70歳の今も恋人とセックスを楽しんでいる
「産婦人科にはできるだけ行きたくない」
「アソコに触るのはお風呂で洗うときだけ」
「もう恋愛もセックスも一生しなくていい」
60歳のころ、私はそう考えていた。ところが70歳になったいま、私は恋人とセックスを楽しみ、本やYouTubeで多くの人に恋愛や腟ケアを勧めている。まるで別人である。
今日は、なぜそんなことになったのかを、お話ししよう。
「セックスレス」が引き起こした体の異変
夫とセックスレスになったのは、35歳のころだった。そのまま共に暮らし、50歳を過ぎてから離婚したので、私は60歳になるまで、25年近くセックスをしていなかった。最初のころは寂しさもあったが、やがて、セックスがしたいとも恋人が欲しいとも思わなくなった。何年ものあいだ、「私には女性器なんてありません」という顔をして生きてきたのだ。
つまり、腟をほったらかしにしたのである。けれども、そのせいで、私は多くの病を抱えることになった。
月経痛は若いころからあった。だが、それが原因で日常生活に支障をきたすようになったのは40代半ばになったころ。女性ホルモンが急激に減少する更年期であった。その後、歳を重ねるごとに月経痛は苛烈になり、やがて排泄器官にも、無視できない問題が起きてきた。
月経痛や排泄の問題は、ある日、突然、起きたわけではない。徐々に、静かに進行していったのだ。そのため、それらの問題は私にとって異常事態ではなく、「いつものこと」になっていた。痛くても苦しくても病気とは思わず、「これは体質だから、耐えるしかない。受け入れるしかない」と思っていたのだ。そのせいで私は、閉経するまでの10年近くを、ただひたすら痛みや苦しみに耐えて暮らすことになった。
本当に愚かだった。けれどもこれは、私だけに起こったことではないだろう。