令和4年度地熱資源開発研修開催報告
1.開催日
令和4年11月28日(月)〜12月16日(金)
2.場所
令和4年11月28日(月)〜12月9日(金) (第1週、第2週)
秋田県鹿角郡小坂町 国際資源大学校
令和4年12月12日(月)〜12月14日(水) (第3週)
TKP赤坂二丁目カンファレンスセンター カンファレンスルーム7C
令和4年12月15日(木)〜12月16日(金)
フィールドトリップ(鹿児島方面)
見学1 山川地熱発電所(九州電力)
見学2 山川バイナリー発電所(九州電力)
見学3 桜島有村溶岩展望所
見学4 黒神南採石場(奥山産業(株))
見学5 垂水市新城麓海岸 巡検
3.研修受講者数
21名 (Web受講含む)
4.研修概要
2011年の東日本大震災を経験した我が国においては、再生可能エネルギーに対する関心が高まり、地熱資源の開発推進に向けた動きが活発化してきています。一方、地熱分野を扱う大学や地熱開発を体系的に学ぶことができる研修等の機会は多くはなく、地熱開発事業社等からは、今後の地熱開発を担う若手技術者等を養成するための研修等の実施を要望する声が高まっているところです。
そこで、JOGMECでは、地熱開発に必要な実践的な知識の取得、熟練技術者からの技術の継承、若手技術者のネットワーク形成等を目的とする「令和4年度地熱資源開発研修」を開催しました。なお、本研修は、平成28年度以降毎年度実施しています(令和2年度は新型コロナウィルスの影響を受け、WEBのみの開催)。
5.研修詳細
大学、地熱開発事業社等から招いた30名の講師によって、対面にて実施し、更に、九州鹿児島の地熱発電所の見学及び露頭の観察(フィールドトリップ)も行いました。
【講義の分野】
地質、地化学、物理探査、検層、掘削、貯留層工学、温泉科学、環境影響、地上設備、発電設備、経済性評価等の地熱開発に関する分野
【研修受講者によるグループワーク】
本研修においては、研修受講者間で、自由に課題を抽出し、その解決策等を議論し、提案等を発表・質疑応答をするグループワークを行いました。具体的には、3つのグループを作り、「歴史で考える日本地熱開発の現在地」、「根気強く地熱大国日本を目指す-データを集めて、熟考せよ-」及び「令和4年度政策要望書(日本地熱協会)を踏まえた我々の提言」を課題として、グループ内で議論を進め、12月14日、講師、JOGMEC担当者等をコメンテーターとして、発表会を行いました。
6.受講者の感想
- 地熱発電に関わり始めたばかりで、全てを理解できたわけではないが、地熱発電開発・運営・管理業務を網羅的に学べたこと、業界関係者や他社の担当者の皆様との関係を構築できたことも非常によかった。
- 地熱資源を体系的に教わることなく、がむしゃらに業務をこなしていたので大変ためになりました。また普段は地下のことばかり考えていたので、上物の蒸気生産設備などについて知ることができたのも良かったです。参加者に加えて講師も含めて、業界の人間の雰囲気を知れたこと、出会えて仲良くなれたことも非常に良かったです。
- 地熱資源開発の全体の流れを知り、各工程を深く学ぶことができたことはとても良かった。また、学会や他の研修では中々取り上げられることが少ない経済性や地元理解についての話も聴くことができ、貴重な時間だった。
など多くの受講生から好評価を頂いた。
(参考)
9割越えの研修生が、本研修は「非常に役立った」との感想。また、研修の実施時期や開催場所については、適当であるとする者のほか、冬季以外の開催や、交通の便の良いところを希望するとの声もありました。
JOGMECは、我が国の地熱資源開発を推進するため、引き続き、本研修業務の充実等に努めてまいります。