きちかうや城主自刃の屋敷跡
春田淳子
俳句通信
200011
きちかうに風の生まるる武家屋敷
中川晴美
雲の峰
200211
きちかうのつついてみたき蕾かな
伊藤妙
狩
200410
きちかうにともす闇あり灯あり
佐藤恭子
あを
200411
きちかうや宿に煤けし火伏神
川野喜代子
雲の峰
200411
きちかうや人づてに沙汰聞いてをり
前川明子
鴫
200712
きちかうや雨の匂ひを含む風
大場ましら
鴫
200812
きちかうや懸想に何の障りある
小形さとる
槐
200902
きちかうの向きを正して供華となす
稲畑廣太郎
ホトトギス
200908
きちかうのあをむらさきを活けにけり
中沢三省
風土
200911
きちかうの畏き紺の蕾かな
田岡千章
空
201202
きちかうの開きし音を疑はず
湯谷良子
火星
201212
きちかうの雑草を統ぶ紫紺かな
佐藤喜仙
かさね
201212
背負籠のきちかう鈴の鳴るごとし
森岡正作
沖
201501
きちかうの折目正しく萎みゆく
稲畑廣太郎
ホトトギス
201509
きちかうや一杓に湯のしづまれる
市村明代
馬醉木
201911
きちかうへ日の真つ直ぐに差しにけり
鈴木直充
春燈
202111
2023年8月19日
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