オリオンの輝きに凍て始まりぬ
大橋晄
雨月
199901
初冬のオリオンへ星飛びにけり
岡和絵
火星
199902
オリオンの楯張る隠岐の黒木御所
山田夏子
雨月
199902
オリオンの明るさ程も愛せるか
松山律子
船団
199907
わが詩を夏オリオンに連ねたし
小澤克己
遠嶺
199910
オリオン座少し傾き虎落笛
稲畑汀子
ホトトギス
199911
木曽の邑いつも頭上にオリオン座
能勢京子
船団
199912
オリオンの西にかたぶく夜明前
阿部ひろし
酸漿
199912
うそ寒にオリオンの空できあがる
空閑一叫子
ホトトギス
200002
寒月にオリオンの盾力失せ
稲岡長
円虹
200002
冬オリオン子牛が見上げゐたりけり
大和田鏡子
俳句通信
200002
オリオンに黒のバロック軽やかに
尾上有紀子
わがまま
200002
オリオンの函を斜めに持ち上げる
加藤かな文
槐
200003
オリオンの真闇に消えた白い羽根
わたなべじゅんこ
鳥になる
200003
オリオンを仰ぎ陣痛の娘へ急ぐ
甲田雅子
濱
200003
オリオンへ等間隔の柝の音かな
柿沼盟子
風土
200003
わらべごゑにてオリオンを見つけたり
今木偉郎
槐
200003
王の森オリオンやをら夜番めく
依田明倫
ホトトギス
200005
オリオンの光芒氷柱のふとりたる
戸村よねこ
遠嶺
200005
旅行かむ春オリオンを頭に冠し
小澤克己
遠嶺
200005
ポケットに手を入れて会うオリオン座
川島ひとみ
船団
200007
オリオンを指して宗谷の羅針盤
北村照子
遠嶺
200008
叱責のオリオンあるいは地雷ふむような
廣嶋美恵子
船団
200008
隠花植物オリオンが崩れゆく
大西政司
海程
200102
寝静まるころオリオンの狩の声
田村はじめ
銀化
200103
オリオンの渚に明日の舟を漕ぐ
斉藤利雄
遠嶺
200103
オリオンへ光年といふ美しき距離
千坂美津恵
苑
200104
「星座」創刊
オリオンの帆の大いなる寒の明け
鷹羽狩行
狩
200104
オリオンと交信のさま寒欅
山下由紀
狩
200104
オリオンや妻へ感謝の小買物
小澤克己
遠嶺
200105
わが夢のなほオリオンをきらめかす
小澤克己
遠嶺
200105
新年のオリオン空に紛れなし
小澤克己
遠嶺
200105
氷湖吹く風の疾きにオリオン座
岡田貞峰
馬醉木
200105
悪相の犬と仲良しオリオン座
児玉硝子
船団
200108
オリオンが一つ足りない春の夜
ゆにえす
船団
200110
臨海の此処オリオンの家族たち
田中俊弥
船団
200110
オリオンを掲げし一樹ありにけり
川端和子
「星月夜」
200112
嶺あらばさらに高きを秋オリオン
小澤克己
遠嶺
200201
山住みのオリオン屋根の真上なる
北村すなほ
濱
200202
オリオンの揺るぎなき座や星飛べり
小澤克己
遠嶺
200202
オリオンやしんしんと髪冷えてきし
田中藤穂
あを
200202
オリオンや夜釣の客の出港す
武田眞砂
百鳥
200202
北風響き合ふオリオンの箱の中
田中由喜子
馬醉木
200203
冬オリオン教へ子と職同じうす
小島せつ子
百鳥
200203
オリオンを過ぎり緑の星流る
神山喜美代
遠嶺
200203
オリオンに対ひ己を無となせり
小澤克己
遠嶺
200203
オリオンや十七文字の旅日記
大曽根育代
遠嶺
200203
オリオンの下に一会の友を得し
神山喜美代
遠嶺
200203
オリオンへ青き灯の滑走路
水野あき子
遠嶺
200203
オリオンの星物語始発駅
寺内佶
遠嶺
200204
越ゆるべき嶺を仰げば初オリオン
小澤克己
遠嶺
200204
帰り着く我が家オリオン間近なり
与川やよい
遠嶺
200204
露天湯に手足伸ばしてオリオン座。
西塚成代
六花
200204
オリオンの真南に梅ほころびぬ
宮森毅
六花句集
200205
夜は島のオリオンかかげ冬牡丹
石飛明子
円虹
200206
かまくらをみてオリオンの位置質す
多田羅初美
ホトトギス
200206
オリオンの中より木の葉時雨かな
大槻右城
ホトトギス
200206
集会の果てオリオンの光濃く
岡田章子
ぐろっけ
200206
ハンモック揺りオリオンの真上なり
加地芳女
雨月
200207
わが血脈肯ひをりし夏オリオン
小澤克己
遠嶺
200210
オリオンや詩の一行を研ぎ澄ます
小澤克己
遠嶺
200210
秋オリオン詩魂みなぎるまで対す
小澤克己
遠嶺
200211
オリオンの懐深く鼓動きく
赤羽正行
遠嶺
200302
漂泊の旅の終りはオリオンに
赤羽正行
遠嶺
200302
オリオンの揺籃にゐて夢をみる
赤羽正行
遠嶺
200302
オリオンと同じさみしさ巡邏の灯
利根川妙子
苑
200302
オリオンに錨を下ろし停泊す
赤羽正行
遠嶺
200302
オリオンを讃へてホテルヨーロッパ
小澤克己
遠嶺
200302
オリオンの名もなき星の真ん中に
赤羽正行
遠嶺
200302
オリオンと向き合ふ日々や冬に入る
空閑一叫子
ホトトギス
200303
眼前に怒濤頭上の寒オリオン
小澤克己
遠嶺
200304
旅行かむ春オリオンを冠に
小澤克己
春の庵
200305
塚山は夏オリオンを掲げをり
瀬戸悠
風土
200306
北極のオリオン吾に迫り来る
岐部陽子
八千草
200306
オリオンの下に覚ゆる詩情かな
大谷茂
遠嶺
200306
船旅のデッキにてみるオリオン座
鈴木てるみ
ぐろっけ
200307
あれオリオンこれカシオペア星月夜
稲畑廣太郎
ホトトギス
200310
オリオンや明日のことは解らずに
藤井智恵子
百鳥
200403
除夜の鐘ベランダに出てオリオン座
安部里子
あを
200403
もらい湯の母の背で見たオリオン座
岡村尚子
ぐろっけ
200403
オリオン座大根懸けたる大銀杏
沖増修治
百鳥
200403
オリオンの神話を辿り更けにけり
吾妻好子
遠嶺
200404
日本とは角度のちがふオリオン座
岩松八重
六花
200404
師系説く冬オリオンのたちあがる
遠藤匡子
遠嶺
200404
オリオンの闇に万羽の鶴眠る
坂中紀子
ホトトギス
200404
早春のオリオンにある帰心かな
青野迦葉
ホトトギス
200406
詩よ興れ夏オリオンの蒼むほど
小澤克己
遠嶺
200410
オリオンが祝ぐ新年の嬰児かな
小澤克己
遠嶺
200501
オリオンの大きく展き竜の玉
鎌倉喜久恵
あをかき
200503
オリオンへ今宵「第九」のフエステイバル
河合佳代子
栴檀
200503
オリオンや永遠を誓いし夫は亡き
蒔田しをん
苑
200503
オリオンや街路樹の瘤太るまま
高橋芳子
火星
200503
冬オリオン巨き投網を打つごとし
竹内弘子
あを
200504
オリオンのまだ見えてをり初詣
柳生千枝子
火星
200504
オリオンの楯傾けて寒明くる
中島あきら
沖
200504
オリオンの存問受けて枯尾花
稲畑廣太郎
ホトトギス
200504
オリオンの真下春立つ雪の宿
渡邉友七
あを
200505
あつといふ間の晩年や冬オリオン
蓮田照子
朝
200505
オリオンの楯に刻みし「情」と「景」
寺内佶
遠嶺
200505
恋句按じをればかつりと冬オリオン
山元志津子
八千草
200506
再会のオリオン楯をきらめかす
曷川克
遠嶺
200506
オリオンも獅子座も凍り街黙す
吉村ひさ志
ホトトギス
200506
被災地にかかつてゐたるオリオン座
近藤貞子
六花
200511
仰ぎたる空オリオン座冬木越
稲畑汀子
ホトトギス
200512
オリオンを見てゐて冬の星流れ
稲畑汀子
ホトトギス
200512
オリオンを背負ふ門限なかりけり
伊藤白潮
鴫
200601
オリオンの下温習の師の言葉
浜田はるみ
遠嶺
200602
オリオンを仰ぐ特権山暮し
中山勢都子
苑
200603
オリオンのひとつは海に触れさうに
榎美幸
万象
200604
オリオンの下に鐘楼年むかふ
廣瀬義一
雨月
200604
オリオンの冴えて鍵音とばしけり
外川玲子
風土
200604
オリオンの楯の突つ立つ寒の入
近藤喜子
槐
200604
焼藷を買ふオリオンの真下にて
山田弘子
ホトトギス
200605
廃船の上に廃船春オリオン
荒井千佐代
沖
200605
オリオン座くつきりと見え冬に入る
荻原麗子
酸漿
200701
戸締りの再確認やオリオン座
井山佐多
京鹿子
200703
父泣きし句を口ずさみ寒オリオン
森田子月
ぐろっけ
200703
オリオンや樹心は仏宿らせて
橋本良子
遠嶺
200703
オリオンに触れて句画集生まれけり
浜田はるみ
遠嶺
200703
オリオンの肩より懸けし神秘の絵
小澤克己
遠嶺
200703
詩道行く寒オリオンの膝下ゆく
小澤克己
遠嶺
200704
のぼり来しオリオン首を傾げ見る
坂本知子
酸漿
200704
オリオンヘ各駅停車待ちてをり
竹下昌子
鴫
200704
束の間の百年春のオリオン座
富沢敏子
鴫
200705
けふよりは春星となるオリオン座
山下佳子
苑
200705
睡りても春オリオンを胸奥に
小澤克己
遠嶺
200705
天窓にオリオン蒼き狩支度
薮脇晴美
馬醉木
200706
軒に見てオリオン燦と夜明前
阿部ひろし
酸漿
200712
オリオンの所在確かめ冬山路
稲畑汀子
ホトトギス
200712
オリオンを仰ぎて嫁の手術の日
刈米育子
苑
200802
オリオンの斜めがかりの大欅
豊田都峰
京鹿子
200802
オリオンの真下に侍ちて無口なり
竹下昌子
鴫
200802
注目を浴びてゐるなり冬オリオン
宮澤さくら
遠嶺
200803
早暁のオリオン招く旅路かな
山田富朗
遠嶺
200803
オリオンのひとつが消えて夫病みぬ
竹下昌子
鴫
200803
救急車ゆきオリオンは中天に
大崎紀夫
やぶれ傘
200804
寒オリオン無駄でも頼むこと一つ
戸田和子
鴫
200804
立ち尽す寒オリオンの瞬きに
大橋晄
雨月
200804
妻が余命くれしかとふとオリオン座
北村香朗
京鹿子
200804
オリオンの一筋の道仰ぐべし
東良子
首座星
200804
インバネス着しオリオンを首座星に
東良子
首座星
200804
オリオン座仰ぎて年の夜を眠る
今井千鶴子
ホトトギス
200805
夏空を超えオリオンの星となれ
小澤克己
遠嶺
200808
斑雲の奥にオリオン確かなり
ことり
六花
200812
オリオンの残像著き初景色
小澤克己
遠嶺
200901
星空の中燦然とオリオン座
高谷栄一
璦
200903
連嶺のオリオン明日を疑はず
川口襄
遠嶺
200903
指先で計れる長さオリオン座
宮田香
璦
200903
オリオンや挨拶に胸高鳴らせ
堀本悠
遠嶺
200903
オリオンの下ひつそりと友逝けり
島元文
遠嶺
200904
寒天や頭の中のオリオン座
藤兼静子
鴫
200904
稜線に沿ひオリオンの傾きぬ
高田令子
鴫
200904
幼きよりあの木の上に寒オリオン
後藤とみ子
ぐろっけ
200904
オリオンの空夕闇に冴返る
四條進
峰
200904
オリオンも早やうるみたる弥生かな
吉田順子
槐
200905
闇凍てて砂漠に降りしオリオン座
神原徳茂
遠嶺
200908
無限なる素数や真夜の大オリオン
小澤克己
遠嶺
201003
オリオンの下に二合の米をとぐ
浅田光代
風土
201003
オリオンの楯きらめけり産声に
中尾杏子
沖
201003
帰路急ぐ母子を見守るオリオン座
島本知子
ぐろっけ
201004
真つ向にオリオン据ゑて詩紡ぐ
小澤克己
遠嶺
201004
オリオン座三時の方の沖を航く
豊田都峰
京鹿子
201004
オリオンの辺り流星待つことに
稲畑汀子
ホトトギス
201010
オリオン座よりの流星見つけねば
稲畑汀子
ホトトギス
201010
オリオンのベルトの辺り冬めける
稲畑廣太郎
ホトトギス
201011
語ること供養となりぬ冬オリオン
能村研三
沖
201012
オリオンや曠野に汽笛尾をひきて
?コ田千鶴子
馬醉木
201101
オリオンの火の粉の海に堕ちにけり
瀬川公馨
槐
201103
南天にオリオンの楯凍て傾ぐ
柳生千枝子
火星
201103
ふたご座流星オリオン星座を袈裟斬りに
田中芳夫
苑
201103
オリオンの楯立ち上がる対馬灘
野中亮介
馬醉木
201103
オリオンを仰ぎて明日の幸ねがふ
刈米育子
苑
201103
明け近き寒オリオンを湖の上
安斎久英
末黒野
201104
時雨月去りオリオンに更ける宿
藤浦昭代
ホトトギス
201104
南天に凍て傾きてオリオン座
柳生千枝子
火星
201104
貝殻の螺旋は宇宙オリオン星
深川峰子
沖
201105
冴返るガス星雲のオリオン座
澤浦緑
ぐろっけ
201105
オリオンや髪の冷たき人とゐる
星野早苗
船団
201110
オリオンに果てなき旅を誘はるる
桂敦子
璦
201202
オリオン座ひとりぼっちの夜なんだ
上村美翔
うらら
201202
オリオンの恋の狩人煌けり
高谷栄一
璦
201202
オリオンの煌めき鴟尾の立ちあがる
寺田すず江
槐
201203
ディナークルーズオリオンをさかさまに
塩田博久
風土
201203
オリオンに近づく磴や除夜詣
浅川幸代
末黒野
201204
オリオンや窓集りて道となる
井上信子
鴫
201204
中天の全きオリオン冴返る
石垣幸子
雨月
201205
雪踏やときにオリオンふりあふぎ
小谷延子
万象
201207
オリオンの空寒月に明け渡す
稲畑汀子
ホトトギス
201301
大寒やオリオン既に位置正す
天野みゆき
風土
201303
オリオンの大きく位置を曲げにけり
山田六甲
六花
201303
涙拭くや寒オリオンと漁火と
荒井千佐代
沖
201402
冬オリオン犬の水飲む音のみぞ
犬塚李里子
槐
201402
オリオンの傾きそめて冴返る
山元土十
ホトトギス
201402
オリオンやわがこころざし銹色に
鴨下昭
峰
201402
オリオンや稿十枚に夜を徹し
松本三千夫
末黒野
201402
着ぶくれてオリオン星座仰ぎゐる
岡山敦子
京鹿子
201404
まっすぐな道をまっすぐ寒オリオン
中原幸子
船団
201406
オリオンの午前三時の冬仰ぐ
稲畑汀子
ホトトギス
201411
オリオンヘ旅を戻りし水の星
山田六甲
六花
201411
クリスマスミサオリオンに呼応して
廣太郎句帳
ホトトギス
201412
再会の宵のオリオンビールかな
原ゆき
船団
201502
秘めごとやオリオンに打ち明ける
犬塚李里子
槐
201502
冬オリオンおさむ貞雄に護られて
すずき巴里
ろんど
201503
オリオンの寝起きの顔や冬に入る
橋本くに彦
ホトトギス
201503
オリオンを引つかけてゐる枯木かな
後藤比奈夫
ホトトギス
201504
オリオンの足元にあり大犬座
大日向幸江
あを
201504
屋根雪の迫り出してゐるオリオン座
定梶じょう
あを
201504
オリオンの離れ初めたり冬木立
河野美奇
ホトトギス
201505
オリオンの舞ひ立つ闇のレクイエム
後藤眞由美
春燈
201602
宙よりの伝言を聞く冬オリオン
犬塚李里子
槐
201602
潤みつつ空守る春のオリオン座
布川直幸
峰
201602
座(くら)移しゐたるオリオン惜しみけり
山田六甲
六花
201602
オリオンは春へ傾き賎ヶ岳
山田六甲
六花
201603
オリオンや時空に歪みあるといふ
田中信行
槐
201605
オリオンを横切る雲の春隣
橋本くに彦
ホトトギス
201606
寒オリオン真下にいます迷い猫
井上曜子
船団
201612
オリオンをなぞり撫で肩冬はじめ
甕秀麿
鴫
201702
街空のオリオン暗し虎落笛
大内マキ子
万象
201702
オリオンを確かめ軋む雨戸鎖す
小川玉泉
末黒野
201703
オリオンの座低くして寒もどり
山田六甲
六花
201704
針供養動き出したるオリオン座
高野春子
京鹿子
201705
オリオンの揺らめき蒼し風の音
井上石動
あを
201704
鬼夜果てオリオンの空下りてくる
岸洋子
空
201705
春寒やオリオンの空手に触れむ
岡本秀子
沖
201706
オリオンを止まり木として屋台酒
太田良一
末黒野
201803
オリオンや三人なべて華甲過ぐ
小川玉泉
末黒野
201803
真向ひに寒オリオンや湖の闇
安斎久英
末黒野
201804
2021年11月10日
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