平素より当院をご利用いただきまして
誠に有難うございます。
実は直近数年間で採用したスタッフが 残念ながら思ったように定着せず
慢性的な人手不足となっております。
特に土曜日は看護師がいない日が出てくる事態となりました。
そのような状況では十分な診察が難しいため
大変心苦しいのですが
令和8年より 土曜日を原則隔週でお休みさせて頂くことに致しました。
お休みの日はホームページのカレンダーからご確認頂けましたら幸いです。
また 動物看護学校を卒業された方を対象に
アルバイト、パート、正社員を募集しております。
もしも身近にそのような方がいらっしゃいましたら
ご紹介賜りましたら幸甚に存じます。
ご迷惑、ご不便をおかけいたしますが
何卒よろしくお願い申し上げます。
院長 拝
小鳥の飼い主様へ 久しぶりのセミナー主催のお知らせです。
テーマ)小鳥のシニアケア
講師)石綿美香先生(オウム・インコ行動コンサルタント)
今西奈穂子獣医師(当院副院長・鳥専門獣医師)
日時)2026年1月18日(日)
詳細とお申し込みは下記のページをご覧ください。
セミナーへのお問い合わせもこくちーずのお問い合わせボタンからお願い致します(お電話では承っておりません)。
鳥好きの皆さん、一緒に楽しみましょう!
まだまだ暑いですが 青果売り場には秋の味覚が並ぶこの頃となりました。
今日は朝からぶどうを食べてしまったワンちゃんが来院しました。
目を離した隙に食べてしまい、2頭いるうちどちらが食べたか分からないので2頭とも連れていらっしゃいました。
ナイス判断です。
2頭とも治療を行い、催吐材の注射で無事 ぶどうを吐き出すことができました。
ぶどうを食べたのは1頭だけでした。
今回は運良く早めに気づいて 病院も開いている時間帯だったので良かったですが
ぶどうは犬や猫などの動物に腎不全をおこすので 絶対に食べさせないようご注意ください。
干しぶどうもダメです。レーズンパンもダメです。
他に アボガド、ネギ、チョコレート、コーヒー、キシリトール入りのお菓子やガム、ユリの花、チューリップの球根、殺鼠剤など
家庭にはペットに有害なものが沢山ありますから
絶対に手が届かないよう、または ペットに危険なものは購入しないなど 十分に対策してくださいね。
もし有害と思われるものを食べてしまったらすぐに動物病院に連絡し 判断を仰いで下さい。
食べてから数時間以上経つと消化してしまい、吐かせることはできなくなります。
様子を見ずにすぐ!連絡して下さいね!
病院に連れて行く時には いつ何をどれくらい食べたかと、食べたものの成分がわかる物や実物を持ってきて下さい。
治療の助けになります。
この緊急処置のため朝の診察は遅れが出ましたが、皆様快くご協力いただき誠に有難うございました。
小鳥の診療を担当しております副院長の奈穂子です。
このたび 政府公認の専門性認定資格である、
鳥類臨床研究会の認定会員試験に合格いたしました。
このような資格が取得できましたのも
皆様のお力添えあってのことと厚く御礼申し上げます。
また大学卒業後に小動物臨床のご指導を頂き、多くの学会や勉強会へ
参加させてくださった ふるはし動物病院院長の古橋秀成先生、
後進の育成にご尽力下さっている鳥類臨床研究会の先生方や
病院研修を受け入れてくださった先生方、
日頃より勉強会等でお世話になっている先生方、
共に診療に当たっているスタッフと応援してくれた家族、
そしてご縁をいただいたすべての動物達に 深く感謝いたします。
資格取得はゴールではなく新たな出発点であり
更に研鑽して参りたいと思いますので、
今後とも当院をどうぞよろしくお願い申し上げます。
令和七年四月 今西奈穂子
急激な吐き気と食欲不振を起こしたセキセイインコちゃんを診察しました。
来院時はそ嚢が通常より拡張して垂れ、そ嚢内に液体と餌が溜まり 舌が蒼白で口から泡を吹いている状態でした。
酸素吸入後に何とかレントゲンを撮影でき 金属は確認されませんでしたが肺炎像と胃拡張があり、メガバクテリアの治療歴があることと、そ嚢に液体が充満していることから、まずは胃酸を抑え消化管を動かす薬と肺炎の治療を行いました。
翌日そ嚢の中の液体が減って安全に保定できるようになったところで そ嚢の底に柔らかい異物が触診されました。
そ嚢液を顕微鏡で観察すると紙のような繊維が観察されたため 何らかの繊維がそ嚢に溜まり、そ嚢から胃へ続く食道の入り口を塞いでいるものと思われました。
異物の固さと量から 特殊な器具を口から入れて摘出できると判断し、軽い鎮静下で行うことにしました。
舌の色が白く呼吸状態も悪かったことから酸素吸入をしばらく行い、万が一に備えて吸引器や止血薬、蘇生薬、気管挿管なども全て準備した上で 酸素吸入しながら処置を行いました。
まず潤滑剤をつけた細い食道ゾンデを挿入し そ嚢内に残っていた液体をできるだけ除去しました。潤滑剤は食道内の滑りを良くして異物を引き出しやすくするのが目的ですが、場合によっては使用しません。
次に 潤滑剤をつけた耳道用異物摘出用器具をそ嚢内に挿入し 異物の上部を軽く掴んで引き出しました。引き出す際に深く掴んでしまうと異物が折れ曲がり食道に詰まる危険が増しますので 上部を軽くつまむようにしています。また 助手はサクションをオンにして、私が異物を口から引き出す際、液体を誤嚥しないように横から液体を吸引しました。
出てきた異物はティッシュペーパーの塊に他の繊維が混ざったもの[画像]で 引き出した時の長さは28mm、幅は9mmもありました。飼い主さんに確認したところ ティッシュを食べるのは気づいていたので注意していたが、気づかないうちに少しずつ食べていたかもしれないということでした。
このように、そ嚢内の異物が少量で柔らかい場合は口から引き出す処置が可能な事も有り 今までセキセインコで3例行い全て成功しています。
しかし 処置中に吐いて誤嚥したり、引き出す途中で食道に詰まってしまったり 口腔を傷つける危険も常にあり、状況によっては即死も想定されるため非常な緊張感を持って行っています。危険性については飼主様に説明の上、ご決断を頂いています。内科的な治療で改善しない場合にこのような処置が必要になります。
小鳥は何でも口にして 飲み込んでしまうことがあります。
繊維の誤食の例としては 新聞紙、段ボール、服の毛玉、鳥用ベッド、本の背表紙、じゅうたんやラグ、フェルト、飼い主さんの髪の毛など。
ティッシュペーパーのような柔らかい紙でも今回のように詰まってしまう事がありますので 放鳥中は目を離さず、紙や布、服の毛玉、髪の毛なども食べさせないようにしましょう。
誤食している場合はそ嚢液や検便で発見できる事もあるので 定期健診を受けて確認しておくと良いと思います。ただし便に出ておらずわからないこともあるので、基本的には飼い主様の普段の観察が大切です。
健診で繊維を指摘された場合は生活環境の点検と改善をお願いします。