真夏の夜空を華麗に演出する打揚花火。
この花火には大きく分けて、菊のように球形に開く「割物」と、花火玉が上空で二つに開き、中から星などが放出する「ポカ物」の2種類があります。
中でも大きく菊花を咲かせる日本の割物花火は、世界で最も精巧な花火といわれております。
ここではその花火玉の中がどのようになっているか、仕組みについて断面図とともにご紹介します。
日本の伝統的な花火。火薬を扱うため、
すべて手作業となる緻密な花火製造工程をご紹介します。
配合工程
花火作りはまず火薬の調合から始まります。配合比通りに薬品を計量し、丹念に混ぜ合わせて粉末の火薬を作ります。赤や緑など、花火の色は配合する薬品の種類と割合によって決まってきます。
成形工程
次に最も重要な「星」を作ります。配合工程で出来た火薬に水を加えて練り枠に入れて切断した「切星」を、回転釜などを利用し、水分を与えながらさらに火薬をまぶして太らせ、天日で乾燥させる作業を何回も繰り返し「星」を完成させます。
組立工程
各部品が出来たら、次は組み立てを行います。まず半分ずつ、玉皮に沿って星を隙間なく均一に並べ、紙に包んだ割火薬を中心部に入れます。次に二つを合体させて一発の花火玉にします。
仕上工程
最後に仕上作業に入ります。組立工程で出来た花火玉の表面にクラフト紙を糊で貼り、乾燥させる作業を何回も繰り返します。紙を貼る回数は玉の大きさや種類によって異なりますが、15cm玉で約20枚を貼り、花火玉は完成となります。
打揚花火には普通、花火大会などで見られる夜もの花火と、
ドンドンドンと大きな音と煙を出す昼もの花火があります。
それぞれに特徴をもった昼と夜の代表的な花火をご紹介します。