くらしが育んだ「里」を未来へ
人々のくらしに育まれてきた健やかで美しい「にほんの里」100選。
各地のニュースや活動、特色や所在地――里からの発信をお届けします。
三重県名張市を一望する山腹に棚田が広がり、住民総出で植えた彼岸花やアジサイが咲く。ササユリ保護やビオトープ作りも進む。
※(注記) 交通アクセスや店舗情報などは、お出かけ前にご確認ください。
※(注記) 車ナビは、里を訪れる際の目標ポイントを数値化したマップコードで、()内が施設名や地点です。地図では★で示しました。カーナビのマップコード検索で利用できます。
2017年08月03日
●くろまるササユリの鑑賞や撮影に訪れた人たち(深野ササユリ保存会提供)
斜面彩るササユリの花
三重県境に近い36 戸の小さな集落だ。助け合いを進めながら、都市との交流などに取り組もうと「深野○しろまる○しろまる(まるまる)会」が誕生したのは約30 年前にさかのぼる。活動の中で気付いたのは、6月に山の斜面を彩るササユリの存在だった。かつては珍しいものではなかったが、他の場所と同様に数を減らしつつあり、当たり前の景色の大切さを教えられた。
そこで約10 年前に「深野ササユリ保存会」を立ち上げ、保護に力を入れた。自然な姿を見てもらおうと自生地の整備を続け、ゆっくり花を楽しんでもらおうと苗を植えて育てた移植ゾーンも設けた。今では他府県からも人が訪れる。
四季を通した里山景観の美しさも自慢のたねだ。