社会の動きをいち早く伝えるため、ものごとの核心に迫るため、記者は日々、取材に駆け回っています。
あらゆる現場を踏み、さまざまな人に話を聞き、入手できる限りの資料を読み込みます。
小さな変化を見逃すまいとして、常に目を凝らしています。
歴史的瞬間を伝える一報、公的機関や企業が隠してきた事実の追及、社会の中で孤立し、苦しむ人への支援を促すキャンペーン
――日々の取材の積み重ねの中から、時に社会を揺るがし、人々の意識を変え、世の中を動かす報道が生まれます。
日本新聞協会は、こうした報道を手掛けた記者に「新聞協会賞」を贈っています。
ここで紹介するのは、新聞協会賞を受賞した記者によるリポートやスピーチなどです。
記者たちは記事に込めた思い、「ジャーナリズムの力」を語っています。
日本新聞協会
2024年度の新聞協会賞は6件が受賞しました。
今後、10月16日に秋田市で開かれる新聞大会・授賞式でのスピーチ、新聞協会の月刊誌「新聞研究」へ
の寄稿などを通じ、取材・報道の経緯、記者の思いを紹介します。
自民党派閥の裏金問題をめぐる一連のスクープと関連報道
朝日新聞社
自民党派閥裏金問題取材班
(代表)東京本社編集局社会部次長
板橋洋佳氏
受賞作品紹介
自民党裏金問題の解明を終始リード
福祉事業会社「恵」の不正に関するスクープと、一連の報道
中日新聞社
「恵」問題取材班
(代表)東京本社編集局社会部(前名古屋本社編集局社会部)
細川暁子氏
受賞作品紹介
福祉ビジネスに潜む闇浮き彫りに
能登半島地震「珠洲市街地に押し寄せる津波、輪島朝市通り炎上」のスクープ写真
北國新聞社
編集局社会部(前奥能登支社珠洲支局)
谷屋洸陽氏
北國新聞社
編集局社会部兼写真部主任
三上聡一氏
受賞作品紹介
能登半島地震の惨状 生々しく伝える
連載企画「里へ 人と自然のものがたり」
神戸新聞社
里へ取材班
(代表)編集局映像写真部
小林良多氏
受賞作品紹介
里で野生生物活写 共生の課題探る
OSINTと3D表現技術による新たなデジタル報道手法の開拓
日本経済新聞社
OSINT(オープンソースインテリジェンス)取材班
(代表)編集 先端ビジュアルセンター戦略コンテンツグループ
山本博文氏
受賞作品紹介
公開情報と3D技術で事故など検証
京都アニメーション放火殺人事件連載企画「理由」と公判報道
京都新聞社
京都アニメーション放火殺人事件取材班
(代表)編集局報道部社会担当部長
渋谷哲也氏
受賞作品紹介
京アニ事件の実像、社会課題に迫る