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第十四巻

たばこ盆

当館には、ちょっと小粋な「たばこ盆」が展示されています。

たばこは南蛮貿易によって十六世紀後半、日本に伝えられました。
当初は、高価な珍しい外来品でしたが、江戸時代には庶民にまでたばこ文化が広まりを見せるようになりました。
当時のたばこは「煙管(きせる)」に葉たばこを細く刻んだ「細刻み葉たばこ」を詰めて吸う形態で、現在の「紙巻きたばこ」とは様子が違います。

たばこ盆は「火入れ」(種火を入れる容器)と「灰おとし」(たばこの灰を捨てる容器)をコンパクトに盆(又は箱)にまとめたもので、現代でいうライターと灰皿がセットになったものです。
たばこの普及に伴い、喫煙者の好みにあった様々な意匠のたばこ盆が作られるようになりました。

当館の展示資料は大名家に伝わる品物にふさわしく、全体は黒塗りで、伊達家家紋「三引両」「竹に雀」「蟹牡丹」を金蒔絵でバランスよくあしらい「火入れ」の透かし模様と「灰おとし」の上部、さらに引き出しの金具には「三引両」紋をさりげなく配しています。
(金具の部分は写真では見えにくいので是非、博物館で実際にご覧ください。)
上品で遊び心の感じられる逸品です。
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