胴離れ酌む顔ゆきき川床行燈
丸山海道
京鹿子
199808
川床にぎし女五人の靴岩に
丸山佳子
京鹿子
199809
川床提灯無くて七くせ魚拓かな
丸山海道
京鹿子
199810
子育ての下手な中流川床夫人
松本高兒
京鹿子
199908
川床料理国宝級の風運ぶ
高木伸宜
ヒッポ千番地
200009
川床涼み一番客に灯を強め
内山和江
奧嶺
200010
川床に灯の入りて涼しき鴨川原
木村杏子
雨月
200010
着くづれをせぬほどに酔ひ川床料理
小菅暢子
沖
200010
舟の客にも届けられ川床料理
有坂馨園
狩
200010
杉箸の先の濡れいろ川床更けて
北川孝子
京鹿子
200011
水に流すことのいくつか川床月夜
北川孝子
京鹿子
200011
川床涼し見えぬ所に打つ楔
荒川美邦
京鹿子
200109
木屋町に表を構へ川床の宿
大堀鶴侶
雨月
200110
川床料理白紙を膳としたりけり
立石萌木
雨月
200110
ときをりは水あかりして川床料理
大堀由子
狩
200112
千金の甘子を食ふも貴船川床
鈴鹿野風呂
京鹿子
200202
貴船川床瀬音はづみに人語消す
鈴鹿野風呂
京鹿子
200202
一匹の蠅を寄せずに川床料理
鈴鹿野風呂
京鹿子
200202
冬麗の貴船の川床の脚ばかり
浜口高子
火星
200203
朴の葉のいろにのせある川床料理
戸栗末廣
火星
200210
お福髷結うて妓の舞ふ川床納涼
中島知恵子
雨月
200210
川床にゐて一つも持たぬ艶話
廣畑忠明
火星
200210
川隔て灯る南座川床涼し
岡淑子
雨月
200210
柱なき隅を灯して川床座敷
杉浦典子
火星
200211
瀬の音も初秋の川床となりにけり
久保晴子
雨月
200212
澄む水の澄む水音の川床に客
原田暹
百鳥
200212
小五郎の隠れし宿に川床涼み
木田千女
狩
200308
川床やはじける靨チマ・チヨゴリ
佐伯盈
帆船
200309
雨上る三条河原に川床の材
浅田光代
風土
200310
うす暗き昼の提灯川床料理
立石萌木
雨月
200310
水音も馳走の一つ川床料理
立石萌木
雨月
200310
川床の出て京のととのふ夕べかな
浅田光代
風土
200310
早うお越しと貴船より川床案内
岡野俊治
遠嶺
200310
岩走る瀬音に川床の料理かな
堀光子
遠嶺
200311
まだ暮れぬうちより灯り川床料理
池谷市江
狩
200312
貴船川流れも早く川床しとど
藤田京子
ぐろっけ
200312
川床や女系は業の深きとも
徳田干鶴子
馬醉木
200401
暮るるほど舞妓まぶしき川床涼み
秋葉雅治
沖
200409
北山の昏れ来て川床の灯の点る
森川泰雄
濱
200409
川床や椀に映れる宵の星
久保一岩
京鹿子
200409
堰こゆる千変万化貴船川床
荻野照
遠嶺
200410
天蓋の葉風やさしく貴船川床
早乙女信
対岸
200410
水音を踏み運ばるる川床料理
稲畑汀子
ホトトギス
200507
黒髪は風と遊べり川床料理
鈴木節子
沖
200508
三つ指に迎へられけり川床料理
木野本加寿江
火星
200509
川の音山の音きき川床料理
塩川雄三
築港
200509
川床料理をとこの臑のさびしかり
城孝子
火星
200509
川床で棹さすやうに足浸す
高安勝三
遠嶺
200511
川床や崩すに惜しき鮎料理
中里カヨ
酸漿
200511
忘れめや貴船の川床の小流れを
浅井青陽子
ホトトギス
200512
川床料理きびきび運ぶ素足かな
長山あや
ホトトギス
200512
川床びらき浮世絵美人はべらせて
乗光雅子
雨月
200608
貴船川床瀬音も客も畏まり
島田山流
春燈
200609
風棲める名残りの川床を軋ませて
近藤敏子
沖
200611
川床に籠盛り弁当七七忌
尼嵜太一郎
ぐろっけ
200701
麩の多き献立たたへ川床料理
磯野しをり
雨月
200710
川床料理流離の膝を交へけり
水野節子
雨月
200711
夕日いま水にはなやぐ川床料理
三好千衣子
沖
200711
川床茶屋の席を仕切れる苔の岩
木上よし
濱
200711
川床や足を浸して少女めく
篠田純子
あを
200711
芸妓の名つらね川床の小提灯
澁江阿喜子
万象
200712
焼き鮎にたで酢ほどける川床料理
有賀昌子
やぶれ傘
200810
貴船路や川床をそれゐる杉の影
中村翠湖
馬醉木
200811
青き柚子しぼり貴船の川床料理
手島伸子
雨月
200811
組み換へし川床に比叡の通り雨
?コ田千鶴子
馬醉木
200908
川床の灯やまづは比叡の暮れてゆく
豊田都峰
京鹿子
200909
水音の川床にひと刻夏の帯
松田和子
璦
200909
夕風の誘ひに川床のともりそむ
豊田都峰
京鹿子
200909
夕闇の川床より低く二人宛
高木智
京鹿子
200909
夕風のひとすぢのごと川床あかり
豊田都峰
京鹿子
200909
川床の灯や絣姿に京ことば
藤本一城
笹
200911
奥貴船川床に主なき利休下駄
小阪律子
ぐろっけ
200911
川床料理秋かぜの吹く田舎町
中山純子
万象
200911
川床料理波に量感ありにけり
矢田かずこ
笹
200912
灯芯の川床むらさきの影かぶき
吉岡知香
京鹿子
201001
愛宕嶺のてつぺん曇る昼の川床
大山文子
火星
201009
妻の母上座に据ゑて川床料理
山本丈夫
璦
201009
体内に水音ありけり川床涼み
延広禎一
槐
201009
川床料理深山の夜気を隠し味
北尾章郎
璦
201010
社会人となり自腹の川床料理
恒成久美子
ぐろっけ
201010
二人酒にて川床の奥の席
年森恭子
ぐろっけ
201010
時折のしぶきを肴貴船川床
石黒興平
末黒野
201012
川床涼み若き仲居の裾捌き
石黒興平
末黒野
201012
川床びらき藤のかんざし挿す舞妓
伊勢きみこ
火星
201108
盃弾む舞妓の侍べる川床料理
河本利一
苑
201109
川床料理帳場へ帽子預けをり
久染康子
沖
201109
紛れなく川床の湿りの鼻緒かな
荒井千佐代
沖
201110
婚礼の段取り決まる貴船川床
阪本哲弘
璦
201110
一炊のみやび走れり川床料理
江澤弘子
鴫
201111
風を呼ぶ葭の間仕切川床座敷
岡崎伸
沖
201201
川床の灯やまづは比叡の暮れてゆく
豊田都峰
水の唄
201203
加茂川の川床の灯や京舞妓
川井素山
かさね
201208
昼下がりぼんぼり灯す川床の宴
池内とほる
かさね
201209
清流を膝下におさめ貴船川床
中本吉信
璦
201209
ゆくりなき友と一夜を川床涼み
錫木妙子
馬醉木
201210
朝の川床あつけらかんとしてゐたり
池田華甲
空
201211
川床のぼんぼり潤む四条かな
神田恵琳
跫音
201303
木洩れ日も馳走としたり貴船川床
広渡敬雄
沖
201306
肩濡らす糠雨しきり川床用意
あかさか鷹乃
ろんど
201309
水占の凶は流して貴船川床
山野美賛子
ぐろっけ
201310
2023年7月23日
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