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理想の男性像は"本物の草食男子"仕事が嫌いなのに大黒柱を求められる...「男のつらさ」を訴えにくい社会で男女平等は無理だ

「草食男子」は、ほめ言葉だった

僕は、新しい男性像を考えるにあたっては、人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に登場する、星野源さん演じる津崎平匡が参考になると思います。彼には、女性ときちんと話し合い、自分の悪いところは直そうとする姿勢があります。思いやりや自制心もあり、古いジェンダー観にも縛られてはいません。

こうした男性像は、15年ほど前にコラムニストの深澤真紀さんが『平成男子図鑑』で紹介した「草食男子」の本来の姿ではないかと思います。深澤さんによれば、草食男子とは「もてないわけではないのに、恋愛にもセックスにもがっつかないで淡々と女性と向き合う男子」です。今ではおとなしくて性欲の薄い男子を指す言葉として使われがちですが、本来は昭和のマッチョな男性像から脱却した、新しい価値観を持った男性たちへのほめ言葉でした。

男らしさの呪縛から降りようとする男性たち

10年ほど前には、哲学者の森岡正博さんも草食男子について考察していました。草食男子は、女性を制圧し保護するような「男らしさ」の呪縛から降りようとしている男性たちであると。そして、女性に言われたからではなく自らそうしているという点で、フェミニズムが望んでいた新たな男性像に近いのではと述べています。

新しい男性像には、この本来の意味での「草食男子」がふさわしいのではないでしょうか。そう考えると、またひとつ別の課題が見えてきます。本当は草食男子でいたいのに、社会的圧力によってそうは生きられず、つらさを抱えている男性も多いということです。

掲載: PRESIDENT WOMAN Online

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