りんごの知識
「りんご」とは?
りんごはバラ科リンゴ属の落葉きょう木です。
その昔は、アンズ、モモ、ミカン、レモン、などのくだものを「りんご」という総称で呼ばれていたくらいです。
私たちの食べている部分は花床と呼ばれている部分が発達したもので、果心は子房の発達したものです。
りんごの四季
?剪定
冬の間にいらない木の枝を切り取って、花や実が良く付くようにする作業をします。
?発芽
雪がとけはじめるころ、芽がだんだんふくらんできました。
?肥料散布
4月中旬ころ元肥と、7月上旬ころの追肥と年2回くらい肥料の散布をし、おいしいりんごをつくります。
?薬剤散布
りんごの木の病気や、虫が果実や葉につかないように年数回薬剤散布をします。
?開花
・5月下旬、白い可憐な花がさきます。
・りんごの花が確実に結実するように人工交配を行います。
・最近では、ミツバチ・マメコバチも利用しています。
?摘果
6〜7月ころ、たくさん結実した実の中から生育の良い実を残し、他を落とします。
?袋かけ
7月下旬ころ、品質向上のため、果実一つひとつに袋をかけます。
?収穫
9月から11まで・・・キズを付けないように慎重にもぎ取ります。
熟期の遅い品種では雪の中、収穫することもあります。
?選果
収穫したりんごを色形、大きさなどによって選別します。
?消費者のみなさまへ
選別されたりんごは、くだもの村の直売所・道の駅へ、また直接消費者の皆さんのところへ発送します。
リンゴの歴史
栽培りんごの起源は、今なお原始的な林を残す中央アジアが発祥の地といわれています。
これがヨーロッパ・中国などへ伝わり、19世紀後半から改良が重ねられました。
日本でのりんご栽培は、明治5年に内務省勧業寮が75品種をアメリカ合衆国から輸入したことに始まります。その後、現在の主なりんご産地に苗木が配布され、栽培が始まりました。明治初年に導入された品種は日本に定着し、ミカンに次ぐ栽培面積になりました。
品種改良と栽培技術の向上により、日本の気候と好みにあった品種が数多く作られ、栽培も年々盛んになりました。
壮瞥町のりんご栽培の歴史
明治7年、北海道開拓使によってアメリカから75品種が導入され函館郊外において苗木の増植がおこなわれました。
壮瞥には明治13年にりんご300本が配布されました。その後、本格的に栽培されるようになったのは、明治19年にアメリカに留学していた橋口文蔵氏(札幌農学校初代校長−現北海道大学)が、壮瞥に農場を開設し、りんごづくりの指導にあたりました。
当時は管理も不十分なため、粒も小さく味も良くなかったようで「石りんご」と呼ばれ壮瞥に農場を開設していたくらいです。
しかし、先人の努力により、明治30年頃にはりんごを中心にして梨、梅、さくらんぼ等が栽培されるようになりました。明治35年の記録では、りんご2,940本、梨120本、さくらんぼ48本となっています。
現在まで、昭和新山の噴火による降灰、有珠山噴火等、幾多の苦難を乗り越えて現在の「くだものの里」ができたのです。
りんごと健康
?水分
大体、85%〜86%である。
?炭水化物
・糖分は10〜20%含まれているが平均すると13〜15%である。
・でん粉は未熟なりんごにあるが、熟度が進むと糖になる。
・繊維素(セルロース)は0.5%含まれている。
・ペクチンが含まれ健康に役立つ。
?無機質(ミネラル)
・カルシウム、リンが多く、ナトリウム、カリウム、硫黄、鉄、マンガンなどが含まれている。
・りんごはアルカリ性の食品です。
?ビタミン
・ビタミンCは、果肉100g中に、約10mg含まれています。果肉よりも果皮に多く、有袋果より無袋果がおおく、着色の悪いものより着色の良いものに多く含まれています。
?りんごのカロリー
・果肉100g中に50〜60カロリーで、りんご1個で約150カロリーです。
りんごの医薬的効果
?西洋のことわざに
「一日一個のりんごは医者を遠ざける」
?高血圧に
・りんごを毎日3個以上食べると血圧が下がり、脳卒中や高血圧が少ないと言われています。
?胃腸病と貧血に
・胃病の人にりんご果汁を与えると、胃カタル胃炎などの酸の少ない人は酸が増し、胃液の分泌を進めて、消化が良くなります。
・りんご果汁は、胃液の酸と赤血球を増す効果があると言われています。
?胃腸と解毒に
・異常に高まった腸の運動をりんご果汁は元通りにし、極度に弱っている腸の運動を元気にするような腸の調整作用があります。
・りんごに含まれているペクチンは解毒効果が高く、下痢などの腸の調子の悪いときに効果があると言われています。
?疲労回復に
・疲労を感じたときに、りんごを食べると、りんごのさわやかさが気分をほぐします。
・疲労状態の時の身体のアルカリ分をりんごの酸が中和し、疲労回復効果があります。
?血色増加に
・赤ちゃんの人工栄養に、りんご果汁5%を添加すると体重が増え、血色が良くなり下痢も減らす効果があると言われています。
おいしいりんごの見分け方
?果実の色
・色の良くついたものほど甘みが強く、味も濃い
・青りんごは、緑色が多いほど熟度がすすんでいない
・赤いりんごはお尻を見て、青いりんごは肌を見て、緑が少なく、黄ばんでいるりんごほど食べ頃である。しかし、長持ちはしない。
?果実のかおり
・りんんごのかおりの成分はアルコール類(92%)、エステル類(2%)、カルボニル(6%)、酸類(微量)である。
・果実特有のかおりはエステル類の種類と量による。
・よく熟したものほど、特有のよいかおりを出すので、臭いをかいでみる。
・未熟果や熟しすぎて発酵臭を出すものは美味くない。
?大きさと形
・その年に獲れたりんごの中位の大きさのものが良い。
・大きすぎるものは大味であり、小さすぎるものは未熟だったり、甘みの足りないことがある。
・形は整ったものの方が味にバラつきがない。
?重さ
・同じ大きさでも、しっとりと重い(比重が大きい)りんごほど塾したものが多い。
?打音とツルの新鮮さ
・果実を軽く指ではじいた時、はずんだ音がするりんごは新鮮であり、雨夜の太鼓のように鈍い音がするのは鮮度が落ちている。
・ツルがみずみずしいのは新鮮であり、しなびているのは鮮度が落ちている。
りんご一口メモ
冷やすとおいしくなるりんご
りんごに含まれている果糖は冷やすと甘さを増します。
りんごの果粉
新鮮なりんごでは、農薬でない白い粉がついていることがありますが、白い粉は果実自体が作ったロウ性の物質で果粉とよんでいます
果粉は雨露をはじき、果実から水分が逃げるのを防ぎ、新鮮さを保つ働きをします。
鮮度の保ち方
低温で、湿度を高めにして保存すると長持ちします。ポリエチレンの袋に入れ、家庭用の冷蔵庫に入れておくと鮮度を保ちます。
りんごの油あがりについて
「ジョナゴールド」や「つがる」、「シナノスィート」などのりんごに多くみられる表面が「ピカピカ」または「ベタベタ」してくる現象を「油あがり」と呼んでいます。
りんごが熟すにつれ、「脂肪酸」であるリノール酸やオレイン酸が表面に増えてくるために起こる自然現象で、食べ頃になった目安でもあり、安心して食べていただけます。