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川内川水系かわまちづくりについて
川内川においては、これまで薩摩川内市向田地区、伊佐市湯之尾地区、えびの市湯田地区でかわまちづくり支援制度に基づく河川環境整備事業を実施してきました。
川内川において、これまで個別の市町で実施していた河川環境整備事業を、水系一貫の考えの下に流域一体での「かわまちづくり計画」を策定・推進し、地域の活性化に資することを目的として設立された「川内川水系かわまちづくり推進協議会(構成機関:沿川5市町、鹿児島県、宮崎県及び国)」において策定した、九州で初めてとなる水系一貫のかわまちづくり計画である「川内川水系かわまちづくり」がかわまちづくり支援制度において新規登録されました。
- 平成29年3月7日かわまちづくり支援制度新規登録記者発表
かわまちづくり紹介
川内川流域は、上流域から、えびの市のクルソン峡、湧水町の阿波渓谷、伊佐市の東洋のナイアガラと呼ばれる曽木の滝、さつま町の轟の瀬、薩摩川内市の長崎堤防がある広大な河口など、背後のまちの自然・歴史・文化を反映した地域毎に特色あるすばらしい河川景観を有していると共に、鮎やホタルが生息するなど良好な河川環境のほか、温泉地などの魅力的な地域資源が数多く存在しています。
そこで、川内川流域では、これらの様々な地域資源・場の特徴を活かすため、豊かな恵みをもたらす川内川を核(軸)とし、“舟”を特色としたかわまちづくり、河川の利用を基本方針とし、地区毎に3つのコンセプトを掲げ、単独地域では成し得ない地域活性化を目指します。
特に、観光面での連携を強化して、かわまちづくりを中心とした、川内川ブランドを確立し、交流人口及び物産販路を拡大し、地域経済の活性化を図ります。
かわまちづくりとは?
各地には、水辺と共に長い歴史を刻んできた地域や川と調和した豊かな文化や観光資源ともなる優れた景観を保つ地域がみられます。こうした地域の景観、歴史、文化等を活かし、地方公共団体や地域住民との連携のもとで、河川空間とまち空間の融合が図られた良好な空間形成を 目指す取り組みが、「かわまちづくり」です。
国土交通省では、この「かわまちづくり」を、治水上及び河川利用上の安全・安心に係る河川管理施設の整備等を通じて支援する制度「かわまちづくり支援制度」を平成21年度より実施しています。
かわまちづくりの流れ
「かわまちづくり支援制度」の事業概要
ソフト対策
民間業者による河川敷のイベント広場やオープンカフェ等への利用制度(都市及び地域の再生等のために利用する施設に係る占用の特例)等を活用、河川管理者として「地域づくりのためのフォローアップ」を積極的に支援。
ハード対策
治水上及び河川利用上の安全・安心に係る河川管理施設の整備を通じ、まちづくりと一体となった水辺整備を積極的に支援
薩摩川内市内のかわまちづくり
川内川流域の最下流部である薩摩川内市内においては、向田地区、大小路地区でかわまちづくり整備事業が完成しました。
川内川花火大会(8月)
川内川河川敷を利用した花火大会が行われています。
川内レガッタ(8月)
地元企業、高校生など、さまざまなチームが参加し盛り上がるボート競技大会「川内レガッタ」の会場となっています。川内川河川事務所チームも参加させていただきました。
川内川河口マラソン・ウォーキング大会(3月)
川内川の堤防などをコースとする、マラソン大会、ウォーキング大会が開催されています。
リバーフロントマルシェ
「同じ川の飯を食べよう」を合言葉に川内川河川敷で開催されるマルシェです。
向田地区
薩摩川内市向田地区は、川内川流域で最大の都市 薩摩川内市の中心市街地に位置します。周辺には、川内川本川と支川の隈之城川が合流する河川敷が広がっており、国道3号線沿いの繁華街では、「川内川大花火大会」や「川内大綱引」「薩摩川内はんや祭」「川内レガッタ」等様々なイベントも行われています。
薩摩川内市のまちづくりと川内川のかわづくりの融合により、河川利用面での安全性の向上に繋がる水辺整備を周辺の公園整備と一体となって行うことで人々が集い賑わう ”かわ・まち空間” の創出を図っております。
〇整備内容
国:昇降施設、昇降階段、階段、緩傾斜堤防
自治体:公園整備、芝生滑り台
〇利用状況
薩摩川内子供大綱引(令和5年9月)
薩摩川内市の伝統行事・川内大綱引の子供大綱引会場として利用されました。
消防出初式(1月)
消防出初式の会場となっています。
式の最後には、川内川へ向かっての一斉放水が行われます。
薩摩川内市街部(大小路地区)
薩摩川内市大小路地区は、川内川流域で最大の都市 薩摩川内市の中心市街地に位置します。交通の要所である国道3号や九州新幹線「川内駅」からもすぐ近くでアクセス抜群のエリアです。薩摩川内市のまちづくりと川内川のかわづくりの融合により、高水敷ではスポーツやイベント等で、日常では川内川沿いを散策する人々により、にぎわいある水辺の創出を図っています。
〇整備内容
国:散策路、高水敷整正、坂路、階段、階段護岸
自治体:トイレ、街灯
〇利用状況
大小路地区引堤事業及びかわまちづくり整備事業完成式典(令和4年10月)
大小路地区の事業完成を記念して式典を行いました。
ムーンリバー(9月)
中秋の名月に河川敷に集まり、お月見をするイベントです。
川内川ピクニックパーク【昼】(令和4年10月)
ピクニック・BBQ・キャンプ・SUP・ボルダリング・ヨガ・ボート体験が楽しめる社会実証実験「川内川ピクニックパーク」が行われました。
川内川ピクニックパーク【夜】(令和4年10月)
ピクニック・BBQ・キャンプ・SUP・ボルダリング・ヨガ・ボート体験が楽しめる社会実証実験「川内川ピクニックパーク」が行われました。
リバーサイドビューえの 〜サマーフェスティバル〜【昼】(7月)
リバーサイドビューえの 〜サマーフェスティバルが可愛地区コミュニティ協議会主催で開催されました。ウォーターサバゲー体験・金魚すくい等の催し物、グラウンドゴルフが行われました。
リバーサイドビューえの 〜サマーフェスティバル〜【夜】(7月)
夜は様々な食べ物が集まった「屋台村」が開催されました。
さつま川内防災フェスタ(令和4年9月)
「さつま川内防災フェスタ」が川内青年会議所主催で開催されました。広い河川敷には、様々な防災ブースが出展。 川内川河川事務所では、降雨体験機と水圧体感ドアの体験を行いました。
鯉のぼりフェスティバル(4月〜5月)
毎年4月中旬頃から河川敷にたくさんの鯉のぼりがあがります。この季節の風物詩となっています。
伊佐市湯之尾地区のかわまちづくり
伊佐市湯之尾地区のかわまちづくり
伊佐市湯之尾(ゆのお)地区は、川内川にある湯之尾堰周辺の地区です。ドラゴンボートやカヌー、カヤックなどの競技や高水敷を活用したパークゴルフなどが盛んに行われています。一方で、伊佐市は平成19年7月に伊佐地区合併協議会で作成された新市まちづくり計画に基づき、安全で安心して暮らせる快適な生活空間づくりを図るとともに、災害に強い 安全で安心なまちづくりを進めていくことになりました。
これを受けて、カヌー競技イベントや水辺体験活動とも連携を図り、広い親水スペースや温泉等の地域資源を活かした交流拠点・観光拠点を進め、魅力あるまちづくりを 進めるとともに河川利用上の安全性の向上を図るため「湯之尾地区かわまちづくり」が平成21年度に検討され、平成21年度から平成22年度にかけて、住民代表の方々等も参加した「湯之尾地区かわまちづくり推進協議会」を複数回開催しました。
その結果、平成23年2月に「湯之尾地区かわまちづくり」が国土交通省の九州管内のかわまちづくり計画に登録され、平成23年度以降に整備が開始されました。
その結果、水草等の処理及び安全な河川利用を兼ねた塵芥荷揚場、階段工等の整備を実施し、河川利用面での安全性の向上につながるハード整備の支援を行いました。
整備前後の写真
計画段階から住民の皆様等の参加を図ったことにより、住民の皆様の意見を反映しつつ円滑な事業推進が展開され、湯之尾地区にこれまで以上に安全で親しみやすくなった河川空間が誕生しました。
現在でも、さまざまな形で利活用が行われています。
年間約30万人が訪れるグリーンパークえびの 水生生物調査
小学生らが参加して毎年行われる水生生物調査 推進協議会の模様
湯田地区かわまちづくり推進協議会の模様
えびの市湯田地区のかわまちづくり
川内川の上流域に位置するえびの市湯田(ゆだ)地区の周辺は、川内川に隣接する宮崎県内有数の観光拠点であるコカ・コーラウエスト(株)の グリーンパークえびので年間を通じてスポーツ大会等のイベント開催や、水辺ではカヌー体験会、水生生物調査などで利用されています。さらに平成25年4月にえびの市観光の情報発信基地「道の駅えびの」がオープンし、交流拠点として重要な役割を担っています。
これを受けて、「湯田地区かわまちづくり」についての検討が平成24年度から始まり、住民代表の方々も参加した「湯田地区かわまちづくり推進協議会」を複数回開催してきました。その結果、平成25年11月に湯田地区かわまちづくりが国土交通省のかわまちづくり計画に登録されました。
今後は、国土交通省が河川管理用通路、親水護岸の整備や高水敷整正等を行うと共に、えびの市が高水敷周辺の公園整備を行う予定です。これにより、高水敷の 利用及び水辺・水面利用時の安全性と快適性が確保され、周辺施設と連携した観光・交流拠点としての河川利活用を可能とし、地域の活性化を目指します。
えびの市湯田地区整備後イメージ
宮之城屋地・虎居地区のかわまちづくり
宮之城屋地・虎居地区
川内川の中流域に位置するさつま町の宮之城屋地(みやのじょうやち)地区及び虎居(とらい)地区周辺は、さつま町の中心市街地ですが、平成18年の水害で 大きな被害を受けた地域でもあります。
その後展開された川内川激特事業により、両地区内に推込分水路や石積み堤防など他にはみられない景観をもつ河川空間が生まれました。
周辺には、景勝地である「轟の瀬」や史跡虎居城、鹿児島県立北薩広域公園、商店街等もあり、河川空間を利用することで、さらなる地域振興を望む住民の皆様の声を受け、平成25年度に「宮之城屋地・虎居地区かわまちづくり推進協議会」が開催されました。
業部会
平成26年2月には、その第1回作業部会も開催され、地区住民の代表の方々の他、九州大学の有識者や川内川河川事務所、鹿児島県やさつま町の関係者など約70名が参加し、川内川を活かした新しいまちの姿について、自由闊達な意見交換を行いました。
作業部会では、多くの場の参加者からさまざまなアイディアが発表され、川内川に対する期待や愛着の大きさを 改めて実感することができました。
今後もこのような協議を重ね、「かわまちづくり支援制度」対象事業になるための準備を進めていきます。
かわまちづくりに関するお問い合わせ窓口
国土交通省 九州地方整備局 川内川河川事務所 流域治水課
所在地
〒895-0075 薩摩川内市東大小路町20番2号
TEL
0996-22-3359
FAX
0996-25-0862
E-mail
qsr-sendai@ki.mlit.go.jp