吾亦紅 2 100句
吾亦紅ぽつんぽつんと気ままなる 細見綾子
妻たりし月日短し吾亦紅
半田順子
馬醉木
200311
吾亦紅揺るる小径の絵本館
岡山裕美
雲の峰
200311
これ以上省略は無理吾亦紅
石平周蛙
対岸
200311
婚の荷の何も要らぬと吾亦紅
高尾豊子
火星
200311
千年の陶房を守り吾亦紅
江頭文子
雨月
200312
昼の間のひとりが楽し吾亦紅
高尾豊子
火星
200312
犬ころに恐いものなし吾亦紅
木村美猫
ぐろっけ
200312
吾亦紅山雲雨をこぼしけり
宮川みね子
風土
200401
鳥声のあまた去来の吾亦紅
天野きく江
槐
200401
吾亦紅の玄きくれなゐ砂州近し
雨村敏子
槐
200401
吾亦紅は後部座席へしまはるる
伊藤早苗
鴫
200401
ひかへめが何より取得吾亦紅
青和子
狩
200402
吾亦紅今みなければならぬ彩
栗原道子
京鹿子
200402
焦点のさだまらぬつね吾亦紅
河内桜人
京鹿子
200404
吾亦紅「勇(与)輝」の子らの童歌
花島みゆき
八千草
200404
心足るときの無口や吾亦紅
小石秀子
酸漿
200406
洋服は茶系を好む吾亦紅
橘澄男
山景
200408
一本の欠かせぬ供華の吾亦紅
稲畑汀子
ホトトギス
200409
野を統べてゐしは結局吾亦紅
稲畑汀子
ホトトギス
200409
濃き方へ羽音集めて吾亦紅
稲畑廣太郎
ホトトギス
200410
人好きで人嫌ひなり吾亦紅
山尾玉藻
火星
200411
一斤染の出羽の夕日や吾亦紅
久保久子
春燈
200411
浜風の外人墓地や吾亦紅
平千恵
春燈
200411
吾亦紅吾も紅と競ひける
若江千萱
雨月
200411
吾亦紅小粒ながらに色深し
若江千萱
雨月
200411
風去なすことに徹して吾亦紅
水谷芳子
雨月
200411
ただよへる暮色にまぎれ吾亦紅
熊岡俊子
雨月
200411
吾亦紅山の声して匂ひして
森山のりこ
あを
200411
吾亦紅憲法九条道標
森理和
あを
200411
背の高き人のあと行き吾亦紅
内藤ゑつ
ゑつ
200411
吾亦紅山河はあをくながれたり
三嶋隆英
馬醉木
200412
吾亦紅野の風まとひ売られけり
市川玲子
春燈
200412
吾亦紅添へて活けたき野草あり
市川玲子
春燈
200412
昏れ初めし富士のくつきり吾亦紅
村林久子
遠嶺
200412
星々の位置定まりぬ吾亦紅
森竹昭夫
遠嶺
200412
ふりかへりても揺れてをり吾亦紅
島すが子
槐
200412
吾亦紅手折りて旅の一会かな
平田安生
風土
200412
みづうみに暮色兆せり吾亦紅
三村武子
酸漿
200412
追ひ打ちの風雨でありし吾亦紅
石川一郎
対岸
200412
肝心のところは云はず吾亦紅
横山迫子
六花
200412
いたはりの言葉嚥み込む吾亦紅
田原陽子
鴫
200501
聖堂を遠見にしたる吾亦紅
橋本良子
遠嶺
200501
吾亦紅立枯れゐるに嶽の風
法月幸子
濱
200501
野の風に存在しかと吾亦紅
久保晴子
雨月
200501
蝶翔ちて揺りつづきをり吾亦紅
吉田眞弓
雨月
200501
脇役をいつも演じて吾亦紅
愛甲厚子
狩
200502
吾亦紅には空間のありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200509
吾亦紅ときに濁点句読点
栃内和江
沖
200511
角笛の山の彼方に吾亦紅
吉武美子
沖
200511
石仏の影も石仏吾亦紅
木山杏理
京鹿子
200511
吾亦紅の明野となるや省二の忌
谷岡尚美
槐
200512
吾亦紅われもわれもと立ちあがる
竹内悦子
槐
200512
吾亦紅児の持ち歩く虫眼鏡
柳生千枝子
火星
200512
吾亦紅好きなんだけどそのままに
加藤君子
火星
200512
吾亦紅祖母の紬を縫ひ直す
三橋早苗
ぐろっけ
200512
吾亦紅しみじみ遠き故郷かな
辻治子
四葩
200601
浮く雲の競はぬ流れ吾亦紅
牧長幸子
対岸
200601
ふところは風の出どころ吾亦紅
坂本敏子
京鹿子
200601
吾亦紅ふつと答の出ることも
西野初音
京鹿子
200601
足踏の水車に揺るる吾亦紅
福島吉美
万象
200601
小栗堂へつづくこみちや吾亦紅
中谷葉留
風土
200601
若き日の苦労は胸に吾亦紅
柴野静
苑
200602
筆鋒に個性の滲む吾亦紅
橋本良子
遠嶺
200602
励ましのことばを子らに吾亦紅
島元文
遠嶺
200602
吾亦紅夕日にこぼす影ひとつ
新井佐知子
遠嶺
200602
軽石のごとき感触吾亦紅
物江晴子
八千草
200605
躓いて一人なりけり吾亦紅
山尾玉藻
火星
200609
吾亦紅ベンチ頒け合ひ相識らず
岡本眸
朝
200609
満開の吾亦紅よといはれれば
西畑敦子
火星
200611
林火忌の供華に加へる吾亦紅
松崎鉄之介
濱
200611
吾亦紅東都に姉の四人ゐて
萩谷幸子
雨月
200611
映ゆる日に紫紅深めし吾亦紅
渡辺寿美子
酸漿
200611
咲き始めとも終りとも吾亦紅
伊藤宇太子
狩
200612
見えてゐて吾亦紅にとどかざる
雨村敏子
槐
200612
慰めの言葉のほしき吾亦紅
三沢蘭
遠嶺
200612
今にして母に問ふこと吾亦紅
竹内文子
遠嶺
200612
吾亦紅山むらさきに暮れ残る
山田天
雨月
200612
吹き返す風生ぬるき吾亦紅
大山文子
火星
200612
吾亦紅在りし辺に今は無き
早崎泰江
あを
200612
吾亦紅父の遺訓のいまに生き
北尾章郎
苑
200701
吾亦紅から沈みゆく野の暮色
長山あや
ホトトギス
200702
つつましき高さ盛りの吾亦紅
世古幸久
狩
200702
吾亦紅に日当つてゐるしづけさよ
雨村敏子
槐
200702
吾亦紅の一顆に影とひかりある
雨村敏子
槐
200703
平成の七草嬉々と吾亦紅
真木早苗
八千草
200703
歩きたる体型いろいろ吾亦紅
横山迫子
六花
200706
口紅を変へて踏み出す吾亦紅
横山迫子
六花
200706
吾亦紅古希より喜寿の早きこと
横山迫子
六花
200706
吾亦紅榛名の風に逆らはず
稲畑廣太郎
ホトトギス
200709
木道は二人の世界吾亦紅
稲畑廣太郎
ホトトギス
200709
吾亦紅故郷の人皆親し
稲畑廣太郎
ホトトギス
200709
吾亦紅君はその心を見たか
稲畑廣太郎
ホトトギス
200709
ふるさとの径をおもへば吾亦紅
長沼紫紅
朝
200710
昼からの華やぎ見せて吾亦紅
長沼紫紅
朝
200710
風あとの吾亦紅よと頭を垂れて
須藤トモ子
峰
200711
七草の数に入らねど吾亦紅
木村茂登子
あを
200711
ひかり合ふ人間たりし吾亦紅
天野きく江
槐
200712
現役と余生のあはひ吾亦紅
関根洋子
風土
200712
振りかへる齢となりぬ吾亦紅
阿部正枝
遠嶺
200712
みほとけに守られてをり吾亦紅
環順子
遠嶺
200712
2021年11月2日
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