラクチャとのシームレスな統合が可能です。
通信業者にはエネルギーの消費と温室効果ガスの排出量を低減することがますます強く求められていますが、EPYC プロセッサ搭載のプラットフォームなら、競合ソリューションよりも少ない物理サーバー数でアプリケーション パフォーマンス要件を満たすことができ、データセンターの設置面積、ハードウェア支出、電力コスト、冷却コスト、ネットワーク コスト、TCO を削減できます。
ネットワーク セキュリティ
アダプティブ SoC と FPGA のセキュリティ
最近の情勢から、セキュリティに関しては二重指数関数的に課題が拡大しています。まず、セキュリティが必要な通信の速度と配信数自体が非常に増大しています。それに加えて、新しい脅威に対応するために、さらに新しい規格や格段に複雑さを増したアルゴリズムがどんどん登場しています。
セキュリティ機能は AMD のプログラマブル ロジック上に直接実装できて、標準規格の進化や新しい脅威の登場に対応して修正を繰り返すのも容易です。AMD のセキュリティ ソリューションは、100 M 〜 400 G のライン レート、暗号プロトコル、多様なパケット処理やルックアップの要件、さらには機械学習アルゴリズムを活用した予測的なマルウェア検出にも対応します。システムは現時点で防御されるだけでなく、将来にわたっても対応可能です。
サーバー プロセッサのセキュリティ
AMD EPYC サーバー プロセッサには、データを保護する高度なセキュリティ機能の一式、AMD Infinity Guard1 が搭載されています。
この中には、VM のプライバシーと整合性を保護する Secure Encrypted Virtualization (SEV)、パワフルなメモリ整合性保護機能を提供する Secure Nested Paging (SEV-SNP)、メイン メモリへの攻撃を防御する Secure Memory Encryption (SME)、マルウェア攻撃に対してハードウェア ベースのスタック保護機能を提供する AMD Shadow StackTM が含まれます。
ケース スタディ
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脚注
- GD-183: AMD Infinity Guard の機能は、EPYCTM プロセッサの世代によって異なります。Infinity Guard のセキュリティ機能は、サーバー OEM および/またはクラウド サービス プロバイダーにより有効化されている必要があります。これらの機能のサポートについては、OEM またはプロバイダーに確認してください。Infinity Guard の詳細については、https://www.amd.com/en/technologies/infinity-guard をご覧ください。
- GD-183: AMD Infinity Guard の機能は、EPYCTM プロセッサの世代によって異なります。Infinity Guard のセキュリティ機能は、サーバー OEM および/またはクラウド サービス プロバイダーにより有効化されている必要があります。これらの機能のサポートについては、OEM またはプロバイダーに確認してください。Infinity Guard の詳細については、https://www.amd.com/en/technologies/infinity-guard をご覧ください。