地下鉄にかつぎ込みたる熊手かな
中根美保
風土
199902
大熊手酔ひの勢ひで購へり
小菅暢子
沖
199902
初日さす熊手の一指欠けゐたる
吉田島江
火星
199904
王子電車揺れて熊手の小判ゆれ
吉田明
沖
200001
車椅子を囲む手締や熊手売
渡邉英子
馬醉木
200003
細やかに熊手使ひて刈田焼く
吉田初江
春耕
200010
大熊手手締とともに売られけり
松宮幹彦
春耕
200010
大熊手背にをどらせて酉の市
岡田?ン太雄
雨月
200012
飾り付け半ばに売れて熊手市
杢子安子
狩
200102
細々と燃え続けゐる古熊手
二村蘭秋
雨月
200102
大熊手買ふ慣はしの店にたつ
二村蘭秋
雨月
200102
坊裏に忘れ熊手や昼ちちろ
岸恒雄
春耕
200112
熊手買ふ人むれにゐて人を恋ひ
渡邉友七
あを
200112
酉の市熊手小さきを幼言ふ
永見博子
酸漿
200202
宮の鳩熊手の稲穂つつきをり
河上麗子
春耕
200202
熊手買ひ主役となれり酉の市
小浦遊月
酸漿
200203
大熊手担ぎし人と乗り合はす
白鳥彰子
狩
200203
冬雲に熊手の先の届きたる
杉浦典子
火星
200203
熊手買ひ手応へ重し三の酉
小浦遊月
酸漿
200203
熊手とは上にあげれば軽くなる
後藤立夫
ホトトギス
200204
銀閣の熊手に掃かれ放屁虫
飯塚ゑ子
火星
200212
熊手手に乗り込むジェットコースター
永橋久子
百鳥
200302
二の酉の熊手夜空へせり出せり
浦川聡子
水の宅急便
200305
電球の影の膨らむ熊手かな
浦川聡子
水の宅急便
200305
空蝉の熊手のやうな脚をして
井上輝男
築港
200310
わが顔に似たるおかめの熊手買ふ
加藤サヨ子
築港
200401
逆境で深まる絆熊手買ふ
菊地嘉江
帆船
200401
手に乗りし熊手に運を託しをり
中村廣子
酸漿
200401
熊手市抜け来て川をたたく雨
今瀬剛一
対岸
200401
青竹の切り口丸し熊手市
今瀬剛一
対岸
200401
宝くじ結はへてありし大熊手
二村蘭秋
雨月
200402
身の程に合ひし熊手を選びたり
木藤ヒデ子
築港
200402
幾百の熊手にひびく触れ太鼓
石原光徳
酸漿
200402
大熊手売れて脚立を取り出しぬ
若林杜紀子
百鳥
200403
値下がりを待ちて買ひたり大熊手
永野秀峰
ぐろっけ
200403
熊手賣り一本締めのいかり肩
石山民谷
遠嶺
200404
熊手売るおかめ顔して口軽し
真木早苗
八千草
200405
甲斐性のなくて熊手の小ささよ
鈴木榮子
春燈
200412
福熊手青竹太く貫けり
城間芙美子
対岸
200501
早ばやと熊手かついで家主くる
芝宮須磨子
あを
200501
手締めして熊手一体歩き出し
安永圭子
風土
200501
新札を交へて熊手買ひにけり
岡田信雄
百鳥
200502
ゆさゆさと小判づくしの熊手ゆく
牧原和美
朝
200503
熊手市手締めの中を流さるる
加藤和子
万象
200503
善男善女も欲あれば熊手買ふ
松井洋子
ぐろっけ
200505
誰よりも大きな熊手酉の市
あさなが捷
空
200505
提灯の明明整然熊手市
芦川まり
八千草
200505
大熊手まはりから見て冷やかに
堀内一郎
あを
200511
暮れがたや人まばらなる熊手売
田中喜久子
酸漿
200601
大熊手売約済の大き札
安田青葉
対岸
200601
ふところに熊手小さく夫帰る
荻原麗子
酸漿
200601
朝風に乗りし掛け声大熊手
山田禮子
遠嶺
200602
紅葉寺熊手の爪の焦げてゐし
佐藤悦子
百鳥
200602
小熊手に千両万両飾りたて
丸山けさ乃
四葩
200602
小熊手を選び買ふ子の阿龜顔
関まさを
酸漿
200602
軍鶏鍋を平げかつぐ大熊手
伊藤京子
濱
200602
如月の熊手を持てる招き猫
山田六甲
六花
200603
小さき熊手大き熊手とすれ違ふ
西川五郎
馬醉木
200603
大熊手背中の闇を掴みたる
大井東一路
百鳥
200603
どぜう屋へ繰り込む大き熊手かな
堀口希望
沖
200603
手締めして空より下ろす大熊手
小野千枝子
万象
200603
熊手買ふ一杯機嫌で来るものか
嶋田一歩
ホトトギス
200604
大熊手掲げ人波抜け来る
室谷幸子
万象
200604
熊手買ふ声の躍つてをりにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200605
松落葉熊手投げだされてありぬ
定梶じょう
あをかき
200607
句碑掃除熊手拝借枯れ除く
丸山冬鳳
京鹿子
200608
お祝儀をはづめば熊手小さくとも
稲畑汀子
ホトトギス
200611
見せられし熊手の仔細聞きながら
稲畑汀子
ホトトギス
200611
百萬円の熊手の裏を覗きけり
篠田純子
あを
200701
担ぎたる熊手の重さ苦にならず
二村蘭秋
雨月
200701
一億の夢担ひたる熊手かな
二村蘭秋
雨月
200701
担ぎたる熊手に足をとられもす
二村蘭秋
雨月
200701
快晴の廂重ねて熊手市
内山花葉
沖
200703
高々と熊手の潜る鳥居かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200711
酒場路地酉の熊手が閊へたる
品川鈴子
ぐろっけ
200711
上京し稲穂熊手を得る新宿
品川鈴子
ぐろっけ
200711
熊手市値切る上方訛もて
品川鈴子
ぐろっけ
200711
大熊手買うて零細企業かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200711
池の面を熊手の掻きし松手入
山尾玉藻
火星
200712
バンダナの若き夫婦の熊手売り
中村悦子
峰
200801
雑踏を勇者がゆけり大熊手
川原典子
酸漿
200802
飾り終ふ縁起熊手や酉の市
小黒加支
酸漿
200802
大仰な手拍子恥ぢるちび熊手
島田山流
春燈
200802
大熊手抱へ童の手締浴ぶ
赤堀洋子
万象
200803
幼子の小さき熊手が落葉掻く
大塚民枝
酸漿
200803
大熊手持ち込み電車華やげり
原田しずえ
万象
200803
白きものちらつく中に熊手買ふ
鷹羽狩行
狩
200812
熊手売福掻き寄せて見せにけり
中田みなみ
空
200903
小熊手を持ちて一葉記念館
中田みなみ
空
200903
大熊手売れ響きけり鉦・太鼓
坂口三保子
ぐろっけ
200904
人波の上を闊歩の大熊手
松野睦子
遠嶺
200904
雨が降る家族総出の熊手売り
竹久みなみ
風土
201002
お多福の背撓負ひたる大熊手
柳川晋
槐
201003
偉丈夫の小さき熊手抱へをり
近田登志子
遠嶺
201003
生臭くなほ生きたくて熊手買ふ
布川直幸
峰
201011
細やかな熊手電車に揺られ行く
大西まりゑ
酸漿
201102
大熊手夕星ひいて戻りけり
浅木ノヱ
春燈
201103
閉塞の世に不似合ひの大熊手
鈴木阿久
峰
201104
初詣小さき熊手を賜りし
渡辺裕子
酸漿
201104
夜の川に沿うてゆきたる熊手かな
山尾玉藻
火星
201201
2021年11月25日
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