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「首相」を決める選挙なのにオリンピックのような浮かれぶり...閣僚経験者が嘆く「派閥を失った自民党のお粗末さ」 支持率回復のためのショーに過ぎない
写真提供=共同通信社
2024年09月23日 10:00

「首相」を決める選挙なのにオリンピックのような浮かれぶり...閣僚経験者が嘆く「派閥を失った自民党のお粗末さ」 支持率回復のためのショーに過ぎない

自民党総裁選が12日に告示され、9人が立候補したが、有望な候補者はいるのだろうか。自民党OBの舛添要一さんは「裏金問題と派閥解消の影響で候補者が乱立しているが、いずれの候補も一長一短でパッとしない」という――。

いずれの候補もパッとしない

自民党総裁選は9月12日告示、27日投票で行われるが、候補者が出そろった。立候補表明順に、小林鷹之前経済安全保障担当相、石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相、林芳正官房長官、茂木敏充幹事長、小泉進次郎元環境相、高市早苗経済安保担当相、加藤勝信元官房長官、上川陽子外務大臣の9人である。

いずれの候補も「帯に短したすきに長し」といった感じである。それに立候補者が多いからよいというわけでもない。

派閥は政権安定に寄与していた

私は、派閥解散には反対である。派閥には問題もあるが、多くの利点もあり、新人議員の教育訓練、政策の勉強など、重要な機能を果たしている。

また複数の派閥が競合することで、党の活力が増す。大平正芳元首相はこれを「切磋琢磨」と呼んだ。

特に中選挙区制では「切磋琢磨」の果たす意味は大きかった。1選挙区から3〜5人(例外的に2人、6人もある)が当選するので、同じ自民党から複数の候補が立候補する。政策も似かよっているので、野党候補との戦いより、同じ自民党の他派閥候補との戦いのほうが熾烈しれつになる。

派閥の最重要機能は総裁・総理を生み出すことだ。派閥の領袖が総裁選に出れば、親分を首相にするために、子分が一丸となって勝利を目指す。この仕組みが政権の安定に欠かせなかった。

握手
写真=iStock.com/LeoPatrizi
派閥は政権安定に寄与していた((注記)写真はイメージです)
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