日産自動車の誇る名車「フェアレディZ」。水上自動車ではグランドノーズの240ZG、そして希少なZ432(PS30型)の2台をベース車両に、デモカーを製作しております。
240ZGは当社デモカーとしてサーキットや店舗でご覧いただけるように、Z432は販売車両として製作してまいります。
こちらのページでは、240ZGとZ432の製作過程を写真を交えご紹介。通常業務の空いた時間を利用しての製作なので、不定期更新となってしまいますがご期待ください。
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Z432のレストア作業を本格的に開始しました。まずご紹介するのは下回りです。
レストア作業を始めるにあたり、ボディの状態確認、リフレッシュをするため、エンジン・ミッション・足回り一式を取り外しました。
製造されて40年近く経っている車両なので、下回りの塗装が剥がれかかっていますが、ボディそのものには錆もほとんどなく、極めて良好な状態だといえます。
今後、グローバルジグにてボディアライメントを適正化、塗装を施してから、各パーツを組付けていきます。
ボディレストアと同時にエンジンオーバーホールも行う予定のこちらのZ432は、販売を予定しております。製作途中の段階でもお問合せいただければ、車両をご覧頂くことも可能です。ぜひ当社までお越しください。
※(注記)現時点ではボディカラーはグリーンを予定しておりますが、お客様の好みにあわせ変更可能です。
S.48年式の240ZG、いわゆるグランドノーズのフェアレディZです。
屋根付の駐車場に保管していた車両なので、元々の程度は良いのですが、やはり年式相応のサビや痛みなどはあります。
ボディには多少のダメージがありますが、車両の骨格であるシャシーは良好な状態を保っているようです。
水上自動車ではこの240ZGをこれからボディリペアし、デモカーとして仕上げていきます。あわせて幾つかのチューニングメニューも施す予定ですので、皆様の車両製作の参考にご覧ください。
水上自動車では今まで3桁を越えるZをレストア・チューニングしてきました。そこで積み上げてきた経験と知識を元にパーツを厳選、必要なカスタマイズを施し足周りを生まれ変わらせます。
純正オプション車高調から当社オリジナルのアラゴスタ全長調整式車高調(F:10K、R:8K)に換装。デフ、ピロロアアームキットはZチューンの盛んなアメリカから取り寄せたARIZONA Zを採用。
また、他車流用パーツとして、R31ドライブシャフトを加工取付。今後、ニスモのS15用クロスミッション(ファイナル:4.625、イニシャル:9K)を搭載予定、それに合わせ各部セッティングを進めています。
現在、データを取りテストを進めているところです。筑波サーキットにあわせセッティングを煮詰めていますが、ロールを許容しない単純なサーキット専用ではなく、街乗りもこなせるしなやかな足周りとなるよう調整中です。
搭載される2.4LのL型エンジンは排気量を3.1Lまでアップ。そこに水上自動車オリジナルアルコンヘッド・オリジナル形状の燃焼室、オリジナルカム・コンロッドを組み合わせ、340PS程度を狙います。
排気系には新バーションの集合部6-1エキマニ、ワンオフオールステンマフラー。燃料ラインは全て新しく引き直し、燃料ポンプも強化品に変更。冷却対策として下面に導風口を設けたロアノーズをFRPでワンオフ、ラジエターの妨げにならないよう、オイルクーラーを水平マウントしました。
当店デモカーのコンセプトは、「オリジナル240Zの良さを極力崩さぬよう、内外装にはできる限り穴開けせず、走る・止まるを追求した上で、壊れない車造り」です。
このコンセプトを実現するために、要求する性能の部品がなければ、ワンオフ製作。
こうして作られたパーツは、ストリート〜サーキットでのテストを経て、新製品の開発へと結び付けられていくのです。
今回の作業は、各部セッティングの微調整・内外装の仕上げです。
まずは、鈴鹿サーキットでシェイクダウンした際、油温が110度を越えていた対策として、ロアノーズの導風口を冷却効率をより高めるため変更・調整。
足周りはトラクションのかかり、コーナーでの踏ん張りともにまずまずだったので、この方向性を維持しながらセッティングをさらに煮詰めていきます。
ダッシュボードは、3連油温・油圧・水温、デジタルスピードメータ、空燃費計などを、視認性良く収めるためにワンオフ製作。
また、この車両は純正色と比べ青味の強い白にオールペンされていました。そこでオリジナルに近づけるため、再度オールペンします。先行してエンジンルーム・ボンネットは純正の白にペイント済です。写真で色味を比較してみてください。
セッティングを進めるため、筑波サーキット(コース2000)にてシェイクダウン&テスト走行を実施しました。当日は曇天、気温も10°C前後と好条件でした。
前回、鈴鹿サーキットでの油温上昇の対策として、オイルクーラーを追加、2基がけにすることで、全開走行でも油音を100度にキープできるようになりました。
ただ、90°C前後で安定していた水温が上昇傾向を示しました。水温対策するにしても、オーバーハング前に重量物を増加させると今度は運動性に悪影響が出かねないので、軽量なアルミ製ラジエターや整流板で対応することにしました。
幾つか問題点も見つかった筑波初走行でしたが、とりあえずは1分5秒フラットを記録できました。今後、煮詰めていけば2秒台も充分狙えそうです。
筑波サーキット(コース2000)にて水温上昇の対策のためにアルミラジエターのテスト走行を行いました。気候は曇天、気温20°C前後の条件です。
ラジエター変更はかなり効果があり、20分を超えるサーキット走行でも水温はL型理想の70°C近辺を維持し続けられました。
また、水温対策のテスト走行だったため、2年前のユーズドタイヤでのラップでしたが、試しにタイム計測したところ1分3秒8を記録。今後、条件さえ整えればさらに1秒以上の短縮も現実的になりました。