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あいまいな表現は相手を戸惑わせるだけ「優先順位をやや上げてください」と言ってはいけない...仕事ができない人ほど多用する10の「副詞」

「だいたい」「若干」など程度を表す副詞は、ビジネスメールでよく使う便利な表現だ。しかし、国立国語研究所教授の石黒圭さんは「程度副詞を安易に使うと、どうしても聞く人によって解釈にズレが生じやすい。それによって、事実の正確さが損なわれたり、指示が的確に伝わらなかったりする」という――。

(注記)本稿は、石黒圭『コミュ力は「副詞」で決まる』(光文社新書)の一部を再編集したものです

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写真=iStock.com/EKIN KIZILKAYA
(注記)写真はイメージです

程度副詞は話し言葉と書き言葉でまったく違う

程度副詞の典型といえば「とても」であり、英語で「very」が出てきたら「とても」と訳す約束になっています。しかし、「とても」ばかりが使われているわけではありません。日本人が毎日交わしている日常会話を記録した『日本語日常会話コーパス』によれば、「とても」よりもはるかに多く出現する程度副詞がいくつもあります。「とても」よりもメジャーな程度副詞、いったいどんなものがあるのでしょうか。

程度副詞でもっとも多いのは「けっこう」です。話し手の感覚よりもずっと多いことを表す副詞で、「思った以上に」というニュアンスを含みます。口癖になっている人も少なくないでしょう。「けっこう」は日常会話の副詞ランキングの9位に入ります。

次に多いのが「めっちゃ」です。『日本語日常会話コーパス』では「めちゃ」と表記されており、副詞ランキングは21位です。関西弁由来と見られ、20年以上も続いた長寿番組「めちゃイケ」などの影響で全国区となりました。その次は「だいぶ」で、副詞ランキングは42位、さらに、副詞ランキング50位の「かなり」、同59位の「ずいぶん」、同64位の「めちゃくちゃ」が続きます。意外なことに、そのあとにようやく「とても」が出てきます。日常会話の副詞ランキングは68位です。

学術論文では副詞を使わないように指導されるほど

このように、話し言葉ではさまざまな程度副詞がたくさん使われているのですが、書き言葉では控えめな使用が勧められます。とくに、学術論文では副詞はできるだけ使わないように指導されます。

2023年度の調査によれば、16〜19歳の若者で、1日30分以上テレビを見る人の割合はかなり少ない。

「かなり少ない」と言われても、人によって抱く数値は異なります。かつては9割を超える若者が見ていたという印象を持つ人は、50%でも「かなり少ない」と感じるでしょうし、最近はYouTubeやTikTokの影響で減少傾向にあると感じている人は、20%程度で初めて「かなり少ない」と感じるかもしれません。

学術論文ではきちんと調べて具体的な数値を正確に書く必要があり、程度副詞をはじめとする副詞の使用による主観の混入を避けるように厳しく指導されます。

掲載: PRESIDENT WOMAN Online

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