くらしが育んだ「里」を未来へ
人々のくらしに育まれてきた健やかで美しい「にほんの里」100選。
各地のニュースや活動、特色や所在地――里からの発信をお届けします。
茶道などに使う一庫炭(菊炭)の産地。輪伐により林齢1〜10年のクヌギなどがモザイク状の里山景観をつくる。昆虫の宝庫。
※(注記) 交通アクセスや店舗情報などは、お出かけ前にご確認ください。
※(注記) 車ナビは、里を訪れる際の目標ポイントを数値化したマップコードで、()内が施設名や地点です。地図では★で示しました。カーナビのマップコード検索で利用できます。
2014年02月06日
台場クヌギが並ぶ 菊炭の里
落葉広葉樹のクヌギを原料とした、茶道用の「菊炭」の産地として知られる。炭焼き窯が現役で稼働しているため、山の斜面には生育段階のずれたクヌギ林がパッチワーク状に見られる。兵庫県立大学名誉教授の服部保さん(65)は「こうしたクヌギ林の輪伐(りんばつ)景観が残っている黒川は、天然記念物に値する」と言う。
もう一つの代表的樹種は桜の仲間のエドヒガンで、黒川には大木の群生地がいくつかある。エドヒガンの花が咲き、クヌギの新緑が映える春の森には、多くのハイカーが訪れる。
森とともに草原や低木林がある多彩な環境には、野生の草花が美しさを競い、多くの昆虫が誘われてくる。明治期の木造校舎が残る黒川公民館(旧黒川小学校)は子どもたちの自然体験など、地域活動の拠点として維持されている。