友人から誘われたセミナーで投資話を断れず借金した!これってマルチ商法?
質問
友人に誘われて参加した投資セミナーで、投資会社の社員を名乗る男性から「入会金50万円を出せば儲けられる」「人を紹介すれば紹介料が入る」と、投資セミナーへの入会を勧誘されました。お金がないと断りましたが、「借金すればよい」「すぐ返済できる」と言われ、貸金業者から50万円を借金して支払い、入会しました。よく考えると怪しいのでやめたいのですが、キャンセルできますか。
回答
「儲け話を人に紹介すれば紹介料が入る」と言って投資やセミナーを勧誘し、入会金を支払わせる等の、儲け話の実態がよくわからないマルチ商法に関する相談が寄せられています。
特定商取引法の連鎖販売取引に該当する場合、クーリング・オフや中途解約ができます。至急、解決方法についてお近くの消費生活相談窓口に相談しましょう。
解説
マルチ商法とは
マルチ商法とは、商品・サービスを契約し、次は自分がその商品・サービスの勧誘者となって報酬(紹介料)などを得る商法です。
これまで、マルチ商法に関するトラブルでは、健康食品や化粧品などの「商品」に関する相談が多く寄せられていましたが、近年は「役務(サービス)」に関する相談が増加しています。こうした「サービス」のマルチ商法(以下、「モノなしマルチ」)では、「儲け話を人に紹介すれば報酬が得られる」と誘われるケースが多くみられますが、「投資の仕組みの説明は全くない」など、儲け話の実態がよく分からないという特徴があります。
また、「勧誘を断りきれずに入会金などとしてお金を払ったが、説明されたように稼げない」というトラブルが絶えません。
具体的な相談事例については以下のページで確認できます。
キャンセルしたいときは
特定商取引法の連鎖販売取引に該当する場合(注)は、次のとおりクーリング・オフや中途解約をすることができます。
- (注)
1.物品の販売(又は役務の提供など)の事業であって
2.再販売、受託販売若しくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
3.特定利益が得られると誘い
4.特定負担を伴う取引(取引条件の変更を含む)をするもの
クーリング・オフ
法律で定められた書面または商品を受け取った遅い方の日を1日目として、20日以内はクーリング・オフができます。書面に必要なことが書かれていないなど、内容に不備があるときは、20日を過ぎてもクーリング・オフできる場合があります。
クーリング・オフの書き方や通知方法については、国民生活センターのホームページに解説がありますので参考にしてください。
中途解約
契約から20日経過後は、連鎖販売契約を解除(中途解約)できます。また、一定の条件を満たせば、当該連鎖販売契約が解除されるまでに締結した商品販売契約の解除も可能です。
具体的な条件など、連鎖販売取引に対する規制の詳細については、下記URLをご覧ください。
トラブルに遭わないために
あとで解約すればよいと思って契約しても、解約や返金の交渉が難しいケースが多くみられます。以下の点に注意しましょう。
- 実態や仕組みがわからない「モノなしマルチ」は契約しない。
- 友達や知り合いから勧誘されても、きっぱりと断る。
- 安易にクレジットカードでの高額決済や借金をしない。
お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。