芽柳や雨にけぶりし中之島
高野清風
俳句通信
199906
城の濠残る曲阜に芽柳垂る
松崎鉄之介
濱
199907
芽柳や佃水路のさざれ波
安陪青人
雨月
199907
芽柳の触れむばかりに渡舟着く
田中蘇水
馬醉木
199908
芽柳やごぼうを持ってすこぶる疾走
谷佳紀
海程
199908
芽柳や湯浴みの行の僧の列
渡辺政子
俳句通信
200005
芽柳や天女降りしと云ふ湖畔
朝妻真知子
俳句通信
200005
芽柳や人並びゐる佃煮屋
阿部紀子
俳句通信
200005
芽柳の風吹くままのうすみどり
梅田秀子
酸漿
200006
芽柳や日照雨の街を人駈けて
真保喜代子
朝
200101
芽柳の影の賑はひ蔵屋敷
丁野弘
狩
200103
芽柳と風の遊べる月明り
丁野弘
狩
200103
芽柳や近衛歩兵の北の丸
鈴木とおる
風土
200104
芽柳や鶏飼ふ艀菜をきざむ
皆川盤水
春耕
200104
芽柳の風の描寫に長けてをり
中原道夫
銀化
200105
芽柳に風の飛びつく仕草かな
岩田育左右
遠嶺
200106
芽柳や娘が携へし図面筒
能村研三
沖
200107
芽柳の影を少年松葉杖
玉川悠
遠嶺
200107
芽柳や谷町をゆく髭男
浜麻依子
六花
200107
芽柳や石を柱に宮の門
朝妻力
雲の峰
200204
芽柳の伸びたる塀に雀の子
山城やえ
春耕
200204
芽柳や旧き酒屋の錆釣瓶
山城やえ
春耕
200204
芽柳に銀座昔のいろとなり
鎌倉喜久恵
あを
200204
芽柳に生まれて風のやはらかし
岩崎皓子
雲の峰
200205
芽柳や骨の太きは親ゆづり
渡辺俊子
京鹿子
200206
芽柳の縺れは風が解きほぐし
村重香霞
狩
200206
芽柳のおくる夕風小さき森
田中聡子
遠嶺
200206
芽柳の風日銀の大扉
大谷茂
遠嶺
200206
芽柳にふれて安吾の町親し
石井たを子
濱
200206
芽柳や手庇でみる朱雀門
村上留美子
火星
200206
芽柳や人に付きゆく雪舟展
井関祥子
酸漿
200206
芽柳や木下と呼ぶ利根の木場
和田一
雨月
200206
芽柳や畳干しゐる屋形船
山田春生
春耕
200206
芽柳を啄む鵯の番ひかな
金子つとむ
春耕
200206
芽柳や護岸工事の音高き
斉藤やす子
春耕
200206
芽柳や工事の進む街の音
市川伊團次
六花
200206
芽柳や土塀の崩れそこかしこ
水田清子
朝
200206
芽柳に竜馬の宿の紅格子
岩崎憲二
京鹿子
200207
芽柳に土蔵の厚き窓開く
小阪律子
ぐろっけ
200208
芽柳に触れてすぎゆく手漕舟
堺紀美子
雲の峰
200304
芽柳の風に靡けり扇塚
久保田ヤスエ
酸漿
200304
芽柳や気まぐれ雨が頬濡らす
大塚まや
京鹿子
200305
芽柳を撫でてゆきずり女かな
丸井巴水
京鹿子
200306
芽柳のしだれも軽き映画村
谷口蔦子
ぐろっけ
200306
芽柳や碧き目の曳く人力車
平野静
京鹿子
200307
芽柳や運河に並ぶ舟の家
中里カヨ
酸漿
200307
芽柳や背伸びして猫歩き出す
石川英利
百鳥
200307
芽柳の風を見てゐるコック帽
中村立身
百鳥
200308
芽柳の運河の面に垂れけり
石井邦子
酸漿
200309
芽柳のゆれて田舟の過ぎゆきぬ
塚本和子
雨月
200404
芽柳や風の力を押し返し
しばかやこ
風土
200404
芽柳に風やはらかし銀座の灯
石原光徳
酸漿
200405
芽柳のみどりそもまた並木なり
大橋敦子
雨月
200405
芽柳や下校の児らのジヤンケンポ
有島扇水
河鹿
200406
芽柳や風向き変はる昨日今日
飛山ますみ
遠嶺
200406
芽柳の下に下谷の老と吾と
坊城俊樹
ホトトギス
200407
芽柳やよちよち魚籠を覗く嬰
桑原泰子
八千草
200408
女船頭芽柳にふれ棹の先
福田かよ子
ぐろっけ
200408
芽柳の風の尖りし「戻り橋」
橋添やよひ
風土
200504
芽柳のなびきの方と座を決めむ
豊田都峰
京鹿子
200505
芽柳に夕日の透ける二月堂
綱頭久子
築港
200505
芽柳の風のこもごも墓の群れ
土田芳月
遠嶺
200507
芽柳や静かに鷺の舞ひ来る
三井公子
酸漿
200507
風吹いて芽柳の私語始まりし
仙石君子
雨月
200507
芽柳や弁天堂に人の混む
田中藤穂
集
200508
芽柳やお化けのやうな大き鯉
浜和佳子
百鳥
200508
芽柳や金春通り暮れ初むる
稲畑廣太郎
ホトトギス
200603
芽柳に風の色づき初めにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200603
芽柳に羽音吹かれてをりにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200603
碧き空梳かむと芽柳揺れはじむ
山田暢子
風土
200605
近づきて芽柳遠目よかりけり
大橋敦子
雨月
200605
芽柳ともつれて遊ぶ風若し
廣津留きょう子
四葩
200606
お日様に芽柳甘えすぎてゐる
丸山佳子
京鹿子
200606
芽柳のあらそひ裁く風となり
宇都宮滴水
京鹿子
200606
芽柳に吹かるる重さありにけり
真角多賀子
対岸
200606
芽柳や天守に向きて家老邸
鎌田篤
雨月
200606
芽柳や鉄骨伸ぶるビルエ事
川上恵子
雨月
200606
芽柳に軽き風来てあやなせり
梅田秀子
酸漿
200606
芽柳に見えて山風粗きかな
木内憲子
朝
200607
芽柳に触るるでか山辻回し
河島瑞子
万象
200609
芽柳の色となりつゝ風と合ふ
稲畑汀子
ホトトギス
200703
芽柳や風の去来に応へつつ
稲畑汀子
ホトトギス
200703
芽柳にそふ風の糸雨の糸
稲畑汀子
ホトトギス
200703
芽柳や思ひ思ひに糸を垂れ
青山悠
空
200704
何ひとつ見てをらなんだ芽柳も
小形さとる
槐
200705
芽柳に夕日の風のやはらげる
犬塚芳子
槐
200705
芽柳を仰ぎて何の浮遊感
上谷昌憲
沖
200705
芽柳や塔ゆれてゐる水の面
園多佳女
雨月
200706
芽柳の風が光となる池畔
米原秋城
雨月
200706
芽柳のなびくと見せて廓あと
森茉明
京鹿子
200706
芽柳や窓よりのつと牛の顔
大坪景章
万象
200708
芽柳のゆるぐ若木や西銀座
飯田泰子
八千草
200709
ゆるやかに芽柳靡く火除橋
池森昭子
馬醉木
200710
芽柳の傘にすっぽり啄木碑
平野きぬ子
八千草
200710
いつの間に芽柳となりをりにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200803
芽柳に風まだそはず消えてをり
稲畑汀子
ホトトギス
200803
この辺の風芽柳に来て見ゆる
稲畑汀子
ホトトギス
200803
芽柳の風の意のままそよぎをり
中村悦子
峰
200805
芽柳やいかな人にも不和しらぬ
丸山佳子
京鹿子
200805
芽柳の揺れをくぐりて子ら遊ぶ
坂根宏子
璦
200806
芽柳に水うつとりと流れをり
川鍋絹子
馬醉木
200806
芽柳に音をかぶせる造り滝
布川直幸
峰
200806
芽柳に朝のはじまる人通り
綿谷美那
雨月
200806
芽柳の撓みに風の乗り行けり
大塚民枝
酸漿
200806
芽柳や一国一城橋一つ
内藤静
風土
200807
芽柳の届くを待てる水面かな
鷹羽狩行
狩
200903
芽柳のもつるる先の常夜燈
中村恭子
鴫
200906
芽柳の揺れのしきりや幼稚園
谷合青洋
酸漿
200906
芽柳や踏み固まらぬ通学路
小林呼溪
狩
201004
芽柳の夕日をたたむ運河かな
小山紫乃布
末黒野
201005
芽柳のうねり激しく貨車過ぐる
中原敏雄
雨月
201005
芽柳の揺れて水面を揺らしけり
松田明子
空
201006
芽柳の裾を潜りて舟下り
中村洋子
風土
201006
芽柳の揺れて後に山のあり
生田喬也
笹
201006
芽柳の枝先の風影広げ
木下和代
末黒野
201007
芽柳や飛びつきさうな鯉の群
柿原よし子
春燈
201007
芽柳を濠に流せり角櫓
大坪景章
万象
201007
遠目にも芽柳しかと色づけり
大橋晄
雨月
201104
芽柳をいろうて六角堂にあり
西村節子
火星
201105
芽柳の煙のごとく揺れにけり
樋口みのぶ
空
201106
役辞して芽柳の風愛しめり
和田孝村
春燈
201106
芽柳のまち焼売のにほひして
杉浦典子
火星
201106
芽柳の枝揺らしをり群雀
久保村淑子
万象
201106
風と遊ぶことに長けたり芽柳は
大橋晄
雨月
201106
芽柳や川面をはじく日の光
廣瀬義一
雨月
201106
芽柳の通りを挟む画廊かな
山本浪子
風土
201106
芽柳や先々代より婿養子
山本浪子
風土
201106
芽柳やアンデルセン像マントぬぐ
遠山みち子
鴫
201107
芽柳や風に光を散らしをり
加藤静江
末黒野
201107
芽柳やもんどり打つて堰あふる
上家弘子
ろんど
201108
芽柳やふんはり嬰の髪を梳く
志方章子
六花
201108
芽柳やまなこ洗はれゐるごとし
岡崎伸
遠眼鏡
201203
芽柳の零す雨滴のうすみどり
城戸 緑
末黒野句集
201203
水の景芽柳の景石の景
稲畑廣太郎
ホトトギス
201204
芽柳の橋姫神社おどろ髪
山口キミコ
璦
201205
芽柳や天女の衣あらばなほ
大橋晄
雨月
201205
芽柳のさみどりひと日ひと日かな
関歌子
万象選集
201205
芽柳やゆたに流るる雲一朶
小林美登里
かさね
201206
芽柳やカヌー一艇進水す
丸井巴水
京鹿子
201206
芽柳や啄木語る人と会ひ
鈴木阿久
峰
201206
芽柳のなびく倉敷美術館
落合絹代
風土
201207
芽柳や文人めきて池の端
前川明子
鴫
201207
芽柳や背よりせまる水こだま
成田美代
鴫
201207
芽柳や水車をまはすはけの水
服部早苗
空
201207
芽柳の己れを容るる御簾の中
鳳蛮華
空
201207
芽柳のみどり煌めく瑞枝かな
倉橋千代子
末黒野
201207
芽柳に飛び入る鳥の早さかな
高橋明
末黒野
201207
芽柳のしだるる枝の揃ひけり
藤生不二男
六花
201207
芽柳の己れを容るる御簾の中
鳳蛮華
空
201208
芽柳のころ約束の二つ三つ
豊田都峰
京鹿子
201304
芽柳や魚屋水を流しづめ
竹内弘子
あを
201204
芽柳や触つてみたき翁眉
上山永晃
春燈
201305
芽柳の薄暮ゆれつぐ川面かな
小山繁子
春燈
201305
芽柳や今戸猿若花川戸
平城静代
沖
201305
芽柳の銀座歩数は一万歩
三輪慶子
ぐろっけ
201305
芽柳や温泉宿並びて川に沿ひ
伊藤純子
璦
201306
芽柳は風と光の意のままに
高瀬史
馬醉木
201306
芽柳や洋食屋とある硝子窓
塙誠一郎
沖
201306
芽柳をのれんくぐりに男来る
戸田春月
火星
201306
芽柳の枝垂れをはねてどんこ舟
原田しずえ
万象
201405
芽柳に誘はれ歩む川辺かな
桂敦子
璦
201405
芽柳や伏見寺田屋屋根に猫
豊田信子
瓔
201406
芽柳や湯魂石なる由来知る
鎌田慶子
ろんど
201406
芽柳や港に向きて風見鶏
川上恵子
雨月
201406
芽柳や客を待つ間の舟手入れ
堀田順子
馬醉木
201406
芽柳に風の覚めゆく朝かな
能勢俊子
馬醉木
201406
産衣のやうや芽柳のうすみどり
望月晴美
沖
201406
芽柳や中洲を分かつ風の道
笹村政子
六花
201407
芽柳の風を分けゆく人力車
大内マキ子
万象
201407
芽柳のあやふやな影踏みにけり
鳳蛮華
空
201407
昨日より今日芽柳の風の濃し
園部早智子
ろんど
201408
芽柳の枝垂れて風をつかみをり
中村洋子
風土
201409
芽柳の空動かしてをりにけり
間島あきら
風土
201501
芽柳のゆれては岸をふくらます
豊田都峰
京鹿子
201503
芽柳の風のつなげる川ほとり
豊田都峰
京鹿子
201503
芽柳や風に詩心移しゆく
稲畑廣太郎
ホトトギス
201503
芽柳に猫の手伸びる一とところ
稲畑廣太郎
ホトトギス
201503
芽柳や空き地ぽつかり夜の銀座
古川夏子
空
201504
芽柳のあはあは十石舟乗り場
田中佐知子
風土
201505
芽柳の風に吹かるる街の午後
赤羽陽子
春燈
201505
みづ色の空に芽柳ほぐれたり
内田郁代
万象
201505
芽柳やゆるりと浮子の立ちあがる
廣瀬推男
やぶれ傘
201505
芽柳に風の行方を托しけり
稲畑汀子
ホトトギス
201506
芽柳の枝絡まつてゐるやうな
小山陽子
やぶれ傘
201506
芽柳の心もとなし雷門
木内徴子
万象
201506
芽柳や市をはみ出す乾物商
萩庭一幹
馬醉木
201506
芽柳に公園深くなりにけり
升田ヤス子
六花
201507
芽柳のさつそく風とたはむれり
野村鞆枝
京鹿子
201508
芽柳やゆつくり動く屋形船
鈴木良戈
沖
201605
芽柳の触れ合ふ風の乱れかな
石田きよし
鴫
201605
芽柳の雨にしっとり濡るるかな
片山喜久子
雨月
201605
芽柳の淡きみどりにけぶりたる
瀬川公馨
槐
201606
芽柳にきて控へ目の風となる
箕輪カオル
鴫
201606
芽柳や啄木の唄口ずさみ
千葉惠美子
末黒野
201606
芽柳や北上川のゆるやかに
千葉惠美子
末黒野
201606
芽柳のなびく泉水さざれ波
東小薗美千代
末黒野
201606
芽柳のゆらゆら水面ゆらゆらと
岡淑子
雨月
201606
芽柳や道の左右は町工場
瀬島洒望
やぶれ傘
201607
芽柳の雨に灯ともすお濠端
黒川悦子
ホトトギス
201608
芽柳の月に際立つ祇園かな
今井春生
空
201608