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亀屋旅館 久田 浩之 さん

No.19

インタビュー:2021年03月 相馬市

[画像:松川浦の魅力体験で地域を元気に]

プロフィール

久田 浩之(ひさだ ひろゆき)さん
潮路の宿 亀屋旅館 ご主人

松川浦漁港近くの亀屋旅館4代目。震災の津波で浸水被害を受けたが、早期に再開。震災後、環境省復興エコツーリズム推進モデル事業で開発した松川浦や海辺の体験プログラムをベースに、旅館業を営みながらガイドとしてエコツアーを実施している。

こんなお話を伺いました!

松川浦が目の前にある亀屋旅館を営んでいます。震災後しばらくは復興特需の関係でこのあたりの宿泊施設は満室でした。今は新型コロナ関係でとても大変な状況ですが、収束したら、一般の人に来てもらえるように、どんな魅力を提供できるかがとても重要と考えています。

[画像:案内看板の写真]
松川浦の案内看板

[画像:久田さんの写真]
松川浦の魅力とこれからの観光について
熱く語る久田さん

震災があってから、子供だけでなく大人も海から隔絶されて,海辺という自然に接した経験がなくなってきています。海辺の良さを知ってもらうことがこの地域にまた人を呼び込む上でとても大切と感じています。今更ながらですが、松川浦は生物多様性の宝庫で、加えて、地形や歴史文化など様々な魅力に気づかされることが多く、この魅力を体験できるようプログラム化して宿泊者に提供しているところです。

これまで7つのプログラムを作りました。①カニ釣り、②ナイトフィッシュキャッチ、③干潟探検、④竹竿づくりと笹浸し漁、⑤Moon Road Cafe、⑥浜焼き体験、⑦松川浦歴史探訪 です。

最初に企画した①カニ釣りは、磯に住んでいるケフサイソガニやイシガニなどが対象です。きっかけは自分の子どもの頃の体験と、子どもを松川浦に連れて行っても何をしたらいいのか分からないという保護者の声を聞いてのことです。子ども向けプログラムですが、親が夢中になって時間が終了しても誰もやめません(笑)。

②夜に近くの岸壁によってくるエビやカニ、小魚を網ですくいます。揚げたエビは絶品ですよ。

[画像:カニ釣りの写真]
①カニ釣り

[画像:ナイトフィッシュキャッチの写真]
②ナイトフィッシュキャッチ

③干潟に住んでいるゴカイ、ニホンスナモグリ、マテガイなど(底生生物:ベントス と呼ばれる)を掘り出して観察します。いろんな生き物が住んでいて驚きの連続です。

④竹を自分で切って釣り竿を作り、ハゼを釣ります。1時間で30匹以上釣れるときもあります。釣った魚は旅館で天ぷらにして食べるのですが参加者のおいしい!という笑顔が最高ですね。竹竿づくりで余った笹の葉は束ねて潮が満ちているときにしばらく沈めておきます。これを引き揚げるだけなのですが、笹に隠れた小魚、エビを始め、タツノオトシゴやオオウミウマなどが隠れます。ここで生まれ育った自分でもこうした生き物がいるとは知らず、目からうろこ、ですね。

[画像:竹竿づくりの写真]
③竹竿づくり

[画像:竿浸し漁の写真]
④竿浸し漁

⑤大洲海岸で水平線上に出る月を、コーヒーを飲みながら愛でるものです。これだけなのですが、潮風に吹かれて波の音を聞きながら、月から海岸までの藍色からオレンジ色などへ刻々と変わる一本の月光道の色彩はすごいですよ。ボランティアで来ている大学生などのアイディアで企画したもので、自分たちには気がつかなかった地域資源でした。

⑥震災前、観光道路沿いには浜焼きの風景があったのですが、焼いている魚介類と人との賑わいや、つけだれの香ばしい匂いなど、今はなくなってしまい、とても残念な思いから再現を試みているものです。魚の串の差し方、炭の起こし方、火力の調整など、シンプルな作業ですが実際にやってみると難しくとても奥が深いです。

⑦は、過去の松川浦の自然や塩づくりの文化などについて、昔の古地図を見たり、潮風に吹かれて現地を歩きながら説明します。自然、歴史、文化を継承していきたい想いからです。

[画像:Moon Road Cafeの写真]
⑤Moon Road Cafe

[画像:浜焼き体験の写真]
⑥浜焼き体験

最近では、海水浴場が再開、それまであまり交流がなかった浜地域と町地域の協力で夏祭りを開いたり、行政がサッカー場やパークゴルフ場を整備して、人を呼ぶにはよい条件が整備されてきています。

170種以上もの魚種を誇る「常磐もの」のおいしい魚や松川浦の自然資源を活かしながら、多くの人に来てもらい、地域全体で盛り上がっていければと強く思います。

インタビュー時の映像

  • テーマ① 震災からこれまで
  • テーマ② 海辺の自然環境を活かした体験プログラム
  • テーマ③ 試験操業から本操業になってこれから

〜 2017年11月3日ふくしま"みち"さがし体験プログラム訪問時 〜

松川浦は、太平洋と砂洲によって隔たれた大きな潟湖(湾)です。県立自然公園に指定され風光明媚な名所でしたが、東日本大震災の津波により甚大な被害を受けました。

現在の松川浦は、津波被害が嘘だったような平和な光景ですが、本格的な漁業は再開されていません。「試験操業」が続いています。一方で、モニタリング検査の結果で安全が確認され、試験操業の対象種が増えています。

私たち地元の若手たちは、震災前の松川浦に戻すためだけの復興(復旧)ではなく、地域の観光を前よりも盛んにしたいと思って、みんなでアイディアを出しあって、実現に向けた議論をしています。

参加者の感想

衝撃的な津波の映像を見せていただき、漁業の現状をお聞きました。震災前の松川浦では、築地市場の魚の値を決めたほど大量に魚がとれていたそうです。海苔の産地としても有名で、うれしいことに今年海苔の生産が再開したそうです。


あの日、ここに津波が押し寄せたんですね。数々の困難を乗り越え、少しづつ前に向かっていること。漁業や観光業など、マイナスからのスタートですが、希望を失わない方々がいる。風化しないためにも、県内の方にもぜひ訪れて欲しい場所です。


震災後の厳しい経営環境の中、たくましく困難に挑戦する姿に拍手を送り、目標実現されることを心より祈っています。

潮路の宿 亀屋旅館 情報

松川浦の老舗旅館。相馬で水揚げされた新鮮な魚介類を使った美味しい料理と温かく親切なスタッフが迎えてくれる、心のこもったおもてなしの宿。

相馬市松川浦観光振興グループに参加しており、これまで、店毎に異なる復興丼を提供するなど、松川浦や海辺の環境資源を活かして地域が盛りあがるよう、さまざまな取り組みを実施している。

また、宿泊者には松川浦や海辺の自然を体験できるプログラムを提供している。

住所:〒976-0022 福島県相馬市尾浜字船越129
電話:0244-38-8153
URL:http://kameyamahalo.com/

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