日本の国土面積の約2割を占めるダムの水源地域は、これまで流域の水源として治水、利水、環境面を支えてきました。
「水源地域ビジョン」はダム水源地域の自治体、住民等がダム事業者・管理者と共同で策定主体となり、各々が役割分担の下で、水源地域の保全と活性化のために協力していくための行動計画です。
ダムの貯水池に限らず地域全体に視野を広げ、水源地域、中・下流受益地の連携の下、流域圏が有する公益的機能を確保し、バランスのとれた流域圏の発展・活性化を目的とした「水源地域ビジョン」を平成17年9 月に策定しました。
| 委員氏名 | 所属等 |
|---|---|
| 菊池 俊一 | 山形大学農学部准教授 |
| 小関 祐二 | アルゴディア研究会 代表 |
| 伴 和香子 | NPO法人 森と水 理事長 |
| 阿部 等 | 公益のふるさと創り鶴岡 常務理事 |
| 菅原 和則 | NPO法人 こみっとAFC 理事長 |
| 東北森林管理局 朝日庄内森林生態系保全センター 所長 | |
| 鶴岡市地域振興課 課長 | |
| 鶴岡市朝日庁舎 支所長 | |
| 東北電力株式会社 庄内発電技術センター 所長 | |
| 月山ダム管理所長 | |
自然環境や農地に親しみ守り活かす
方針1:赤川や南庄内の水環境の保全・向上
梵字川は山形県が行った水質調査で「きれいな川」の第1位にランクされたこともあり、ミネラルウォーターも販売される等、下流の赤川も含めて非常に良好な水質を保っています。月山ダム湖は流域の「水がめ」として、良好な環境を保全していくことが望まれます。
方針2:赤川の水源林や農地の保全・向上
朝日地区の豊かな自然は、全国有数の米どころである庄内平野の美田をはじめとする農地を涵養する源です。 また、月山ダム上流域一帯は「磐梯朝日国立公園」に指定されており、広大な原生林には大型哺乳類や猛禽類等貴重な種も見られるなど、非常に良好な環境が残されており、地域の資源としての自然環境を再認識することが期待されます。
自然環境や農地に親しみ守り活かす
方針3:赤川流域の歴史・文化の継承
流域には中世以来、山岳信仰の霊山となっている出羽三山をはじめ、六十里街道、国重要無形民俗文化財に指定される黒川能等が知られています。貴重な伝統文化が数多く残っており、その魅力を内外、そして未来へと伝えて行くことが必要です。
方針4:庄内あさひの産業と新たな魅力の融合
豊かな自然環境を活かしたレジャーやアウトドアスポーツ等が、人気を獲得していることから、豊かな自然を活かしたアウトドアスポーツ、歴史文化を辿る体験、特産品を活かした観光農園・体験農業等の総合産業化、イベントの充実等を図り、従来の観光業との多彩なつながりをつくることで、地場産業の活性化が期待できます。
方針5:あさひ月山湖(ダム湖)や周辺施設の活用
ダム周辺には、インフォメーションホール、多目的広場、展望台、さくら公園等が整備されています。これらの施設の魅力向上を検討しダムの役割を含め、情報発信拠点、体験・学習の拠点として活用されることが望まれます。
様々な活動に協力し支える
方針6:庄内あさひを起点とした多様な交流機会や場の創出
水源地域の意義や役割を流域全体として共有化し、地域内や中下流、さらには他地域との様々な交流や連携によって、交流人口の増加とともに連携・恊働による取組の活発化を図ることにより、広域の人々が水源地域を様々な面で支えていくことが重要です。
方針7:交流連携・推進・人材確保の仕組みづくり
交流の活発化には、地域の活動を積極的に支援していくことが重要となります。 それには、広域な流域・連携を推進・発展させていくための交流活動を仕掛け、先導し、運営を行っていくための核となる担い手や、活動や人材を有機的に調整することができる交流活動のコーディネーターの育成が必要であり、このような人材の育成は、将来最も重要となります。
先施策とは、取組・施策の実施・展開において、「住民や関係者の意欲や関心が高いもの」、並びに「当該地域ですぐに対応が可能と思われるもの(取組・施策に関連した取組実績がある団体・機関の存在等)」、「これらの取組を実行する上で必要と思われるもの」とし、取組・施策の実施や達成時期の目標ごとに、
1 概ね3年以内のものを優先施策
2 5年以内のものを中期施策
3 10年以内のものを長期施策 と設定いたしました。また、(1)の優先施策のなかでも特に優先的に実施すべきものを 「重点取組・施策」としました。
施策1:水に親しみ自然を学べる親水空間の整備
多様な水辺環境の保全・再生とともに、やすらぎや憩いの水辺や、地域の子どもたちが身近に水にふれ合い、水辺の環境や水の大切さ等、自然を学べる親水空間の整備も併せて実施し、水環境保全に対する意識の向上を図ります。
施策2:ダム湖を含めた水辺の学習環境の創出・整備
あさひ月山湖や赤川、梵字川、大鳥川など水源地域の河川で、水にふれる環境学習のプログラムを開発するとともに、現在実践されているプログラムをさらに推進します。水とふれあうことを通して水環境保全に対する意識の向上を図ります。
施策3:庄内あさひの歴史・文化を活かしたイベントの開催
内外に水源地域や赤川流域の歴史・文化を伝えるため、六十里越街道などの歴史古道や建造物、田植踊りや郷土料理など有形・無形の歴史・文化的資源を活用したイベントを活性化します。現在、行われているイベントとの積極的な連携・活用も考えられます。
施策4:庄内あさひツーリズムプログラムの開発、整備
内外に水源地域や赤川流域の歴史・文化を伝えるため、六十里越街道などの歴史古道や建造物、田植踊りや郷土料理など有形・無形の歴史・文化的資源を活用したイベントを活性化します。現在、行われているイベントとの積極的な連携・活用も考えられます。
施策5:水質を悪化させない湖面活用の検討
水道資源としてのダムの水質や保全を前提に、あさひ月山湖の活用方法等を検討したうえで、活用内容や体制の整備を図ります。活用内容は安全対策にも十分配慮したものとし、必要に応じて水に接するポイント等の整備を推進します。
施策6:水源地域の活動団体の設立
水源地域の活性化を実践していく担い手づくりを行います。担い手は水源地域や流域等で活動しているNPOや個人の中から希望を募って水源地域の活動団体を設立し、今後策定されるビジョン等を活かして主体的に活動を実践していきます。また、安定した活動のため、他の地域の団体や機関等との活用の他、将来的には法人格を取得することも考えられます。
施策7:推進体制の整備
水源地域の活性化の効率的かつ接続的な実践のためには水源地域の活動団体やコーディネーター、水源地域や流域の住民・団体・行政・学校・大学・企業等多様な人たちが、その特性に応じて役割を分担し、活動に関わっていくことが重要です。そのため、ビジョン推進体制の整備を行います。
施策8:水源地域や流域資源の広報コンテンツ作成
月山ダムの必要性・有用性等の情報、水源地域や流域の多様な資源や取り組み等の情報等を常時発信できるよう、広報コンテンツを作成する。具体的な発信手段としては、パンフレットやホームページ等が考えられます。
| 開催日(実施済) | プロジェクト名 |
|---|---|
| 2025年10月28日 | 水源の森づくり2025(あさひ小学校) |
| 2025年10月25日 | 水源の森づくり2025 |
| 2024年10月26日 | 水源の森づくり2024 |
| 2024年10月3日 | 水源の森づくり2024(あさひ小学校) |
| 2023年10月19日 | 水源の森づくり2023(あさひ小学校) |
| 2023年10月7日 | 水源の森づくり2023 |
| 2022年10月16日 | 水源の森づくり2022 |
| 2022年10月14日 | 水源の森づくり2022(あさひ小学校) |
| 2021年10月30日 | 水源の森づくり2021 |
| 2021年10月12日 | 水源の森づくり2021(あさひ小学校) |
| 2020年10月17日 | 水源の森づくり2020 |
| 2020年10月6日 | 水源の森づくり2020(あさひ小学校) |
| 2019年11月18日 | 水源の森づくり2019 |
| 2019年10月4日 | 水源の森づくり2019(あさひ小学校) |
| 2018年10月21日 | 水源の森づくり2018 |
| 2018年10月5日 | 水源の森づくり2018(あさひ小学校) |
| 2017年10月15日 | 水源の森づくり2017 |
| 2017年10月2日 | 水源の森づくり2017(あさひ小学校) |
| 2016年10月30日 | 水源の森づくり2016 |
| 2016年10月3日 | 水源の森づくり2016(あさひ小学校) |