’20〜’21年にかけて一般視聴者はもとより、人気スターたちの心もがっちり掴み、韓国社会を大いに揺るがせた噂の大ヒット作『ペントハウス』のDVDレンタルが開始された。
セレブだけが住む豪華100階建てのタワーマンション「ヘラパレス」で起きた一人の少女の転落死。この事件に端を発して、少しずつ明らかになっていく住人たちの欲望と深い闇。"21世紀最高のマクチャンドラマ"と絶賛された本作の第一の注目点は、多数の人物が入り乱れる複雑な人間模様にある。
物語の最重要人物は4人。「ヘラパレス」を手掛け、自らその最上階に住む実業家チュ・ダンテと、財閥出身の妻シム・スリョン、有名声楽家で現在はチョンア芸術高校の校長を務めるチョン・ソジン、そしてシングルマザーの不動産仲介業者オ・ユニ。彼ら4人に、それぞれの家族や部下、教師たちが加わって、壮絶なドラマが繰り広げられていく。
「ヘラパレス」に住むのは財力も地位もある富裕層。ペントハウスの主人であるダンテとスリョンは再婚同士。双子のソクフン&ソッキョン兄妹はダンテの前妻の子。兄は優秀で妹思い。妹は父譲りの冷酷な性格で、心を許しているのは兄だけ。スリョンにも前夫との娘がいる。この娘ヘインは生まれた時から植物状態で16年間入院中だが、スリョンの父から譲られた土地を所有している。
父がチョンア財団の理事長であるソジンは、外科医の夫ユンチョルと娘ウンビョルと85階に暮らす。ユンチョルはソジンの実家が経営するチョンア病院の次期院長候補の身ながら、ダンテに協力して賄賂を得て蓄財に励んでいる。ウンビョルは母のような声楽家を目指しているが、プレッシャーに弱くチョンア芸術高校の入試でもミスしてしまい、母の計らいで不正入学。
55階の住人は、弁護士ギュジンと元アナウンサーのサンア夫婦、息子ミニョクの3人。家には有名料理家の母と姉2人が我が家のごとく出入りし、サンアを悩ませる。45階に住むのは成金夫人のマリと娘ジェニ。夫は仕事でドバイにいるという触れ込みだが、夫婦の背景はやや怪しい。居住階がそのまま力関係を表しているのが面白い。