環境省 Ministry of the Environment
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No.16
インタビュー:2020年10月 南相馬市
[画像:みんなが頑張ってきたことを認めてもらうことが嬉しいです]
高橋 荘平(たかはし そうへい)さん
一般社団法人 南相馬除染研究所 代表理事
一般社団法人 えこえね南相馬研究機構 代表理事
産婦人科医であった父 高橋亨平医師の遺志を継ぎ「南相馬除染研究所」の活動を続ける。2012年9月からは、「えこえね南相馬研究機構」を立上げ、再生可能エネルギーの普及・実践と地域づくりに取組んでいる。
南相馬市内の17か所で始まった放射線量測定も10年を迎えます。震災直後は、放射線について分からないことだらけで住民の方々も不安でいっぱいでした。しかし測る事とその数値にどんな意味があるのかを学んでいく過程で知見が蓄積され、不安が減少していきました。今でも測定を続けていることを知った住民の方がまだそんなことをしているの、といった感想があったり、今は地域の人たちがとても冷静に対応している状況です。
半農半電のソーラーシェアリングは県外も含め継続して視察があります。メガソーラのような大企業が設置したものではなく、農業とエネルギーの両立の仕組みを知ってもらい、地域循環型として、地産地消エネルギーと地域内で経済をまわす大切さについて理解してもらいたいと思っています。
[画像:インタビュー中の高橋荘平さんの写真]
これまでとこれからについて
エネルギッシュに語る高橋荘平さん
[画像:放射線量の測定結果を表示したマップの写真]
これまで取り組んできている
放射線量の測定結果をマップ表示
南相馬で農地再生を目指した「菜の花プロジェクト」の菜種油「油菜ちゃん」は震災後、農家さんたちの熱い想いで開発されたものです。さらなる商品開発のため、これからどのように付加価値を加えていくかといったところを関係者と考え中です。
[画像:菜種油の「油菜ちゃん」の写真]
農業再生を目指して関係者と商品開発した
菜種油の「油菜ちゃん」
[画像:メタンガスによる発電の写真]
検討中のメタンガスによる発電
これからについて、あまり遠い将来については分かりませんが、この10年で人との関わりと継続してやることがポイントということがわかりました。どんな分野でも継続してやっている人の説得力はすごいものがあります。今、地域循環型エネルギーとして、生ゴミなどを使ったバイオマス発電の可能性を検討しています。ここに来た人が取組みを見て、元気になるようなところとして今後もやっていきたいです。
えこえね南相馬研究機構としてソーラーシェアリングで、地元で活動している人たちと一緒に農業再生を目指してきました。
地産地消に繋がるように風力、水力、バイオマス、バイオガス、様々な再生エネルギーを学び、実践していく事を目標に活動しています。
不安を解消し、安心できる環境を整え、もう一度農業にチャレンジでき、地域がしっかり再生して、将来の希望に繋がっていくことが大切だと考えています。
震災から復興した町、県として、住んでいる人みんなの自信に繋がっていけたら最高だなと思っています。
半農半電という考え方が画期的だと思いました。「全てのエネルギーが自然でまかなえれば」という大きな夢をお聞きして、自分も大きな夢を叶えたいと思いました。
農業をすることも規制された土地で、次世代のために何ができるのかを考え、実践している姿に、南相馬の希望を見ました。
農作を続けながら、長期の視点からソーラーエネルギーを利用する姿勢に感銘を受けました。短期の利益を追求するのではなく、自分の生まれ育った風土に一生をかける決意がなければできないことだと思います。
南相馬除染研究所を設立したのは私の父です。父は40年間産婦人科医師として1万人近くの子どもたちを取り上げ、両親を含め3万人ぐらいの市民と関わりがありました。
震災後、何とかこの町を守りたいという思いで、放射線不安解消のため子どもたちの散歩コースなどの放射線量を測定しました。
えこえね南相馬研究機構としてソーラーシェアリングで、地元で活動している人たちと一緒に農業再生を目指してきました。
現状の不安を解消し、安心できる環境を整え、もう一度農業にチャレンジでき、地域がしっかり再生して、将来の希望に繋がっていくことが大切と思っています。
事故後、民間として取組んだ除染が、行政にも活かされたことは素晴らしいこと。以前の状態に戻すことに拘らず、地域に新しい価値を見いだしていくことが重要という考えは、私もその通りだと思いました。
日本の山村にソーラーパネルが広がることを快く思っていませんでしたが、今回、ソーラーヴィレッジの取組みを見て、使い方や活用方法によっては可能性もあるように思いました。
除染モデルがない中、自分たちで考え活動された。行政データだけでなく自分たちで線量推移を調べる、自分の住む町だからこそ、自分たちで!という思いを感じた。
東京電力福島第一原子力発電所事故により広範囲が放射性物質に汚染されたことに対し、これまで除染や放射線についての調査を続け、継続的なデータの蓄積と情報の公開に取り組んでいます。
省エネや新エネルギーを市民自ら学び、これらをどうまちづくりや復興に活かしていくかを考えながら、再生可能エネルギーの普及に向けた学習・啓蒙、及び実践事業を行っています。
住所:〒975-0006 福島県南相馬市原町区橋本町1-3-2 西棟1F
電話・FAX:0244-26-9494